ウィリー・ネルソン

アメリカのシンガーソングライター (1933 - )

ウィリー・ヒュー・ネルソン英語: Willie Hugh Nelson, 1933年4月29日 - )はアメリカのカントリーのシンガーソングライターギタリスト俳優である。

ウィリー・ネルソン
Willie Nelson
ウィリー・ネルソン (2006)
基本情報
出生名 ウィリー・ヒュー・ネルソン
生誕 (1933-04-29) 1933年4月29日(91歳)[1]
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 テキサス州アボット英語版
ジャンル
職業
  • シンガー・ソングライター
  • プロデューサー
  • 俳優
  • 活動家
担当楽器
  • ボーカル
  • ギター
活動期間 1956年 – 現在
レーベル
配偶者
  • Martha Matthews
    (結婚 1952年、離婚 1962年)
  • Shirley Collie
    (結婚 1963年、離婚 1971年)
  • Connie Koepke
    (結婚 1971年、離婚 1988年)
  • Annie D'Angelo(結婚 1991年)
著名な家族 Bobbie Nelson
共同作業者
著名使用楽器

"Trigger" (Martin N-20)

A signature penned in black ink
ウィリー・ネルソンのサイン

ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第88位[3]。2011年、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において第77位。

略歴

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テキサス州フォート・ワース近郊アボット出身。イギリスアイルランドチェロキーの血を引く[4]。生後まもなく母親が家を出、父親も再婚したために姉妹と共に祖父母に育てられる[5]ベイラー大学中退。1950年代から音楽活動を始めた。しかし歌手としての芽は出ず、作曲家としての仕事が主だった。当時は、カントリーのパッツィ・クラインに書いた曲がヒットしている。やがて彼は、1960年代後半のヒッピー・ムーブメントに強い影響を受け、同時にさまざまな音楽性を吸収する。

1975年のシングル「雨の別離」(原題:Blue Eyes Crying in the Rain)は、ビルボード誌のカントリー・チャートで1位を獲得し、グラミー賞のベスト・カントリー・ボーカル(男性)部門を受賞。1970年代半ばからはウェイロン・ジェニングスをパートナーとして活動するようになり、数々のヒットを放った。また枯れた歌声、保守的なカントリー界にあってヒッピー的なスタイル、ドラッグの使用、ジャズなども歌う多様な音楽性は異彩を放った。そのため、保守的な従来のカントリーが主流だったナッシュビルからは異端児と見られ、彼とジョニー・キャッシュウェイロン・ジェニングスクリス・クリストファーソンらの音楽は「アウトロー・カントリー」と呼ばれた。1980年には「オン・ザ・ロード・アゲイン」がヒットしている。また、ジャズ・アルバムの「スターダスト」を発表している。ネルソンはブッカーT・ジョーンズや、チップス・モーマンらとも仕事をしている。1982年には「オールウェイズ・オン・マイ・マインド」が大ヒットとなった[注釈 1]

ウィリー・ネルソンは、フォークやロック、R&B、ジャズのミュージシャンとの交流に見られるように、クロスオーバーな活動を続けたことにより、様々なジャンルのミュージシャンからの支持を集めた。

 
USAフォー・アフリカにてウィ・アー・ザ・ワールドを歌う

1985年にはUSAフォー・アフリカに参加し、ウィ・アー・ザ・ワールドのブリッジ部分(ディオンヌ・ワーウィックの次、アル・ジャロウの前)でリードボーカルをとった。また同年、ニール・ヤング[注釈 2]トム・ペティジョン・メレンキャンプジョン・フォガティ[注釈 3]ボブ・ディランらとともに、新自由主義のレーガン政権の農業政策により困窮する、アメリカの農家のためのチャリティーイベント、「ファーム・エイド」を開催した。ファーム・エイドは1回だけでなく、その後も開催された。またネルソン自身、大学では農業を学んだほか、ヒッピー思想も相まって自然志向が強い。バイオディーゼルの普及活動にも取り組んでいる。

そして同年にジョニー・キャッシュウェイロン・ジェニングス、そしてクリス・クリストファーソンの3人と共に「ザ・ハイウェイメン」を結成し、バンドとして3枚のアルバムを出して1995年まで活動した。2009年にはハワイ州マウイ島に住んでいる。

