半沢直樹

日本のテレビドラマ番組シリーズ

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半沢直樹シリーズ > 半沢直樹

半沢直樹』(はんざわなおき)は、池井戸潤による企業エンターテインメント小説「半沢直樹シリーズ」をテレビドラマ化した作品である。2013年7月7日よりTBS日曜劇場」枠で放送。主演は堺雅人。

半沢直樹
ジャンル テレビドラマ
原作 池井戸潤
オレたちバブル入行組
オレたち花のバブル組
脚本 八津弘幸
演出 福澤克雄
棚澤孝義
田中健太
出演者 堺雅人
上戸彩
及川光博
片岡愛之助
滝藤賢一
北大路欣也
香川照之
第一部・大阪編
中島裕翔
宇梶剛士
壇蜜
赤井英和
石丸幹二
オープニング 服部隆之作曲演奏『テーマ・オブ・半沢直樹 〜Main Title〜』[1]
エンディング 服部隆之作曲演奏『テーマ・オブ・半沢直樹 〜Main Title〜』
時代設定 1990年(回想シーン)、2013年
製作
プロデューサー 伊與田英徳
飯田和孝
制作 TBS
放送
音声形式ステレオ
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2013年7月7日 - 9月22日(予定)
放送時間日曜日 21:00 - 21:54
放送枠日曜劇場
放送分54分
回数全10回(予定)
公式ホームページ

特記事項:
初回は1時間拡大(21:00 - 22:48)。
第3話は15分拡大(21:00 - 22:09)。
第6話・最終話は25分拡大(21:00 - 22:19)
第8話は前座のバレーボール中継延長のため、5分繰り下げ(21:05 - 21:59)。
第9話は10分拡大(21:00 - 22:04)。
テンプレートを表示

オレたちバブル入行組』をベースとする第一部・大阪編と、『オレたち花のバブル組』をベースとする第二部・東京本店編の前後編二部構成[2]

キャッチコピーは「クソ上司め、覚えていやがれ![3]

概要

本作は、銀行内部での不正を扱ったフィクション作品であり、一般的には視聴率を取りにくい「経済ドラマ」というジャンルである。銀行という男の世界を舞台にしており、わかりやすく視聴率を取れるキャラクターもおらず、女性の登場人物も少ない上に、特に目立った恋愛シーンもなく、主題歌や挿入歌といったテーマソングもない…という「ないない尽くし」の作品であり、従来のドラマ常識から逆行するものであった。

しかし、実力派俳優陣による骨太の演技、分かりやすいヒーロー役と敵役、チャンバラ活劇を思わせるアクションシーン、リアルかつ時代劇的な脚本・演出を心がけた結果、2013年第三クール(2013年夏クール)のドラマで最も大きな反響を得るに至った[4]

制作サイドの放映開始前の予想として、主な視聴層を30代以上の男性とし、12〜13%から徐々に視聴率を上げて、最終回で20%、平均視聴率15%くらいを目標にしていた。しかし、初回19.4%から右肩上がりに視聴率を上げて第8回には32.9%の視聴率[5]になるなど、実際には女性層から未成年層まで幅広い視聴層からの支持を得るに至り、監督・プロデューサーを含め、ここまでの人気を得られるとは考えていなかったと言う[4]

ストーリー

 
第一部に登場した、東京中央銀行の大阪西支店のモデルとなった[6][7]阪急百貨店うめだ本店
 
東京中央銀行本店前のロケがおこなわれた[8]、東京日本橋の三井本館[9]

第一部

「やられたら、やり返す。倍返しだ!」

半沢直樹は、「上を目指す」と公言する有能な銀行マン。半沢がバンカーとして頭取を目指すことには、ある理由があった。かつて両親の経営する工場が傾き、産業中央銀行が融資を引き揚げた後、父親が自殺したのだ。

半沢が入行した産業中央銀行は、2002年に東京第一銀行と合併し東京中央銀行となり、世界第三位のメガバンクとなる。しかし上層部では、旧産業中央派と旧東京第一派での醜い派閥争いが繰り広げられていた。

ある日、半沢が融資課課長として勤める大阪西支店で、今まで取引のなかった「西大阪スチール」への融資話が支店長・浅野より持ち上がる。半沢は十分な審査をしようとするが時間を与えられず、浅野の鶴の一声で「無担保で5億の融資」が決まる。しかしその後、優良企業と思われていた西大阪スチールは粉飾決算が発覚し倒産、社長の東田は雲隠れし、5億円の回収が困難な事態に陥る。

同期入行で東京本部勤務の渡真利から、支店長が上層部に根回しを行い、半沢に全ての責任を負わせることで、事態を収拾しようと画策していることを知らされる。1週間後の聞き取り調査までに、雲隠れした社長を見つけないと、半沢は地方に島流しにされてしまう。

そんな中、国税局黒崎による支店査察に疑問を覚えた半沢は、コピー機に仕掛けたハードディスクの保持データから、国税局も脱税で西大阪スチールを調べていることを知り、まだ回収できる「隠し資産」があると確信する。さらに元経理課長から裏帳簿を入手し、社長の居所を突き止めるが、愛人の未樹に不意打ちを受けて取り逃がしてしまう。

そして、東京本部での聞き取り調査の日、支店長の息のかかった人事部次長らに責任を追及される半沢は、葛藤の末に浅野支店長との徹底抗戦することを決断し、啖呵を切って言い放つ。

「私は必ず、5億を回収する!」

第二部

「私は鬼にでも、悪魔にでもなる!」

西大阪スチールの案件での活躍により、半沢直樹が東京本社の営業第二部次長に栄転になり、1年が経過しようとしていた。半沢は営業第二部のエースとして、数十人の部下達を現場で取り仕切り、自ら最前線で活躍していた。

ある日、200億円の融資をした伊勢島ホテルが、120億円の運用損失を出したことが判明し、西大阪スチールの回収実績から半沢がその担当になる。東京中央銀行に金融庁監査を二週間後に控え、200億円を回収できなければ、1000億円以上という莫大な引当金を保証金として納める必要がある。それにより、株価暴落を招いて経営悪化すれば、その責任をとって頭取・中野渡は退任することになり、常務・大和田がトップに立つ可能性が出てくる。

しかし、200億円を回収すると伊勢島ホテルは経営破綻することが予想されるため、取締役会にて200億円の回収は諦め、伊勢島ホテルの経営再建をすることで、金融庁検査を乗り切る決断をする。運用損失を出した伊勢島ホテルの女性専務・羽根夏子は、なぜか東京中央銀行へ非協力的であり、不正を告発した経理課長の戸越を解雇し、社長をも追放してトップの座を奪おうと暗躍していた。その社長・湯浅は半沢に面会し、先代社長のようなワンマン経営を廃して、経営改善と戸越の復職を約束する。

