削除された内容 追加された内容
タグ: サイズの大幅な増減
細部の加筆と修正
25行目:
[[1984年]][[10月24日]]に[[ミディ|MIDI]]のSCHOOLレーベルからリリースされた。プロデューサーは坂本、[[エグゼクティブ・プロデューサー]]はヨロシタミュージックの大蔵博が担当した。
 
前作『[[左うでの夢]]』([[1981年]])からおよそ3年ぶりとなるアルバムで、[[イエロー・マジック・オーケストラ|YMO]]が散開したと同時に、MIDIに移籍後初となる作品として発表され<ref name="cdjournal">{{Cite web|和書|url=https://artist.cdjournal.com/d/-/1140003023 |title=坂本龍一 / 音楽図鑑完璧盤 <nowiki>[再発]</nowiki> |website=CDジャーナル |publisher=[[音楽出版社 (企業)|音楽出版社]] |accessdate=2025-01-01}}</ref>、それまでのはっきりしたコンセプトに基づいて作成する方法とは異なり、スタジオに入って何の先入観なしに出てくるものを記録していく手段を取った。坂本は「[[シュールレアリズム]]的な自動筆記」「[[羅針盤]]も[[海図]]もなしに海に乗り出して何が起こるかっていう冒険」とコメントしている<ref name="KB2015">『[[キーボード・マガジン]]2015年4月号 SPRING』より。</ref>。
 
[[1992年]][[7月1日]]にリリースされた『'''音楽図鑑完璧盤'''』(おんがくずかん かんぺきばん)と、[[2015年]][[3月25日]]にリリースされた『'''音楽図鑑 -2015 Edition-'''』(おんがくずかん 2015エディション)も同時に記述する。
290行目:
#* 坂本の楽曲ではベースを早い段階で入れるが、この曲だけは珍しく最後に入れている。ベースはテイク1・テイク2のつもりで2つ弾き、どちらか一方をと思っていたところ、試しに2つ入れてみたら、ぐにゃぐにゃになって面白かったために両方を取り入れた<ref name="KB2015"/>。
# '''M.A.Y. IN THE BACKYARD'''
#* [[セイコーホールディングス|セイコー]]『アルバサクセス』のCMソングとして使用され、プレゼント用に[[シングルカット]]もされた(B面は「マ・メール・ロワ」)。坂本の作品では珍しく、[[マリンバ]]が終始使われている楽曲である。
#* タイトルの“M.A.Y.”は当時[[高円寺]]の自宅裏庭に集まっていたノラ猫たちのことで、M=モドキ、A=アシュラ、Y=ヤナヤツの意味(ヤナヤツは他の子猫がエサを食べていると横から突き飛ばして横取りするところから命名)。モドキは矢野顕子のアルバム『[[峠のわが家 (矢野顕子のアルバム)|峠のわが家]]』(1986年)に収録されている「The Girl of Integrity」に、サンプリングで“参加”している。また、矢野のライブアルバム『[[グッド・イーブニング・トウキョウ]]』([[1988年]])ではジャケットイラストにも登場している。
#* 楽曲は別々の日に作曲された8つのスケッチをフェアライトCMIの機能であるページRで組み合わせている。フェアライトCMIはサンプラーとシーケンサーが直結しているため、各サンプル音をパラアウトで出力して定位やエフェクトを決めた状態にして一発で録音した<ref name="KB2015"/>。この曲は坂本から譜面を渡された[[藤井丈司]]がフェアライトCMIのページC(ミュージック・コンポジション・ランゲージ)と呼ばれる、音の高さと長さをテキストで打ち込む機能が使われている。曲の途中でマリンバが細かく「タララタララ」と鳴るところも1つずつアウトプットが別に鳴るように分けて打ち込んでいる<ref name="2015Edition">音楽図鑑-2015 Editionライナーノーツより。</ref>。
305行目:
#* “N.J.P.”は、[[現代美術|現代]][[美術家]]の[[ナム・ジュン・パイク]]の頭文字から拝借したもので、坂本の学生時代(1975年~1976年頃)に作曲された。
#* 3/4拍子であるが、1回聴いただけでは一体何拍子なのかが判別が付かない。また、メロディーが[[無調]]的・和声の4度進行もほとんどないなど、楽曲の構造自体は[[ジャズ]]からは遠い。
#* [[サクソフォーン]]は[[中村哲 (作曲家)|中村哲]]が演奏しており、テイク3までレコーディングされた。テイク1で中村によるソプラノ・サックスと坂本のピアノを同時に録り、テイク2で中村によるテナー・サックスがレコーディングされている。テイク3もレコーディングされたが使われていない。結局テイク2のテナーを活かし、テイク1のソプラノは最後のセクションにだけハーモニーパートとして使われた<ref name="KB2015"/>。中間部ではナム・ジュン・パイクの声が[[コラージュ]]され、後ろで鳴っているコードはProphet-5。本作の最後に録音された。
#:* アルバム『1996』(1996年)で[[ピアノ三重奏曲|ピアノ三重奏]]ヴァージョンが収録されている。
# '''REPLICA'''
#* 7インチレコードと12インチシングル、CTおよびCD盤のみ収録。
#* サンプリング音によるリズム・淡々と刻まれる低音部{{efn|途中から[[バスクラリネット]]がされてい。}}・[[ホルン]]系の音色による[[半音]]を基調としたフレーズが延々と繰り返される中ており様々な音たちが現れては消える所謂[[ミニマルミュージック]]に近い楽曲となっており、いる。リズムの「ガガッ」「ジャ、ジャ」の音は[[タイプライター]]をフェアライトCMIでサンプリングしたもの。イントロから鳴っているホルン系のフレーズは坂本がProphet-5で手弾きしたものである<ref name="KB2015"/>。シンセ・ベースとストリングスはProphet-5を使い、後半の[[グロッケンシュピール|グロッケン]]の音はフェアライトCMIを使っている<ref name="KB2015"/>。随所にさまざまなSE音([[カバサ]]っぽい音や[[]]、[[雷]]などの[[効果音|SE]]が入るが、これらはフェアライトCMIではなく、スタジオ([[音響ハウス]]に用意されていた6mmテープのライブラリを使用している<ref name="KB2015"/>。
#* [[ペンギン・カフェ・オーケストラ]]の[[サイモン・ジェフス]]が[[クアトロ]](4弦ギター)を演奏しているがほとんど聞こえない<ref name="KB2015"/>。
#* ナム・ジュン・パイクによってこの曲の映像作品が制作されている。
# '''マ・メール・ロワ'''
#* 7インチレコードと12インチシングル、CTおよびCD盤のみ収録。
#* セイコー『アルバサクセス』のCMソングとして使用された。タイトルは「[[マザー・グース]]」のことで、[[モーリス・ラヴェル]]に[[マ・メール・ロワ|同名曲]]がある。
#* 坂本の曲としては珍しく、[[ひばり児童合唱団]]によってメロディーが歌われている。[[トランペット]]で[[近藤等則]]、パーカッションでデヴィッド・ヴァン・ティーゲムが参加しており、トランペット、パーカッション、トイピアノ以外はすべてフェアライトCMIで表現している。近藤を呼んだ理由は曲を壊すためと語っており、坂本一人では綻びが無く、どこか壊れていないといいものにならないと考えていたという<ref name="KB2015"/>。
#* 曲中に聞かれる低音は坂本がフェアライトCMI導入直後に最初にサンプリングしたもので、ベースにハーモニクスを掛けた音である。[[トイピアノ]]はフェアライトCMIではなく本物を弾いている。
# '''TIBETAN DANCE ([[リディム|VERSION]])'''