2015年、ポピュラー音楽によって世界の文化に多大な影響を与えたことを讃えてガーシュウィン賞が贈られることが決まった[6]。また、彼は「アメリカーナ」のジャンルでも評価されるようになった。山下達郎も、ウィリー・ネルソンを好きだと語っている。

ディスコグラフィ

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アルバム

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  • ... And Then I Wrote (LP) Liberty 1962
  • Here's Willie Nelson (LP) Liberty 1963
  • Country Willie - His Own Songs RCA Victor 1965
  • Live Country Music Concert RCA Victor 1966
  • Country Favorites - Willie Nelson Style RCA Victor 1966
  • The Party's Over RCA Victor 1967
  • Make Way For Willie Nelson RCA Victor 1967
  • Good Times RCA Victor 1969
  • My Own Peculiar Way (LP) RCA Victor 1969
  • Columbus Stockade Blues RCA 1970
  • Both Sides Now RCA 1970
  • Laying My Burdens Down (LP) RCA Victor 1970
  • Yesterday's Wine RCA 1971
  • The Words Don't Fit The Picture (LP, Dyn) RCA 1972
  • Shotgun Willie Atlantic 1973
  • Phases And Stages Atlantic 1974
  • Red Headed Stranger CBS 1975
  • I Gotta Get Drunk-Live RCA 1976
  • The Sound In Your Mind Columbia 1976
  • The Troublemaker CBS 1976
  • Waylon Jennings, Willie Nelson, Jessi Colter, Tompall Glaser - Wanted! The Outlaws RCA Victor 1976
  • The Sound In Your Mind (LP, Album) CBS 1976
  • To Lefty From Willie Columbia 1977
  • Face Of A Fighter Mercury 1978
  • Willie And Family Live Columbia 1978
  • Waylon Jennings, Willie Nelson - Waylon & Willie (LP) RCA 1978
  • Stardust Columbia 1978
  • Willie Nelson & Leon Russell - One For The Road Columbia 1979
  • Willie Nelson Sings Kristofferson Columbia 1979
  • Pretty Paper Columbia 1979
  • Willie Nelson / Dave Grusin - The Electric Horseman (Music From The Original Motion Picture Soundtrack) Columbia 1979
  • Willie Nelson Sings Kristofferson Columbia 1979
  • Sweet Memories RCA Victor 1979
  • Pretty Paper CBS 1979
  • Willie Nelson & Ray Price - San Antonio Rose Columbia 1980
  • Family Bible MCA Songbird 1980
  • Somewhere Over The Rainbow Columbia 1981
  • The Minstrel Man RCA Victor 1981
  • Once More With Feeling RCA Special Products 1981
  • Always On My Mind Columbia 1982
  • Kris*, Willie*, Dolly* & Brenda* - The Winning Hand Monument 1982
  • Merle Haggard and Willie Nelson - Poncho & Lefty Epic 1982
  • Willie Nelson And Roger Miller - Old Friends Suzy, CBS 1983
  • Without A Song CBS/Sony 1983
  • A Song For You Hallmark Records 1983
  • Tougher Than Leather Columbia 1983
  • City Of New Orleans Columbia 1984
  • Willie Nelson & Kris Kristofferson - Music From Songwriter CBS 1984
  • Willie Nelson Featuring The Guitar Of Jackie King - Angel Eyes CBS 1984
  • Me & Paul (1985)
  • Partners (1986)
  • The Promiseland (1986)
  • Island in the Sea (1987)
  • What a Wonderful World (1988)
  • A Horse Called Music (1989)
  • Born for Trouble (1990)
  • The IRS Tapes: Who'll Buy My Memories? (1992)
  • Across the Borderline (1993)
  • Moonlight Becomes You (1994)
  • Healing Hands of Time (1994)
  • Just One Love (1994)
  • Spirit (1996)
  • Teatro (1998)
  • Night and Day (1999)
  • Me and the Drummer (2000)
  • Milk Cow Blues (2000)
  • Rainbow Connection (2001)
  • The Great Divide (2002)
  • Nacogdoches (2004)
  • It Always Will Be (2004)
  • Countryman (2005)
  • The Complete Atlantic Sessions / Atrantic (2006)
  • You Don't Know Me: The Songs of Cindy Walker (2006)
  • Songbird (2006)
  • Moment of Forever (2008)
  • American Classic (2009)
  • Country Music (2010)
  • Remember Me, Vol. 1 (2011)
  • Heroes (2012)
  • Let's Face the Music and Dance (2013)
  • To All the Girls... (2013)
  • Band of Brothers (2014)
  • Summertime: Willie Nelson Sings Gershwin (2016)
  • For the Good Times: A Tribute to Ray Price (2016)
  • God's Problem Child (2017)
  • Last Man Standing (2018)