そんな中、戸越の東京中央銀行へのリークを揉み消したのが、京橋支店支店長・貝瀬であることが判明する。京橋支店の歴代の支店長には、大和田常務とその側近・岸川といった旧産業中央派が歴任している。不正の疑いの濃い大和田に対して、半沢はバンカーの誇りを持って言い放つ。

「私は担当として、どんな事をしてでも伊勢島ホテルを守ります!」


キャスト

名前の読みや人物描写は原作及び公式サイト相関図および放送に基づく。

半沢とその同期

半沢 直樹(はんざわ なおき)
演 - 堺雅人(少年期:中島凱斗
東京中央銀行大阪西支店融資課課長 → 東京本部営業第二部次長1970年12月8日生まれ。石川県金沢市出身。慶応義塾大学経済学部卒。体育会剣道部。
1992年、産業中央銀行に入行する。「やられたらやりかえす、倍返しだ!」[10]をモットーとし、曲がった事を誰よりも嫌う。それ故上司との対立は絶えないが、部下からの信頼は厚い。常に父・慎之助のネジを形見のように携帯している[11]
第一章では、東京中央銀行の社宅[12]に妻と息子の3人で住む。東京第一銀行との合併を経て、大阪西支店の融資課長に着任し、中西ら部下と仕事に邁進していたが、西大阪スチール倒産事件の一件から浅野の策略を知り、全面対決を繰り広げた。最終的には罪を見逃す代わりに「自らを営業第二部の次長に、部下を希望の栄転先に就かせること」[13]を条件として浅野を沈めた。
第二章では東京の社宅に住んでおり[12]、今度は伊勢島ホテルの一件から、過去に深い因縁のある大和田と対決することになる。
渡真利 忍(とまり しのぶ)
演 - 及川光博
東京中央銀行東京本部融資部。慶応義塾大学経済学部卒。
人事が全て」と公言するほどの情報通[14]。入行当時は、プロジェクト・ファイナンス志望だった。
非常にクールで整然とした物言いをしていたが、半沢が東京本店に栄転してきてからは会う機会が多くなり、伊勢島ホテルの一件もあって、かつての熱い情熱が再燃してきている[15]
近藤 直弼(こんどう なおすけ)
演 - 滝藤賢一
東京中央銀行大阪本店システム課 → 東京本部人事部扱い → タミヤ電機へ出向し、役職は経理部長。以前は秋葉原東口支店融資課課長代理。慶応義塾大学商学部卒。
大学在学中は体育会剣道部に所属し、半沢とは大学以来の剣道仲間。
秋葉原時代に上司・小木曽からノルマ達成の極度のストレスを与え続けられた結果、統合失調症を患い、半年間休職する。大阪本店に異動し、神戸市に一戸建てマイホームを新築し家族と僅かな期間住むが、出向が決まり転居を余儀なくされる。出向先が決まるまでは東京本部の通称・座敷牢[16]で名簿作成をしていた。
タミヤ電機では、無責任な社長や自分を余所者扱いする部下、難癖をつけて融資をしぶる古里の板挟みにあって苦しんでいたが、戸越のリーク情報を貝瀬が握りつぶし、古里がそれを黙認していた証拠を半沢と共につかみ、古里に融資を認めさせることに成功する。これを期にかつての覇気を取り戻し、自分を見下す部下たちを一喝した。その後、粉飾決算で会社が4千万もの赤字を隠していた裏帳簿を発見し、社長と野田に直訴して会社の再建に情熱を傾ける。その中で転貸資金による不正融資を突き止め、偶然見かけた融資先の女社長・棚橋を尾行する。半沢同様、正義感が強いが、道理に合わないことなどを耳にすると感情が高ぶって、場所柄やタイミングを考えずに声を荒らげてしまう時がある[17]

東京中央銀行

中野渡 謙(なかのわたり けん)
演 - 北大路欣也(特別出演[18]
頭取。「人」を大切にすることに重きを置いている[19]。合併後も何かと対立する東京第一銀行出身者と産業中央銀行出身者の派閥意識を一掃するために奔走するものの、大和田派の台頭で二の足を踏まされている。第二部では伊勢島ホテルの一件で湯浅から半沢を担当にして欲しいという依頼もあり、先の大阪西支店での不祥事を解決した半沢を伊勢島ホテルの担当に指名した。
大和田 暁(おおわだ あきら)
演 - 香川照之
常務取締役。旧産業中央銀行出身。
最年少で常務に抜擢された出世頭。派閥意識が強く、駆け引きや人心掌握術にも長けているが、常に冷静で、これまで気にかけてきた部下であっても、切り捨てるときには容赦がない。大和田派と言われる浅野が支店長を務める大阪西支店での融資事故の報告を受け、その過程で半沢に興味を持つようになり、半沢に自分の派閥に属するように誘いを掛けるもすげなく断られてしまう。しかし、伊勢島ホテルの羽根専務と結託し、更なる力をつけて半沢と中野渡を追い落とすべく暗躍を開始する。実は、慎之助が自殺するきっかけとなった、駒田工業への融資の打ち切りを宣告した張本人。
岸川 慎吾(きしかわ しんご)
演 - 森田順平
取締役。業務統括部長。大和田派の筆頭。
高木専務(たかぎせんむ)
演 - 三浦浩一
専務取締役。旧東京第一銀行出身。中野渡派を自認している。

国税局

黒崎 駿一(くろさき しゅんいち)
演 - 片岡愛之助[20]
金融庁検査官大阪国税局査察部統括官 → 金融庁検査局主任検査官。
金融庁監査で当時大手銀行だった大同銀行を破綻に追い込ませたことが原因で、国税局に異動している。切れ者ではあるが、傲慢かつヒステリックな性格。オネエ言葉で話す癖があり、激高すると部下の急所を鷲掴みにして怒鳴る。
第一部では、西大阪スチールの脱税調査を指揮し、半沢ら東京中央銀行の前に立ちはだかる。半沢より先に藤沢未樹に接触し、彼女の違法行為を見逃すという条件を付けるも、その後、半沢と手を組んだ未樹の計略によって出し抜かれてしまい、半沢に対し更なる怒りを燃やす。第二部では再び金融庁に返り咲き、経営悪化した伊勢島ホテル関連の金融庁検査を指揮する。そして何者かのリークで貝瀬と古里の伊勢島ホテルの一件を扱った文書を半沢が疎開資料として手元に置いていた事を知り、部下を自宅に待機させて不意打ちの如く家宅捜査を行ったり、偶発的に花が自分の実家に送った事も知って追跡をかけるなど非常に執念深いが、どちらも失敗している。また、暗算が得意で、目を閉じながら右手で算盤を打つ仕草をして即座に合計額をはじき出している。

