原亨吉
日本の学者
原 亨吉(はら こうきち、1918年6月21日 - 2012年3月20日)は、数学史家、フランス文学者、大阪大学名誉教授。
京都市出身。姫路市に育つ。第一高等学校理科乙類を経て、1938年京都帝国大学哲学科入学、1940年退学し1942年東京帝国大学仏文科卒業。1942年入営し少尉で敗戦、1945年8月20日中尉(いわゆるポツダム中尉)で除隊、1947年同志社女子専門学校教授、1949年関東学院大学経済学部助教授。
1955年大阪大学文学部助教授、1963年パリ大学に留学し1965年博士号を取得し帰国、1970年教授、1974年評議員、フランス政府よりパルム・アカデミーク勲章を授与、1982年定年退官し名誉教授、天理大学教授。1982年に「パスカルの数学的業績(“L'ŒUVRE MATHEMATIQUE DE PASCAL”)」で日本学士院恩賜賞を受賞、1989年勲二等瑞宝章受章。
フランス科学思想史、近世ヨーロッパ数学史を専攻し、ルネ・デカルト、ケプラー、ホイヘンス、ロベルヴァル、ライプニッツを軸に研究論文・翻訳を行い、フランス語教育にも長くたずさわった。若き日はスタンダール、アラン、ヴァレリーらの翻訳も行った。
著作
- 『近世の数学 無限概念をめぐって』ちくま学芸文庫, 2013。解説三浦伸夫
論文
- L'ŒUVRE MATHEMATIQUE DE PASCAL(『大阪大学文学部紀要』1981)ほか多数
共著
翻訳
- 恋愛論 スタンダール 宇佐見英治共訳 角川文庫 1951 のち改版
- 海辺の対話 悟性の探求 アラン 角川文庫 1953
- ヴアレリイ 若きパルク 矢内原伊作共訳 角川書店 1954
- 思想と年齢 アラン 角川文庫 1955 のち改版
- 想像力 ジャンヌ・ベルニ 白水社文庫クセジュ 1957
- 人間論 アラン 白水社 1960、改訳「著作集4」1980、新装版1996・2007ほか
- ホイヘンス 科学の名著 第2期10巻 朝日出版社 1989。共編訳
- ライプニッツ著作集 第2巻 数学論・数学。第3巻 数学・自然学、工作舎 1997-99。訳注・解説
- 幾何学 ルネ・デカルト ちくま学芸文庫 2013.10
- パスカル 数学論文集 ちくま学芸文庫 2014.4
参考文献
- 「原 亨吉先生略歴・原 亨吉先生研究業績目録 ほか」『Gallia』XXI-XXII原亨吉教授退官記念号、大阪大学フランス語フランス文学会、1982年、ISSN 0387-4486。
- 筑摩書房の著者紹介