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== 形態 ==
[[子実体]]は[[キノコの部位#傘|傘]]と[[キノコの部位#柄|柄]]からなる。傘の径は5 - 15[[センチメートル]] (cm) に達し<ref name="今関ほか2011"/>、はじめは半球形または円錐形で、のちに丸山形から平らに開いて中央がやや盛り上がる{{sfn|前川二太郎 編著|2021|p=147}}。傘表面は黄土色から黄金色で、微細な黄金色の粉で密に覆われる{{sfn|秋山弘之|2024|p=46}}。幼菌時の傘には、しばしば放射状のしわがある{{sfn|大作晃一|2005|p=79}}{{sfn|吹春俊光|2010|p=42}}。表皮は粉よりも淡色で滑らか{{sfn|吹春俊光|2010|p=42}}。傘裏の[[キノコの部位#ひだ|ヒダ]]は、柄に上生からほとんど離生して密に配列し{{sfn|前川二太郎 編著|2021|p=147}}{{Sfn|長沢栄史 監修|2009|p=125}}、はじめのうち黄白色から淡黄色であるが、のちに黄土褐色となり、[[胞子]]が成熟すると濃い茶色になる{{sfn|秋山弘之|2024|p=46}}<ref name="今関ほか2011"/>。幼菌のヒダは皮膜で覆われている{{sfn|牛島秀爾|2021|p=63}}。
 
柄は上下同大もしくは下方が太くなる円柱状で{{sfn|吹春俊光|2010|p=42}}、長さ5 - 15&nbsp;cm、太さ1.5 - 3&nbsp;cmと長く伸びて<ref name="今関ほか2011"/>{{sfn|前川二太郎 編著|2021|p=147}}、表面は傘と同様に黄土色の微細な粉で覆われ{{sfn|秋山弘之|2024|p=46}}、しばしば縦じわがある<ref name="今関ほか2011"/>。中実または髄状{{sfn|吹春俊光|2010|p=42}}。柄の上部に膜質でよく目立つ黄白色から黄土色の[[キノコの部位#つば|ツバ]]が広がる{{sfn|秋山弘之|2024|p=46}}。ツバの上面ははじめ黄白色、のちに胞子によっが落下堆積して褐色となって、下面は傘と同じ粉に覆われ、放射状のしわがある{{Sfn|長沢栄史 監修|2009|p=125}}。柄の基部は膨らむ<ref name{{sfn|吹春俊光|2010|p="今関ほか2011"/>42}}。基部には[[キノコの部位#つぼ|ツボ]]は無い{{sfn|前川二太郎 編著|2021|p=147}}。[[キノコの部位#肉|肉]]は緻密で厚く、白色から淡黄色<ref name="今関ほか2011"/>{{sfn|前川二太郎 編著|2021|p=147}}、縦にきれいに裂くことができる{{Sfn|長沢栄史 監修|2009|p=125}}。
 
担子[[胞子]]は9 - 13 × 4 - 5[[マイクロメートル]] (μm) の紡錘状楕円形で、微細なイボがある<ref name="今関ほか2011"/>{{sfn|前川二太郎 編著|2021|p=147}}。[[胞子紋]]は黄土色(黄褐色)<ref name="今関ほか2011"/>{{sfn|前川二太郎 編著|2021|p=147}}。
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== 利用と中毒事例 ==
全体を覆う粉を落として加熱すれば可食とされているが{{sfn|前川二太郎 編著|2021|p=147}}{{sfn|牛島秀爾|2021|p=63}}、子実体の表面についている黄土色の粉を食べると消化不良を起こすとされる{{sfn|秋山弘之|2024|p=46}}。この粉は落ちやすく、キノコを手に持つと手が汚れる{{sfn|秋山弘之|2024|p=46}}。また、子実体には汗臭いような一種独特な強い臭いがあるが<ref name="今関ほか2011"/>、火を通すとこの臭いが消えて気にならなくなるという{{sfn|秋山弘之|2024|p=46}}<ref name="今関ほか2011"/>。人によって好き嫌いがはっきり分かれるキノコであるが{{sfn|大作晃一|2005|p=79}}、歯ごたえがよく、食用として美味という人もいる{{Sfn|長沢栄史 監修|2009|p=125}}。柄の肉はかたい繊維質で、極めて歯切れが良く舌触りも良いため、柄だけを食べる地方もある<ref name="今関ほか2011"/>。
 
食べるときは、キノコ全体についている粉を洗い落としてから、[[フライ (料理)|フライ]]や[[天ぷら]]、[[炒め物]]にすると良いといわれている<ref name="今関ほか2011"/>{{sfn|大作晃一|2005|p=79}}。
 
ただし、人によっては[[下痢]]や[[嘔吐]]など消化器系の中毒例があるので要注意なキノコである{{sfn|吹春俊光|2010|p=42}}{{sfn|牛島秀爾|2021|p=63}}。しなびて古くなったものを食べても、下痢や嘔吐を引き起こす{{sfn|大作晃一|2005|p=79}}。また黄色みの強い系統は、腹痛、下痢、嘔吐など胃腸系の中毒事例が報告されており、注意が必要である<ref name="今関ほか2011"/>{{sfn|前川二太郎 編著|2021|p=147}}。毒成分は不明とされるが、その他の化合物に[[レクチン]]が含まれる{{Sfn|長沢栄史 監修|2009|p=125}}。
 
== 脚注 ==
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* {{Cite book|和書|author=大作晃一|title=山菜&きのこ採り入門 : 見分け方とおいしく食べるコツを解説|publisher=[[山と渓谷社]]|series=Outdoor Books 5|date=2005-09-20|isbn=4-635-00755-3|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author=長沢栄史 監修 Gakken 編|title=日本の毒きのこ|series=増補改訂フィールドベスト図鑑 13|publisher=[[Gakken]]|date=2009-09-28|isbn=978-4-05-404263-6|ref={{SfnRef|長沢栄史 監修|2009}} }}
* {{Cite book|和書|author=吹春俊光|others=大作晃一(写真)|title=おいしいきのこ 毒きのこ|publisher=[[主婦の友社]]|date=2010-09-30|isbn=978-4-07-273560-2|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author=前川二太郎 編著|title=新分類 キノコ図鑑:スタンダード版|publisher=[[北隆館]]|date=2021-07-10|isbn=978-4-8326-0747-7|ref=harv}}