半沢家

半沢 花(はんざわ はな)[12]
演 - 上戸彩
直樹の妻。専業主婦。弁の立つ直樹が唯一敵わない相手。思ったことをすぐ口にするが、実際は非常に夫思いで、その口うるささが直樹の心の救いや、仕事上の問題解決のヒントにもなっている。結婚前はフラワーアレンジメントの仕事をしていた。銀行での夫の立場が悪くならないよう、社宅での奥様会にも気を使いながら参加している。
半沢 隆博(はんざわ たかひろ)
演 - 二宮慶多
直樹・花の息子。幼稚園児。
半沢 慎之助(はんざわ しんのすけ)
演 - 笑福亭鶴瓶
直樹の父親。直樹が中学生の時に死去。夫婦で金沢にて「半沢ネジ」というネジ工場を経営していたが、取引の半分を占めていた駒田工業が倒産し、見切りを付けた産業中央銀行から融資を打ち切られ、追い詰められた末に首吊り自殺する。「人と人とのつながりを大切にし、ロボットみたいな仕事だけはしてはいけない」という言葉を直樹に遺す。
半沢 美千子(はんざわ みちこ)
演 - りりィ
直樹の母親。内海信用金庫から融資を受けて半沢ネジの倒産を回避し、夫が遺した樹脂製ネジの事業を軌道に乗せる。会社を継がなかった息子に代わって、工場を切り盛りしている。

近藤家

近藤 由紀子(こんどう ゆきこ)
演 - 山崎直子
近藤の妻。夫思いで、花とも仲が良い。花は新居を訪れ、家族生活を重視する近藤家をうらやましく思っていた。
近藤 洋弼(こんどう ようすけ)
演 - 大西利空
近藤の息子。

その他

銀行イメージキャラクター
演 - 夏目三久
東京中央銀行のイメージキャラクター
来生 卓治(きすぎ たくじ)
演 - ダンカン
フリーライター。西大阪スチールの5億円融資事故を調べている。小村武彦の家族捜索の見返りに有力な情報を半沢から聞き出し、その記事がスクープとして『週刊ファスト』に掲載される。

第一部 大阪編

東京中央銀行(第一部)

2002年、約2兆900億円という多額の不良債権を抱えていた産業中央銀行は再起を掛け、東京第一銀行と合併し、世界3位のメガバンク・東京中央銀行として新しく生まれ変わる。大阪西支店は旧産業中央銀行系の支店で、融資高は全国でもトップクラスを誇る。

大阪西支店
浅野 匡(あさの ただす)
演 - 石丸幹二
大阪西支店支店長 → レイエス工機マニラ中央工場へ出向。以前は東京本部人事部。東京大学経済学部卒。
大和田の派閥に属し、大和田には低姿勢な一方、半沢ら部下に対しては殊の他高圧的で傲慢な態度を取る。圧力に屈しない半沢を憎悪し、彼を出向に追い込むべく、中学時代の同級生である東田と結託し謀略を巡らすが、藤沢未樹と組んだ半沢が見事に5億を回収したことで事情が一転、刑事告発も辞さない半沢により、家庭や仕事上の立場まで崩壊寸前に追い込まれる。だが後に、刑事告発を見逃してもらう代償として、半沢と部下の希望する部署への異動を叶えるために奔走させられた。しかし最終的には大和田にまで切り捨てられる形で、元は半沢の出向地候補であった東南アジアに家族丸ごと出向させられた。
この一連の裏には取引の失敗で重ねた5000万もの借金を返済する目的があり、これが東田との結託と全ての不始末を自分に従わない半沢に被せるという陰謀の根本だった。
東京に残してきた妻・利恵や2人の娘、息子のことを心配していたが、半沢の逆襲劇によって幸か不幸か海外ではあるが家族一緒の生活を取り戻した。
江島 浩(えじま ひろし)
演 - 宮川一朗太
副支店長。浅野の腰巾着。「虎の威を借る狐」を地で行く男で浅野の顔色をうかがいつつも部下たちには威張り散らす。常に自分たちに反抗的である事を理由に、最も半沢を嫌っている。浅野が支店長の座を引き摺り下ろされ、自分にその座の内示が下りると目論んでいたが新しい支店長が別の支店から来る事を知らされ、あえなく撃沈。
中西 英治(なかにし えいじ)
演 - 中島裕翔Hey! Say! JUMP
入行2年目の融資課行員。まだまだ現場慣れはしていないが、優秀で責任感は人一倍強い。やると決めたことは最後までやり通す。部下を守ろうとする半沢を尊敬し、慕っている。半沢の東京本部営業第二部への栄転と共に希望していた関西支部最大規模の難波中央支店へ主任待遇で異動となった。
垣内(かきうち)
演 - 須田邦裕
融資課。実直で、実務面では抜群の腕を誇る。浅野から半沢の監視を命じられ、半沢を慕っているものの、自らの銀行マンとしての保身のため一定の距離を取るなどクールな一面も持つ。だが結局、半沢を裏切ることはできず、最終的には浅野の命令を辞退した。後にかねてからの希望だったニューヨーク支店へ栄転する。
角田 周(かくた)
演 - モロ師岡
融資課。半沢にとっては年上の部下になる。出世よりも地元に一生根付いていこうと決めている。課内の良きまとめ役。浅野の転落後、唯一、大阪西支店に残る事を選び、半沢の栄転と共に空席となった融資課長の座に後任として就いた。
東京本部
小木曽 忠生(おぎそ ただお)
演 - 緋田康人
東京本部人事部次長 → 出向。以前は秋葉原東口支店支店長。
元上司の浅野に肩入れしており、反抗的な態度を取る半沢を追い落とすため様々な嫌がらせを仕掛ける。近藤を休職に追い込んだ張本人で、その性格は陰湿かつ粘着質。相手を言葉で追い詰めようとするとき、机を叩き続けながら精神的に苦痛を与える事を常套手段としている。だが、机叩きは少なくとも半沢には通じていない。
浅野と共に大阪西支店の裁量臨店を計画し、半沢らが用意した資料を次々と不正に抜き取り、書類に不備があるように見せかけ糾弾する。おかしいと気付いた半沢の対抗策と渡真利の機転のきいた芝居で、抜き取った資料を小木曽自身が持っていることが判明し言い逃れをするが、中西の告白と証拠の録音で自らの不正を認めざるを得なくなり、左遷出向させられる。
高木(たかぎ)
演 - 志垣太郎[21]
東京本部の重役。中野渡派。
定岡 崇之(さだおか たかゆき)
演 - 小須田康人
融資部。浅野の元部下。
川原 敏夫
演 - 井上肇
融資部。融資担当調査役。
灰田 雅樹
演 - 加藤虎ノ介
融資部。大和田派。
小木曽の腰巾着。半沢を潰すために浅野・小木曽が仕掛けた裁量臨店の検査役を務め、小木曽と共に半沢ら大阪西支店融資課のメンバーを徹底的に罵倒した。しかし、異常に気がついた半沢らが持ち物検査をおこなった際に、いかがわしい雑誌が発見され[22][23]、大阪出張を利用して風俗店で遊興していた可能性が発覚、さらに小木曽の不正が明白になったことで立場を失い、半沢にこれまでの非礼を謝罪するよう迫られた。
寺内 健太郎
演 - 松永博史
加納 正明
演 - 西沢仁太
上記2名は融資本部。中立派。急に決定した大阪西支店の裁量臨店の検査を担当する。
倉島 健太
演 - 吉永秀平
東京第一銀行出身。中野渡派の中堅行員。
問題を起こし、大和田派に組していないこともあり関連企業への出向が決まるが、大和田に土下座をして処分取り消しを嘆願する。

