クルチザンヌ

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クルチザンヌフランス語: courtisane クルティザン)は、フランス語で高級娼婦を意味する表現[1]。特にロマン主義の文学作品などで主題としてしばしば取り上げられた[2]

語源

フランス語の「courtisane」は、イタリア語で「廷臣」を意味する「コルティジャーノ (cortigiano)」の女性形「コルティジャーナ (cortigiana)」に由来し、本来は廷臣に準じる立場で宮廷に関わる女性を意味していたが、後に王侯貴族などを相手とする娼婦をもっぱら意味するようになった[1]

クルチザンヌとされる人物

本来、クルチザンヌは、中世以降のフランス語圏を中心としたヨーロッパにおける呼称であるが、同様の立場の高級娼婦を指す言葉として、古代ギリシアヘタイラ (古代ギリシア語: ἑταίρα) など、時代や地域、社会背景が異なる事例についても、この表現で言及することがある。

おもにフランスで活動した人物

その他のヨーロッパで活動した人物

脚注

  1. ^ a b 村田、2003a、pp.3-4.「「娼婦」は、一般的な用語としては《prostitute》と《courtisane》という二つの語に還元できる。… 《courtisane》は、 イタリア語の cortigiano −ana(「宮廷」corte がその語源)から来た言葉で、《courtisan》「宮廷人、 廷臣」の女性形である《courtisane》も本来は、 宮廷に関わりのある女性を意味していた。しかし、まもなくそれは、王侯貴族など上流階級の者を相手にする娼婦と同意語になり、「高級娼婦」を表すようになった。《courtisane》は、もともと良家の出で、教育や礼儀作法をきちんと身につけた女性のことで、例えばフランス国王アンリ2世の愛妾、ディアーヌ・ド・ポワチエのような美貌と知性を兼ね備えた女性が《courtisane》と呼ばれた。彼女たちは、自宅に政界の有力者や優れた芸術家などの崇拝者を集めて、社交の中心となり、場合によれば、政治的なカも有するようになった。 従って、単に生理的欲求を満たすだけの《prostitu6e》と、 宮廷風の恋愛を楽しむ《courtisane》は、 全く異なったニュアンスで捉えられていた。」
  2. ^ 村田、2003a, b.

参考文献

  • 村田京子 (2003a):ロマン主義的クルチザンヌの系譜:原点としての『マノン・レスコー』、国際文化(大阪女子大学)、4、pp.1-38.
  • 村田京子 (2003b):『椿姫』におけるクルチザンヌ像--マルグリット・ゴーチエとマノン・レスコー、仏文研究(京都大学フランス語学フランス文学研究会)、34、pp.15-35.