「担保」の版間の差分

'''担保'''（たんぽ、[[英語]]：collateral））とは、以下の3つの意味を持つ。

この場合の「被担保債務」とは、いわゆる契約や不法行為権によって発生した「債権」という意味よりは広く解され「義務」と同様な意味で用いられ係る。また、提供された事物が「債務者以外の第三者へのに対する債権」であという形をとる担保を'''人的担保'''と呼び、「物の交換価値」であや権利に対する物権（担保物権）という形をとる担保を、'''物的担保'''（物上担保）と呼ぶ。<ref>物的担保の「物」とは、民法において定義された有体物としての「物」ではなく、講学上の、より広い意味における「権利の客体」（物権の客体）という意味でしての「物」であり、したがって、無体物を含む（例：権利質）。また、人的担保の「人」は、民法上用いられる自然人としての「人」ではなく、講学上の、より広い意味における「権利の主体」としての「人」であり、したがって、法人をも含む（例：法人保証）。

== 物的担保を構成する要素 ==

物的担保は、原則として、以下の主体および客体要素から構成される。

#'''被担保債権'''…担保物権によって履行が担保証されている債権。

#'''担保目的物'''…被担保債権の履行を担保するための担保権の目的物として供された事物や権利。

#'''担保権者'''…担保権設定者から担保物権の設定を受けた者。[[セキュリティー・トラスト]]の場合を除き、被担保債権を有者と一致する債権者。

#'''設定被担保債権者''''…担保目的物を提供した被担保債権の債務権者。またはセキュリティー・トラストの場合を除き、担保目的物を提供した第三権者と一致する。

例えば、債務者ＡがAの債権者ＢBに対する債務αを、債務者ＡAの有する甲不動産で担保に債権者Bのために抵当権を設定した場合、債務者ＡAが担保権設定者（抵当権設定者）、債権者ＢBが担保権者（抵当権者）、債権αが被担保債権、甲不動産(の交換価値)が担保目的物（抵当目的物）となる。注意点としては、担保権設定者は、通常は債務者だがに限られず、債務者以外の第三者が目的物を提供設定する事もでき、その場合には、保証人又当該第三者は物上保証人と呼ばれる。なお、担保目的物として「物の交換価値」を提供している今の事例は物的担保の事例であるが、もし債務者以外の第三者が設定者として、担保目的物として保証債務を提供していれば、人的担保の事例となる。

| style="text-align:left" |<small>1.合意により特定されまたは指定された範囲に属する債権の元本<br >2.利息<br >3.違約金<br >4.質物保存や強制執行時の費用<br >5.債務不履行又は隠れた瑕疵によって生じた損害

|法律により特定された債権<br >(金銭債権に限らない)</small>

| style="text-align:left" |1.合意により特定されまたは指定された範囲に属する債権の元本<br >2.利息<br >3.定期金<br >4.遅延利息（遅延損害金）<br >5.抵当権実行費用（通説）

|先取特権の種類により多様（一般財産または特定の物もしくは権利。代位物を含む。）

**典型担保（[[担保物権]]）…民法典に記載物権として規定のある物的担保

****[[先取特権]]：　一般先取特権（一般担保）　特別先取特権　（動産先取特権　不動産先取特権）

****[[抵当権]]：　不動産抵当　動産抵当　[[財団抵当]]　根抵当　抵当直流

**非典型担保…民法典に記載がないか、記載はあっても物権ではとしての規定がない物的担保。

***[[仮登記担保]]：　代物弁済予約　売買の一方の予約　停止条件付代物弁済　

***広義の[[譲渡担保]]：　狭義の譲渡担保（譲渡抵当）　[[売渡担保]]（売渡抵当）　根譲渡担保　転譲渡担保

***[[所有権留保|所有権の留保]]