大阪国税局査察部

黒崎の部下

西大阪スチール融資事故関係者

東田 満(ひがしだ みつる)
演 - 宇梶剛士
西大阪スチール社長。3年間の粉飾決算を続け、計画倒産によって東京中央銀行から融資金の5億を騙し取った。浅野とはかつて同じ中学の同級生で、東田は浅野を「ターちゃん」と呼んでいる。脱税によって得たものも含めて、12億もの不正資産を海外の銀行口座にプールしていたが、半沢と愛人の未樹による国税局をも利用した策略で、融資分の5億と海外口座も含めた全財産を失う。アルテミスの店内で半沢から全ての資産を失ったことが告げられると、自棄になり半沢に実力行使を挑むもあっさり一蹴され、大勢の前で恥をかかされた挙句に店内で惨めに泣き崩れた。
藤沢 未樹(ふじさわ みき)
演 - 壇蜜
東田の愛人で大阪ミナミのクラブ「アルテミス」に勤めるホステス。東田が半沢に追い詰められたとき、半沢に暴行し逃亡を助けた。ネイルサロンを開業する夢を叶えるため、東田に取り入る。半沢の「犯罪に関わらずとも、あなたは経営者としての優れた資質も、まっとうに銀行から融資を受けるだけの事業計画も持っているのだから、自分に融資を申し込んでほしい」という銀行員としての申し出に心を動かされるも、未樹自身の違法行為には一切目をつぶるという有利な取引を持ちかけてきた黒崎のいる国税局へ赴く。だがこれは半沢と示し合わせた計略であり、その目的は国税局による家宅捜査を利用して東田が自分にすら隠していた口座の在り処を突き止めるためだった。その後、海外口座の通帳だけを抜き取って、バイク便で半沢の元に送る。残った通帳は全て黒崎に渡して出し抜いた。
竹下 清彦(たけした きよひこ)
演 - 赤井英和
竹下金属社長。首吊り自殺を図ろうとしているところを半沢に助けられる。西大阪スチールが不渡りを出した煽りで連鎖倒産した際に助けてくれなかった銀行を信用していないが、古い付き合いのマキノ精機・牧野社長(演:志賀廣太郎)の窮地を救った半沢だけは信用し、東田捜索に協力する。デジタル一眼レフを使用して東田の行動を隠し撮りし、半沢に有用な情報を与える。東田を崩壊させた後は、回収した資金で竹下金属を復活させると公言し、東京へ異動となる半沢を見送った。
波野 吉弘(なみの よしひろ)
演 - ラサール石井
西大阪スチール経理課課長。倒産後に鳥谷造船に再就職。西大阪スチールの裏帳簿を隠し持っていた。心臓病の持病がある。
板橋 平吾(いたばし へいご)
演 - 岡田浩暉
淡路鋼材社長。会社は竹下金属と同じく、西大阪スチールが倒産した煽りで連鎖倒産する。しかしその裏では東田と繋がっており、半沢と竹下の行動を妨害する。
小村 武彦(こむら たけひこ)
演 - 逢坂じゅん
小村建設元会長。東田の遠縁に当たり、多数の不動産を所有。信頼していたメインバンクに裏切られ、不正献金を検察に密告される。一代で築いた小村建設から追われ、世間からは犯罪者のレッテルを貼られた。娘から嫌われ、また自らも父親失格と考え親子関係は断絶していたが、半沢が訪ねたときは入院し死期が迫っていた。強がる小村が、実は孫や娘と会いたがっていることを半沢は見抜き、来生と取引して娘・優子(演:吉沢梨絵)を探し出し再会させる。親子は和解し、まだ幼い孫・武志(演:上野蒼真)を含めた3人で最期に充実した時を過ごす。そして死の直前に、東田の居場所を記した手紙を半沢宛に書き残した。

奥様会(第一部)

江島 沙苗(えじま さなえ)
演 - 田中美奈子
江島の妻。傲慢さは夫以上で、副支店長夫人であることを鼻にかけている。社宅のリーダー的存在で、ことあるごとに夫人会を開催している。半沢の妻・花を見下し、あからさまに嫌っている。タロット占いも得意としているが、これは出向が決まった家族に対する嫌がらせの手段に用いていた。だが、花に対して「近いうちに引っ越しする」と嫌味を掛けたつもりが、直樹の栄転で良い意味になってしまい、花から「占い当たりました〜!」と逆に嫌味を言われてしまう。
角田 美津代(かくた みつよ)
演 - 中田優子
角田の妻。社宅歴も長く、夫人会の連絡係を任されている。
垣内 芳江(かきうち よしえ)
演 - 宇田川さや香
垣内の妻。おとなしく気弱な性格で、リーダー格の沙苗の言うことに逆らえないでいる。

浅野家

浅野 利恵(あさの りえ)
演 - 中島ひろ子
浅野の妻。支店長夫人ではあるが、穏やかで常識的な考えを持っており、部下の妻である半沢花とも対等に接する。だが、一方で夫の仕事には疎く、自分の夫が半沢と反目しあっていることを知らない。
半沢が浅野への逆襲を行っている最中に銀行を訪ね、「主人をよろしくお願いします」と単身赴任の夫を思う気持ちを半沢に伝えるが、この行為が夫の窮地を救うこととなる。
浅野 佐緒里(あさの さおり)
演 - 川島鈴遥
浅野 怜央(あさの れお)
演 - 若林瑠海
上記2名は匡・利恵の子供たち。

