「アカシックレコード」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Wikikaizock (会話) による ID:64325905 の版を取り消し ノートを参照
項目に不適切な表現があったため
5行目:
アカシックレコードの「アカシック」はサンスクリット語の「[[アーカーシャ]]」{{efn|アーカーシャ({{Lang-sa|आकाश}}、阿迦奢)は「空間」を意味し、「[[虚空]]」または「空」と漢訳される。}}に由来し、その英語的な変化形である。アーカーシャは近代の西洋[[神秘学|オカルティズム]]では[[エーテル (神学)|エーテル]]に相当するものとされたが{{sfn|ゲティングズ, 松田訳|1993|pp=15-16}}、元来はインドの伝統的な概念であって[[オカルト]]的、[[ニューエイジ]]的な意味合いはない。アカシックレコードという言葉は全く近代ヨーロッパ的な用法である{{sfn|ゲティングズ, 松田訳|1993|pp=15-16}}。近代神智学を創始した[[ヘレナ・P・ブラヴァツキー]](1831年 - 1891年)はアーカーシャを生命力のようなものとみなし、これを以てアーカーシャは神智学の用語となった{{sfn|Hammer & Rothstein|2013}}。
 
アカシックレコード、アカシャ年代記は、[[神智学協会]]のブラヴァツキーが最初に使った言葉<ref name=komori>[https://twitter.com/komorikentarou/status/177031766748577792 小森健太朗 6:03 - 2012年3月6日] twitter.com</ref>、もしくは同協会に属し、のちに[[アントロポゾフィー|人智学]]を提唱した[[ルドルフ・シュタイナー]](1861年 - 1925年)が作った言葉と言われる{{sfn|McKusick|1982}}。シュタイナーは、透視能力のある意識のみが近づくことができる宇宙の超感覚的な歴史、「世界で起こったあらゆることが記録されている」「巨大な霊的パノラマ」を「アカシャ年代記」{{sfn|シュタイナー, 高橋訳|1998|p=146}}「アカシアの記録」{{sfn|ローザク, 志村訳|1978}}と呼んだ<ref name="宮本">[http://mikiomiyamoto.bake-neko.net/bookreview0252.htm アカシック・レコード] 宮本神酒男</ref>。近代神智学系の思想家・オカルティストたちによると、物理界・幽星界・神界・天空などの世界の果てに、それを取り巻くように不思議な境界線が遠く伸びており、ここには全宇宙の歴史が時間の流れにしたがって配列されており、これがアカシャ年代記・アカシックレコードであるという<ref name="渋沢">[http://www.genshu.gr.jp/DPJ/booklet/001/001_07.htm 小冊子「現代教学へのアプローチ」「宗教と科学について-ニューエイジ批判を通しての一考察-」 渋沢光紀] 日蓮 現代宗教研究所</ref>。アカシックレコードは解読不能な言語によって記された書籍に喩えられる<ref name="渋沢"/>。
 
近現代の神智学や人智学だけでなく、現代の[[ニューエイジ]]文化の用語としても使われるようになり、神智学の影響を受けた心霊治療家・心霊診断家[[エドガー・ケイシー]]が使ったことで一般に知られている。ケイシーは催眠状態で病気の診断や予言を行ったが、彼が催眠時にアクセスしていたとされる[[潜在意識]]([[無意識]])の次元、これまでに経験した全ての事柄が刻まれた「霊的な記憶庫」が、のちに[[神智学]]の用語に倣って「アカシックレコード」と呼ばれるようになった{{sfn|大田|2013|p=115}}。
42行目:
 
アカシックレコードへのアクセス方法は[[チャネリング]]またはリーディングと呼ばれるが、これらは[[心霊主義]]の[[交霊会]]に由来し、元々は[[霊媒]]によって行われた。1960年代の[[カウンターカルチャー]]を源流のひとつとし、1970年代後半に始まるアメリカの[[ニューエイジ]]運動の中で、アカシックレコードへのアクセスが試みられていった。ニューエイジでは、世界のすべての現象を記録したアカシックレコードは実在し、それにアクセスするチャネリングは真正のものと考えられることがあり、異次元の「ソース」から高次の霊的な情報、真実であり重要な情報を得ることができるチャネラーが多数存在すると考える人もいた<ref name="松井"/>。
 
=== オウム真理教 ===
現代日本の[[オウム真理教]]は、近代神智学経由の[[ヨーガ]]を教義と修行の基本に置いており、近代神智学のアカシックレコードの概念から「神秘思想はもともと科学(真理)である」と考えた<ref name="渋沢">[http://www.genshu.gr.jp/DPJ/booklet/001/001_07.htm 小冊子「現代教学へのアプローチ」「宗教と科学について-ニューエイジ批判を通しての一考察-」 渋沢光紀] 日蓮 現代宗教研究所</ref>。神智学では世界を、目に見える「物質界」・イメージ素の「アストラル界」・音素だけの「コーザル界」の三つに分け、こうした世界の果てに、宇宙の全現象が永遠に記録されているアカシックレコードと呼ばれるエーテル状の全記憶情報媒体が連なっているとしている<ref name="渋沢"/>。教祖・[[麻原彰晃]]は近代神智学の宇宙構造をそのまま踏襲し、アカシックレコードの全情報性をコーザル界に置き、精神科学(コーザル界)から降ろされた情報が現世の科学となっていると説明した<ref name="渋沢"/>。そして「精神科学の世界から情報が降りるのは直観によってであり、[[アインシュタイン]]はじめ偉大な科学者は皆[[インスピレーション]]によって精神世界の情報を得て、それを理論化・実験によって検証し、個々の科学法則をつくってきた」と語り、これを逆転させ「[[釈尊]]も最高の科学者であった」と述べた<ref name="渋沢"/>。[[日蓮宗]]善龍寺住職・前現代宗教研究所研究員の渋沢光紀は、オウム真理教の主張は精神世界は真理なのだから科学に他ならないという理屈であり、いわば真理は常に科学であるはずだとする、逆転した科学信仰であり科学万能論であると述べている<ref name="渋沢"/>。
 
== フィクション ==