「局所環」の版間の差分
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ARAKI Satoru (会話 | 投稿記録) Local ringsの訳語はChevalley (1943)ではなくZariski (1943)に因るようなので修正ほか。 |
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これと同じようなことは、位相空間とその上の一点と実数値連続函数から芽の環を考えることでもできるし、可微分多様体上に一点をとって、可微分写像芽の環を考えても、あるいは点つきの代数多様体上の有理函数芽の環でもよいが、結果として、これらの芽の環は局所環となる。またこれらの例は、代数多様体の一般化である[[概型|スキーム]]が、どうしてのか特殊な[[局所環付き空間]]として定義されるのかということの説明の一助となる。
もう少し算術的な例として、分母が奇数となるような有理数全体の成す環 '''Z'''{{sub|(2)}} は局所環である。その極大イデアルは、分子が偶数で分母が奇数であるような分数全体 2'''Z'''{{sub|(2)}} である。もっと一般に、可換環 ''R'' とその[[素イデアル]] ''P'' が与えられたとき、''R'' の ''P'' における[[環の局所化|局所化]]は、''P'' の生成する唯一の極大イデアルを持つ局所環である{{sfn|Matsumura|1986|p=22|loc=Example 2}}。
体上の(一変数あるいは多変数の)[[形式冪級数環]]も局所環の例である{{sfn|Matsumura|1986|p={{google books quote|id=yJwNrABugDEC|page=4|4}}|loc=Example 1}}。極大イデアルは定数項を持たない冪級数全体である。
体上の[[二元数]]の成す多元環も局所環である。もう少し一般に、''F'' が体で ''n'' が正整数であるならば、商環 ''F''[''X'']/(''X''<sup>''n''</sup>) は、定数項を持たない多項式の類全体の成す極大イデアルを持つ局所環となる。実際に[[等比級数]]を使えば、定数項を持つ任意の多項式が ''X''<sup>''n''</sup> を法として可逆であることが示せる。 これらの例では、その元はどれも冪零であるか可逆であるかのいずれかである。
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