第二部 東京本店編

東京中央銀行(第二部)

半沢が東京本部第二営業部に栄転して一年が経ったところから物語は始まる。

東京本部第二営業部
東京中央銀行の中でもトップエリートのみの集まりと呼ばれ、主に大口契約を中心とする。
内藤 寛(ないとう ひろし)
演 - 吉田鋼太郎[24]
部長。部下である半沢の能力を認め信頼している一方[25]、上層部からの不条理な指令を遵守するため、渋る半沢を説得するなど、バランス感覚にも秀でる[26]
小野寺 順治(おのでら じゅんじ)
演 - 牧田哲也
半沢を尊敬している。半沢からの信頼も厚く、共に伊勢島ホテルを担当する。
坂本 新之助(さかもと しんのすけ)
演 - 岡山天音
素直な性格で、半沢からも目を掛けられている。
東京本部融資部
福山 啓次郎(ふくやま けいじろう)
演 - 山田純大
次長。データが全てと公言する合理主義者。タブレットPCを持ち歩き、情報処理に長けている。他人の顔を一切見ず、横柄な口調を飛ばす。大和田派のホープとまで呼ばれ、半沢に代わる伊勢島ホテルの担当に大和田・岸川から指名されるが、内藤が半沢の更迭に反対したため、模擬検査で担当を決定することになる。
模擬検査では検査官役を務め、「経営は人で決まる」という持論とデータで半沢を圧倒しようとしたものの、実は羽根はおろか湯浅にも会っておらず、他人の評価を鵜呑みにしていた事を会話の中で露呈してしまい、己の持論と行動が矛盾していることを半沢に突かれ、あっさりと敗北。その無様な負けっぷりで大和田を激怒させてしまった。
東京本部法人部
時枝 孝弘(ときえだ たかひろ)
演 - 高橋洋
調査役 → 名古屋の関連企業へ出向。
旧東京第一銀行出身。半沢とは同期入行。半沢が担当する約3か月前に伊勢島ホテルを受け持ったが、前任の古里から意図的に不十分な情報しか与えられないまま業務を引き継いでしまい、伊勢島ホテルの資金運用失敗に伴う莫大な損失の責任を一身に負わされる形で出向させられてしまう。
京橋支店
旧産業中央銀行出身の大和田や岸川が歴代支店長に名を連ねる支店であり、戸越曰く「東京中央銀行の闇の中枢」である。
貝瀬 郁夫(かいせ いくお)
演 - 川原和久
支店長。旧産業中央銀行出身。大和田派に属する。見栄っ張りでプライドが高い。
古里 則夫(こざと のりお)
演 - 手塚とおる
融資課課長代理。
上司の顔色ばかり伺い、常に上から目線でものを言う。わざと不十分な引き継ぎをして時枝を罠にはめただけでなく、近藤が融資の依頼に来る度に難癖をつけて融資を拒絶し、近藤をいじめ抜いた。しかし、貝瀬が戸越のリーク情報をわざと無視し、古里がそれを黙認した証拠を半沢と近藤に握られ、半沢らに協力させられたうえに、「お前に与信判断する資格は無い」と半沢に一喝された事で近藤が勤めるタミヤ電機への融資も決定させられた。

伊勢島ホテル

創業100年を超える老舗ホテル。今回は、株の運用失敗に関する100億円を超す損失事件が発生し、社長と専務が争う形となった。

最新鋭のインターネット予約システム開発を大手IT企業のNARUSEN(ナルセン)に依頼するが、同社がアメリカ最大手のホテルグループであるフォスターから特許権侵害で訴えられことで破綻の危機に陥り、伊勢島ホテルが援助した開発費用の113億円超も回収不可能となり、赤字に転じてしまう。フォスターとは後に、金融庁検査による実質破綻先への分類を避けるため、渡真利の交渉によって「現社長の続投・伊勢島ホテルの存続」を条件に業務提携を交わした。

フォスターの資本を受け入れ傘下に入ったメリットとして、「200億の初回増資額・最新鋭の安定した予約システム・海外とのコネクション」を手に入れた。

湯浅 威(ゆあさ たけし)
演 - 駿河太郎[27]
社長。ワンマンだった父親とは異なった経営方針で伊勢島ホテルを立て直そうと奮闘する。大東京ホテルでホテルマンの修行を積んでいた時に半沢を知り、銀行員であるにもかかわらずホテル再建に情熱を傾けた半沢を信頼する。中野渡に半沢を伊勢島ホテル再建の担当者にするよう依頼し、自らも再建計画のため海外の企業に渡りを付けるなど、かなりの行動派である。[28]
大和田と羽根の策略に振り回されることもあったが、伊勢島ホテルを再建する最終手段「フォスターと業務提携」という半沢の提案を承諾。フォスターと業務提携を交わし、同時に敵対していた羽根を更迭し、一連の争いに終止符を打った。
羽根 夏子(はね なつこ)[29]
演 - 倍賞美津子
専務。伊勢島ホテルでは最古参の社員。ワンマンだった先代社長の尻拭いをさせられてきた自分こそが伊勢島ホテルの社長にふさわしいと考え、大和田と結託してホテルの乗っ取りを企む狡猾な野心家。半沢に「金をどうにかするのがあなたたちの仕事でしょ」と言い放つなど態度も傲慢。運用失敗により120億円の損失を出した張本人。とはいえ、25年以上も財務関連に携わっている仕事柄、一度会った人の顔と名前は忘れない技量を持ち、ホテルマンとしての技術は一級品である。
だが、半沢の「フォスターとの業務提携案」に社長の湯浅が承諾したことで彼女の野望は潰えた。湯浅に撤回を求めるも一蹴される。
戸越 茂則(とごし しげのり)
演 - 小林隆
元経理課課長 → 廃品回収業者に再就職 → 伊勢島ホテルに復職。
内部告発を貝瀬と古里に握りつぶされた上、逆にリークされてホテルを追い出される形で退職させられ、東京中央銀行を憎んでいた。しかし半沢、近藤らと手を組み、古里を追い込んだ事で復職を果たす。その後、半沢に感謝しながらも「京橋支店こそが東京中央銀行の闇の中枢、何とか証拠を見つけ出してくれ」と助言した。

