アスナロ

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アスナロ(翌檜、羅漢柏(らかんはく)、学名:Thujopsis dolabrata)はヒノキ科アスナロ属の常緑針葉樹。一属一種。日本原産。石川県では「アテ(貴、阿天)」、新潟県佐渡島では「アテビ」と呼ばれ、昔から植林されている。ヒバと呼ばれることもある。

アスナロ新エングラー体系
アスナロ
アスナロ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
分類
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Gymnospermae
: マツ綱 Coniferopsida
: マツ目 Coniferae
: ヒノキ科 Cupressaceae
: アスナロ属 Thujopsis
: アスナロ T. dolabrata
学名
Thujopsis dolabrata
(Thunb. Ex L.f.) Sieb. & Zucc.
和名
アスナロ(翌檜)
英名
Hiba
false arborvitae
Hiba arborvitae

特徴

北海道南部から・本州九州山地に分布し、樹形は錐形で、樹皮は薄く縦に剥がれる。葉は対生で、1つ1つの形は鱗片状で長くても20mm以下、幅も2~10mm、縁は滑らか(全縁)で、葉柄葉脈ともに不明確。

雌雄同株で、花は小さく刃先に1つ付け暗茶色ないし褐色である。果実は球形の乾果で、色は淡褐色である。

ヒノキに似ているが、枝や葉がより幅広く、また、ヒノキと異なり数年間枝についている間に幅がより広くなる。また、鞠果の構造がやや異なることから別属とされている。なお、名称の由来はヒノキに似ていることから「明日(はヒノキに)なろ(う)」の意と言われているが、一部の図鑑では俗説であると否定されている。

利用

材はやや黄白色で芳香があり、ヒノキチオールを豊富に含有しており殺菌力と耐湿性にきわめて優れるため、俎板材として最高級にランクされる。(もともとヒノキチオールは、その名に反しヒノキそのものにはあまり含まれていない)

北米で産出される米ヒバ(イエローシダーCallitropsis nootkatensis)とは同じヒノキ亜科だが属が異なる。

他に、庭園に栽培されることがある。

変種

 
ヒノキアスナロ

変種に、ヒノキアスナロ(檜翌檜、Thujopsis dolabrata var. hondae)があり、日本国内のより北方に分布する。ヒノキアスナロ(ヒバ)は青森県石川県の県木である。 青森県内で産出される木材は、青森ヒバと呼ばれ、木曽ヒノキ秋田スギと共に、日本三大美林(平成10年林業白書)とされている。 石川県では主に能登地方に分布し、産出される木材は能登ヒバと呼ばれ、古くから建築材のほか輪島塗の木地として利用されている。

外部リンク

参考文献

  1. ^ Conifer Specialist Group 1998. Thujopsis dolabrata. In: IUCN 2007. 2007 IUCN Red List of Threatened Species. Downloaded on 29 April 2008.