主な出演作品

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映画

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公開年 邦題
原題
役名 備考
1979 出逢い
The Electric Horseman
ウェンデル
1980 忍冬(すいかずら)の花のように
Honeysuckle Rose
バック 音楽・出演
1981 ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー
Thief
オクラ
1982 遥か氷原の彼方
Coming Out of the Ice
レッド・ローン テレビ映画
1984 ソングライター
Songwriter
ドク・ジェンキンス 音楽・出演
1986 荒野のアウトロー
The Last Days of Frank and Jesse James
ジョー・シェルビー テレビ映画
駅馬車
Stagecoach
ドク・ホリデイ テレビ映画
音楽・出演・製作総指揮
夕陽のストレンジャー
Red Headed Stranger
ジュリアン・シャイ 音楽・出演・製作
1988 ホンキートンク天国
Baja Oklahoma
本人 テレビ映画
1997 ゴーン・フィッシン’
Gone Fishin'
ビリー・キャッチ・プーラー
ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ
Wag the Dog
ジョニー・ディーン
1999 オースティン・パワーズ
Austin Powers: The Spy Who Shagged Me
ウィリー・ネルソン
2002 カントリー・ベアーズ
The Country Bears
本人
2004 ビッグ・バウンス
The Big Bounce
ジョー
2005 デュークス・オブ・ハザード
The Dukes of Hazzard
ジェシー・デューク
2006 ビール・フェスタ 無修正版 ~世界対抗・一気飲み選手権
Beerfest
本人 クレジットなし
橋の向こうに
Broken Bridges
本人
2007 デュークス・オブ・ハザード:ザ・ビギニング
The Dukes of Hazzard: The Beginning
ジェシー・デューク テレビ映画
ジェシカ・シンプソンの ワーキング・ブロンド
Blonde Ambition
パプ・パウ
ヒットマン・リベンジ
Fighting with Anger
ウィル 出演・製作総指揮
2008 ケビン・コスナー チョイス!
Swing Vote
本人役

テレビシリーズ

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放映年 邦題
原題
役名 備考
1986 特捜刑事マイアミ・バイス
Miami Vice
ジェイク・ピアソン 1エピソード
1996,1998 ドクタークイン 大西部の女医物語
Dr. Quinn, Medicine Woman
エリアス・バーチ 2エピソード
1997 キング・オブ・ザ・ヒル
King of the Hill
本人 アニメ、声の出演
刑事ナッシュ・ブリッジス
Nash Bridges
アール・ドブス 1エピソード
2000 ザ・シンプソンズ
The Simpsons
本人 アニメ、声の出演
2002,2004 名探偵モンク
Monk
本人 2エピソード

日本公演

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2月22日,23日 日本武道館、24日 フェスティバルホール、25日 大阪厚生年金会館、28日 名古屋市民会館

脚注

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注釈

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  1. ^ エルヴィス・プレスリーが歌った曲として有名である
  2. ^ 「孤独の旅路」がヒットしている
  3. ^ 元CCR。85年に「オールドマン・ダウン・ザ・ロード」がヒットした

出典

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  1. ^ Patoski, Joe Nick 2008, p. 13.
  2. ^ Outlaw Country Music Genre Overview|AllMusic 2022年7月29日閲覧
  3. ^ Rolling Stone. “100 Greatest Singers: Willie Nelson”. 2013年5月26日閲覧。
  4. ^ Nelson, Willie; Bud Shrake; Edwin Shrake 2000, p. 49, 94.
  5. ^ Norbert B. Laufenberg (2005). Entertainment Celebrities. Trafford Publishing. p. 473. ISBN 978-1-4120-5335-8. https://books.google.co.jp/books?id=mzTW9Nitee4C&pg=PA473&dq=willie+nelson+mother&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q=willie%20nelson%20mother&f=false 23 June 2011閲覧。 
  6. ^ ウィリー・ネルソン氏、米国議会図書館(LC)によるガーシュウィン賞を受賞”. カレントアウェアネス・ポータル. 国立国会図書館 (2015年7月14日). 2015年8月9日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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