タミヤ電機

田宮 基紀(たみや もとき)
演 - 前川泰之
社長。銀行からの融資を受けるためには中期計画が必要だという近藤の進言を一蹴した。物事は部下任せと言わんばかりの無責任男で、近藤の事は出向で来た時から「目障りだ」と野田にこぼしていた。だが、裏帳簿を見つけた近藤によって粉飾決済を糾弾され、会社の為なら自分や野田との全面対決も辞さない彼の気迫にたじろいでいた。
後に、大和田によって融資事件の責任を押し付けられた事が分かり、近藤に一連の事件を証言、大和田に「あんたとは手を切らせてもらう」と言い残す。
野田 英幸(のだ ひでゆき)
演 - 利重剛
経理課課長。近藤の事を疎ましく思っており、部下の前で彼を見下すような言動を公然と繰り返していた。しかし、覇気を取り戻した近藤に一喝され、更には自身の行動に不審を抱かれた事で裏帳簿を握られた。

白水銀行

油山 哲也(あぶらやま てつや)
演 - 木下隆行TKO
伊勢島ホテルのサブバンクである白水銀行の融資部次長。あだ名は「アブ」[30]
半沢、渡真利の慶応義塾大学経済学部時代の同期。大学時代はラグビー部所属。戸越のリーク情報を信用して伊勢島ホテルへの融資をとりやめたおかげで損失を出さずにすみ、戸越に感謝している。

金融庁検査局

島田 亮太(しまだ りょうた)
演 - 竹財輝之助
木下 愛(きのした あい)
演 - 近野成美
上記2名は黒崎の部下で金融庁検査官。

奥様会(第二部)

岸川夫人(きしかわふじん)
演 - 松居直美
岸川の妻。仕事をしている大和田夫人に代わって、東京中央銀行本部の奥様会を仕切っている。出世が見込まれる部下の妻に対しては好意的な態度をとる一方、更迭や出向が確実な銀行員の妻には冷たく接する[31]
貝瀬夫人
演 - 小柳真由美
貝瀬の妻。
福山夫人
演 - 大森裕子
福山の妻。

その他(第二部)

棚橋 貴子(たなはし たかこ)
演 - 相築あきこ
アパレル会社・ラフィット社長。タミヤ電機の決算記録により、田宮から3000万円の不正調達[32]を受けていることが分かり、近藤に尾行される。帰った家から実は大和田常務の妻である事が発覚する。

役名のない出演者

役名のない出演者は出典なしで勝手に役名を付けるのではなく、役者個人として記載。役名が判明次第、上記項目に復帰する。

用語

倍返し
半沢直樹の決め台詞。正確には、「やられたらやり返す。倍返しだ!」[33]。上司の支店長・浅野には「10倍返しだ!」を宣言している。
バンカー
綴りはBanker。銀行経営者、または銀行員を指す言葉で、単なる事務職でなく専門職の意味合いが強い。劇中では「銀行員」の意味で呼ばれている。
出向 (しゅっこう)
東京中央銀行から関連企業への派遣のことだが、事実上の追放を意味する。劇中では、行員が自らの不手際などの責任をとる形で「出向」させられるが、第一部での半沢や第二部での時枝のように人事上の策略として行われる場合もある。因みに第一部のは浅野が企んだものだが失敗に終わり、逆に浅野が出向させられた。
稟議 (りんぎ)
元来の意味は、上司に審議してもらうために案件を提案すること。または、提案を発議する(案件を審議する会議の開催を働きかける)こと。ここでは、融資をする際に、融資先の財務状況などから融資の判断をする、銀行内での会議の意味で使われている。責任問題になるため、稟議にかける前の段階では、バンカーは融資先に対して「融資できます」などの返答・約束は、基本的に一切出来ない決まりとなっている。
裁量臨店 (さいりょうりんてん)
支店による融資の与信判断が正しく行われているか調査する事を目的とした、本部が執り行う銀行内部の監査のこと。「臨店」と略して呼ぶ場合もある。劇中では浅野と小木曽が半沢を失脚させるために融資先のヒアリング調査書などを事前に抜取るなど不正を行うも、事態の異変に気付いた半沢らの反撃で失敗し、逆に小木曽が失脚する羽目になった。
金融庁検査 (きんゆうちょうけんさ)
銀行による融資が適正に行われているかを判断するための行政検査。劇中、伊勢島ホテルに対する東京中央銀行の融資と、その後の経営悪化を受け、この検査が行なわれている。
引当金 (ひきあてきん)
金融庁検査の結果、銀行の融資に問題があると判断された場合に、銀行に課される保証金。銀行はそのリスクと予想される損害に応じて、金融庁に引当金を納めなければならない。劇中では1000億円以上の引当金が課されることが予想されるとされ、会計上の利益が大きく目減りすることになるため、株価の大幅下落に繋がる。それにより、銀行の経営基盤に大きな悪影響が出ることが予想され、最悪の場合には破綻する恐れすらある。
与信判断 (よしんはんだん)
相手先の財務状況などに基づき、融資の可否を判断すること。期限などの条件や、上限枠の設定なども含む。また、直接お金を貸す融資だけでなく、先日付の売買や売掛金回収など、債務者の信用リスクを負う行為全てにかかる判断も行う。
疎開資料 (そかいしりょう)
クレジットファイルという各取引先ごとに融資の経緯を記録した資料集の中でも特に外には漏らせない資料であり、同時にこれが無くては不祥事等が起きた際の経緯がわからなくなる重要書類のこと。
劇中、伊勢島ホテルの120億円の損失を東京中央銀行京橋店融資課に内部告発した際の報告書が、大和田の指令によりもみ消され「疎開資料」扱いとなった。
東京本部第二営業部
東京中央銀行本店にある部署の中でもトップクラスのバンカーだけが入れると言う、東京中央銀行のエリート集団。第一部の最後で、半沢が浅野を刑事告発しないことを条件に、次長待遇での異動を叶えた。「本店営業第二部」とも呼ばれる。
転貸資金 (てんたいしきん)
銀行などの金融機関から貸出された資金が、直接の借入先に使用されずに、第三者へと「又貸し」されること。劇中(第8話)では、田宮社長が東京中央銀行から受けた3000万円の資金が、そのままアパレル系会社・ラフィットに「転貸資金」されたのではないかという描写がなされている。
迂回融資 (うかいゆうし)
銀行が融資できないような相手に、顧客を通じて金を「又貸し」する詐欺行為のこと。

スタッフ

放送日程

放送回 放送日 サブタイトル 演出 視聴率[34]
関東地区
第1部 第1話 7月07日 やられたら倍返し! 悪い上司に立ち向かうニューヒーロー誕生!!
5億を取り戻せるか? 社宅での妻たちの戦い 出世か? 友情か?
福澤克雄 19.4%[35]
第2話 7月14日 上司の濡れ衣を振り払え! 悪者に倍返し 21.8%
第3話 7月28日 クソ上司に倍返し! 部下のピンチを救えるか!? 裏切り者も出現 22.9%
第4話 8月04日 10倍返しなるか! 上司と部下の裏切り 27.6%
第5話 8月11日 半沢が出向に…!? 生き残りをかけた戦 棚澤孝義 29.0%
第2部 第6話 8月25日 5億から120億! 東京で、倍返しなるか
本店に異動した半沢は巨大な敵と戦う!!
福澤克雄 29.0%[36]
第7話 9月01日 半沢が土下座する! 絶体絶命の大ピンチ 棚澤孝義 30.0%[37]
第8話 9月08日 強敵ライバル登場! 負ければ出向の危機 田中健太 32.9%[5]
第9話 9月15日 最終決戦!〜出向をかけた金融庁検査!! 福澤克雄 35.9%
備考

原作との相違点

基本的な設定

  • 来生卓治、半沢美千子は『オレたちバブル入行組』、大和田暁、中野渡謙、黒崎駿一は『オレたち花のバブル組』のみで登場するキャラクターであるが、ドラマでは『入行組』が原作の第一部、『バブル組』が原作の第二部、両方に登場している。
  • 妻である花と直樹の接し方が大きく異なり、花は原作では悪妻として描かれているが、ドラマでは直樹の良き理解者であり、明るい性格となっている。
  • 原作では直樹には弟・和樹がいるが、ドラマでは登場しない。
  • 原作では直樹の父・慎之助、母・美千子の名前は不詳。また、銀行に融資を打ち切られて、慎之助が首吊り自殺を図るという設定もドラマオリジナルであり、原作では、直樹が銀行に内定した段階で慎之助は健在である。
  • 半沢や近藤が剣道を嗜んでいる設定がドラマにて追加されている。半沢が剣術を披露する立ち回りはすべてドラマオリジナルである。
  • 行員の妻の集まりである奥様会はドラマオリジナルである。

第一部・大阪編

  • 原作では半沢の同期である苅田などが登場しないなど、同期のエピソードがカットされている。
  • 直樹の父・慎之助の工場の融資を打ち切った担当の銀行員が大和田に変更される[38]。原作では木村という浅野とつながりがあった業務統括部所属の部長代理でドラマ未登場。
  • 竹下が自殺を図ったり、板橋が資料を強奪しようとするエピソードはドラマオリジナル。
  • 小木曽の不正行為を暴くくだりでは、ドラマでは半沢の部下である中西の自発的な行動や渡真利の機転が強く影響しているが、原作においては半沢が資料抜き取りの現場を事務員に見張らせるなど終始半沢の行動、指示で解決している。
  • 小村のエピソードはほぼドラマのオリジナルで、原作における小村は老人ホームにいることが説明されているが半沢とは接触しない。
  • 来生はドラマではフリーライターだが、原作では民間調査機関に属しており、半沢と依頼で調査を行い、東田の持つマンションなどの調査とその報告を行っている。
  • 東田はドラマ版ではベトナムで事業を起こそうと画策していたが原作では中国。
  • ドラマで東田の資産の証拠を持ち出させるのに、東田の愛人・未樹に半沢らが話を持ちかけているが、原作において半沢らは未樹と会話するシーンはなく、未樹と付き合いがあった板橋を利用している。未樹のネイルサロンの下りや、半沢が開店の融資話を持ちかけるのはドラマオリジナル。
  • 原作では出向の内示が出る前に半沢は債権を回収している。浅野は支店長を降ろされるが、出向を示唆する程度でドラマのように具体的な出向先は明示されない。
  1. 原作では黒崎俊一は大阪国税局統括官ではない。

[39]

第二部・東京本店編

  • 原作では伊勢島ホテルの羽根専務は男性だが、ドラマでは女性に変更されている。名前も、原作の「夏彦」がドラマでは「夏子」に変更された。[40]
  • 古里が不正を行った証拠が入った疎開資料の置き場が原作では貝瀬の自宅であったがドラマで銀行の金庫内に変更される。原作では古里が単身で貝瀬の自宅に取りに行っている。
  • 花が息子と直樹の実家に行くエピソードは完全にドラマオリジナルである。
  • 半沢が自宅に疎開資料を置いたままにし、花が勝手に資料を実家に送付して難を逃れるのはドラマオリジナル。原作では半沢が先を読み、自宅には保管しなかった。また、ボイラー室の疎開資料を偽物の箱を見せて実はその場に本物の疎開資料があった、というのもドラマオリジナルであり、原作では偽の箱はあるが本物は直前に花の実家に送付している。
  • タミヤ電機が3000万円を流した会社である『ラフィット』が原作では『ラファイエット』と名前が異なる。また、近藤がラファイエット社長と会話するシーンなど原作のエピソードがドラマではカットされている。

反響

ロケ地観光
東京中央銀行大阪西支店の建物外観は、大阪駅前の梅田阪急ビルがモデルとして使用されている[7][6]。また、関西地区では第5話の瞬間最高視聴率が32.6%を記録するなど特に人気を得ていることから、ヒルトンプラザ大阪阪急百貨店うめだ本店梅田スカイビル芦有ドライブウェイなど、一連のロケ地が観光名所化している[7]。その後も人気は衰えず、ロケ地の1つである道頓堀では飲食店に「倍返しだ」にちなんだ新商品が登場したり、ロケ地目当ての観光客も増え始めている[41]
韓国での反響
文藝春秋社2013年8月21日に「やっかいな隣人を黙らせる方法 韓国に“倍返し”だ!」を総力特集とした週刊文春を刊行した[42][43]。韓国メディアは、「ホワイトデーの倍返しが正反対のすさまじい意味で使われる社会になってしまった」として「日本社会全般に広まった反韓感情日本社会の無慈悲な冷たさが垣間見える」とした報道を行い[44][43][33]、韓国の非難に対して産経新聞社は「倍返しにまで難クセつけるとは正気でない」として、反日なら何でもありの韓国メディアで日本バッシングが相次いでいることを報じた[44][33]
中国での反響
中国では上司の責任転嫁が常であるため、「やられたらやり返す、倍返しだ」が「人若犯我、必然加倍奉還」などに訳され、人気となっている。しかし、その視聴は字幕つきでインターネットの動画サイトへ違法にアップロードされた映像によるものである[45]
半沢直樹 倍返し饅頭
オフィシャル商品として2013年8月中旬からTBSストアで発売された『半沢直樹 倍返し饅頭』は、それを買い求めるサラリーマンなどで長蛇の列になり、同月9日から先行発売されたネット通販でも1か月待ちになるほどの人気を博している[46]

脚注

  1. ^ 日曜劇場 半沢直樹 オリジナル・サウンドトラック より
  2. ^ 堺雅人と上戸彩が10年ぶりに共演! 直木賞作家、池井戸潤の話題作がついに民放地上波初登場!! 7月7日(日)よる9時スタート日曜劇場『半沢直樹』”. TBS (2013年5月15日). 2013年6月8日閲覧。
  3. ^ ドラマ公式ホームページ メインページより
  4. ^ a b 監督も想定外!「半沢直樹」メガヒットの裏側”. 東洋経済オンライン (2013年5月15日). 2013年8月12日閲覧。
  5. ^ a b 「半沢直樹」8話ダウン知らず32・9%!東西とも連続30%超え10年ぶりの快挙
  6. ^ a b 『半沢直樹』の裏話 バルブ職人は本物、職場は阪急百貨店?”. NEWSポストセブン (2013年8月6日). 2013年9月閲覧。
  7. ^ a b c 半沢直樹:関西ロケ地じわり人気”. 毎日新聞 (2013年8月21日). 2013年9月閲覧。
  8. ^ テクニカルディレクター浅野太郎 鬼軍曹日記” (2013年9月7日). 2013年9月閲覧。
  9. ^ 三井不動産株式会社 会社概要”. 2013年9月閲覧。
  10. ^ 時には10倍返しとも言っている
  11. ^ 第1・8話の、それぞれ回想シーン、社宅での花との会話シーンから。
  12. ^ a b c 大阪、および東京での住まいは社宅である。以下はその出典。相関図 半沢花”. 2013年9月7日閲覧。
  13. ^ 第5話の支店長室でのやりとりから。
  14. ^ 初登場から半沢に東京本部内部の情報を与えるなど、影から半沢のサポートをしている。
  15. ^ クールで整然とした物言いは第一部の描写、熱い情熱が再燃は第二部からの描写より。
  16. ^ 問題を起こした行員が処分決定まで過ごすという場所であるが、今回新たな問題を起こしたのではなく、本人は当初は栄転になると思っていたぐらいである。これに関して渡真利は「かつて病気という爆弾を抱えたため、近藤を人事部が切り捨てた」と半沢に説明している(第1話より)。
  17. ^ 第二部、主に第7・8話におけるタミヤ電機の一連の財務業務に関する描写、および東京中央銀行本店での半沢、渡真利との会話シーン。
  18. ^ 同じドラマ枠で放送された華麗なる一族でも大手銀行頭取を演じた。
  19. ^ 中野渡は「銀行員は莫大なカネを動かす力を与えられているが、その気になれば人ひとりの人生を生かすことも殺すことも出来てしまう。だからこそ銀行員が見るべきものはカネではなく人である。」という旨を語っている。
  20. ^ このオカマっぽいキャラクターを演じる歌舞伎役者の片岡愛之助は、女形を得意としていた。
  21. ^ スポニチアネックス (2013年8月30日). “「半沢直樹」脇役降板報道は誤解 TBS「同じ名字の役が2人いた」”. 2013年8月30日閲覧。
  22. ^ 劇中に使われた「MANZOKU」という風俗情報誌は実在する雑誌である。
  23. ^ 宮川一朗太オフィシャルブログ (2013年7月29日). “MANZOKUした?”. 2013年8月5日閲覧。
  24. ^ 演じる吉田鋼太郎は、同時期に放送されたNHK制作の同原作者の作品「七つの会議」にも出演していた。
  25. ^ 金融庁検査の最中に半沢を更迭しようとする上層部に反抗。大和田には「不当人事だ」と、断固半沢を守る姿勢を示した(第8話より)。
  26. ^ 半沢とのやりとり(大和田からの接待の受諾を上司であるにも関わらず頭を下げ懇願する)などから(第6話より)。
  27. ^ 半沢慎之助役の笑福亭鶴瓶の実子 。
  28. ^ 第6話から第7話にかけての湯浅の描写から。
  29. ^ 原作版では羽根夏彦に相当する。
  30. ^ http://www.tbs.co.jp/hanzawa_naoki/report/72.html TBSテレビ:日曜劇場『半沢直樹』撮影日報 2013年8月17日「半沢直樹と東京にいる同期たち」。2013年8月21日閲覧
  31. ^ 奥様会での福山次長の妻と花に対する対応から(第8話より)。
  32. ^ タミヤ電機による転貸資金であるため(第8話より)。
  33. ^ a b c 日韓メディアが大喧嘩…ドラマ「半沢直樹」をめぐり=中国報道 Searchina 2013/09/07
  34. ^ 半沢直樹 - スポニチ Sponichi Annex 芸能、2013年8月8日閲覧。
  35. ^ 堺雅人主演TBS「半沢直樹」初回視聴率は19.4%(スポーツ報知) - goo ニュース、2013年7月8日閲覧。
  36. ^ 「半沢直樹」東京編スタート 思わぬ“強敵”出現も29.0% 2013年8月26日閲覧。
  37. ^ 土下座した!「半沢直樹」関東・関西とも30%超 “ミタ超え”の8年ぶり快挙 2013年9月1日閲覧。
  38. ^ 「ここは強大な悪人を出して欲しい」という堺雅人の提案による。 週刊TVガイド 2013年9月13日号(9月4日発売)より。
  39. ^ ドラマ『半沢直樹』、原作とのちがい
  40. ^ 半沢直樹プロデューサーに聞く「倍返し」秘話、タイトルへ込めた思い マイナビニュース
  41. ^ ロケ地・道頓堀に「半沢直樹」効果…2倍たこ焼きなど「倍返し」商品、続々登場(1/2ページ) - MSN産経west(産経新聞)、2013年9月5日閲覧。
  42. ^ 総力特集 「やっかいな隣人」を黙らせる方法 韓国に“倍返し”だ! 週刊文春2013年8月29日号 文藝春秋社
  43. ^ a b 【グローバルアイ】“安倍政権たたき”より重要なこと 中央日報 2013年08月24日
  44. ^ a b 正気でない韓国メディア、ドラマ・半沢直樹「倍返し」にまで難クセ 産経新聞社 2013/09/02
  45. ^ 「半沢直樹」中国でも人気の理由 上司の責任転嫁が常だから 産経デジタル 2013/08/19
  46. ^ “半沢直樹 : 「倍返し饅頭」大ヒットで連日長蛇の列 数量制限も即完“バイ””. まんたんウェブ. (2013年8月9日). http://mantan-web.jp/2013/08/29/20130829dog00m200046000c.html 2013年8月31日閲覧。 

外部リンク

TBS 日曜劇場
前番組 番組名 次番組
空飛ぶ広報室
(2013.4.14 - 2013.6.23)
半沢直樹
(2013.7.7 - 2013.9.22予定)