「普遍代数学」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m bot: 解消済み仮リンク圏を内部リンクに置き換えます |
→外部リンク: {{Algebra}} |
||
(7人の利用者による、間の8版が非表示) | |||
9行目:
== 代数の多様性 ==
{{Main|バラエティ (普遍代数学)}}
等式によって定義することのできる代数的構造は、
代数多様性について調べるための制約として除かれるものとして:
* [[述語論理]]、とりわけ[[普遍量化]] (<math>\forall</math>) を含む[[量化]]。等式に用いることや[[限定量化]] (<math>\exists</math>) はよい。
* 等式を除く全ての
この狭い意味での定義において普遍代数学は、典型的には演算のみをもつ構造のみを扱う({{仮リンク|算号系|en|signature (logic)|label=型}}は函数の記号は含むが、等式以外の[[多項関係|関係]]の記号は含まない)のであるから、これらの構造について述べる言葉としては等式のみを用いるような、[[モデル理論]]の特別な分科と考えることができる。
49行目:
になっている。
これでちゃんと群の定義が表せているのかということをチェックするのは重要なことである。普遍代数学的な意味での群を一つとってきたときに、通常の意味での群として取ってきたときよりも多くの情報が出てくるというようなことはあってはならない。通常の定義において単位元 ''e'' が一意であると断っている(一意でなく他の単位元 ''e''′ が存在するなら零項演算 ''e'' の値であるところの元と紛らわしい)ことについて、普遍代数学的な定義では何も言っていないが、特段断らずとも
一見すると、量化された法則を等式律に書き換えることは単に形だけの違いにも思えるが、しかしこれは極めて実利的な結果である(圏論において[[群対象]]を定義しようとするとき、考えている圏の対象が集合でない場合には、それが元を持つわけではないために、量化された法則が意味を成さないということも起こり得る。そこで一般の圏で意味を持つ性質としての等式法則を使わなければならない)。さらに言えば、普遍代数学の観点は逆元や単位元が存在することのみならず、それが圏の射であることまで主張するのである。基本的な例である[[位相群]]では、逆元は各元に対して存在することのみならず、逆元を対応させる反転写像が[[連続写像]]となることを要求する(文献によっては単位元についても、零項演算としてそれが{{仮リンク|閉包含写像|en|closed inclusion}}したがって{{仮リンク|余ファイブレーション|en|cofibration}}となることを要求する。これもまた位相空間の圏での射の性質として言及できるものである)。
== 基本的な構成法 ==
62行目:
== 幾つかの基本定理 ==
* [[同型定理]]は、[[群 (数学)|群]]、[[環 (数学)|環]]、[[環上の加群|加群]]などに対する同型定理を包括するものである。
*
== 動機付けと応用 ==
68行目:
手法が一貫していることに加えて、普遍代数学は深い定理や重要な例や反例も与えてくれる。つまり、新しい代数のクラスを研究し始めるのに際して有力な枠組みを提供するのである。特定の代数のクラスに対して発明された方法を、普遍代数学における言葉で書いておいて、それぞれのクラスにおける言葉として解釈すれば、他の代数のクラスにも適用するということができる。概念的な分類ということも可能である(J.D.H. Smith が言ったように「特定の枠組みでは乱雑で複雑に見えることも、真に一般の立場から見れば単純なものとなる」)。
特に普遍代数学は[[モノイド]]や[[環 (数学)|環]]あるいは[[束 (
ヒギンズは {{harv|Higgins|1956}} において特定の代数系の範囲に対する枠組みをよく追及していたが、{{harv|Higgins|1963}} では部分的にのみ定義された演算を持つ代数についての議論(典型的にはそれが圏や亜群を成すこと)が特筆される。ここから{{仮リンク|高次元代数学|en|higher dimensional algebra}}の主題が生まれ、それは幾何学的な条件で定義された定義域を持つ部分演算をもつ代数理論の研究として定義することができる。これらの重要な例は様々な高次圏や高次亜群の形で存在する。
=== 圏論とオペラド ===
{{Further|圏論
こうした方法論をより一般に推し進めたものは[[圏論]]において効力を発揮する。普遍代数学において演算と公理のリストが与えられたとき、対応する代数とその間の準同型の全体は、それらを対象と射とする[[圏 (数学)|圏]]を成す。圏論は普遍代数学がカバーしていない多くの状況にまで適用できて、さまざまな定理がその範囲を拡張される。逆に、普遍代数学において成立する多くの定理がすべて圏論におけるものへ一般化されるわけでもない。従って、それぞれの分野はそれぞれに有効である。
より演算を一般化した圏論の近年の発展は、
== 歴史 ==
96行目:
* {{仮リンク|グラフ代数|en|Graph algebra}}
* [[準同型]]
* [[束 (束論)|束論]]
* {{仮リンク|指標 (論理学)|en|Signature (logic)|label=算号}}
* {{仮リンク|項代数|en|Term algebra}}
*
* {{仮リンク|クローン (代数学)|en|Clone (algebra)}}
* {{仮リンク|普遍代数幾何学|en|Universal algebraic geometry}}
119行目:
* Hobby, David, and Ralph McKenzie, 1988. ''[http://www.ams.org/online_bks/conm76 The Structure of Finite Algebras]'' American Mathematical Society. ISBN 0-8218-3400-2. ''Free online edition.''
* Jipsen, Peter, and Henry Rose, 1992. ''[http://www1.chapman.edu/~jipsen/JipsenRoseVoL.html Varieties of Lattices]'', Lecture Notes in Mathematics 1533. Springer Verlag. ISBN 0-387-56314-8. ''Free online edition''.
* Pigozzi, Don. [http://bigcheese.math.sc.edu/~mcnulty/alglatvar/pigozzinotes.pdf ''General Theory of Algebras'']{{リンク切れ|date=2017年10月 |bot=InternetArchiveBot }}.
* Smith, J.D.H., 1976. ''Mal'cev Varieties'', Springer-Verlag.
* [[Alfred North Whitehead|Whitehead, Alfred North]], 1898. ''[http://historical.library.cornell.edu/cgi-bin/cul.math/docviewer?did=01950001&seq=5 A Treatise on Universal Algebra]'', Cambridge. (''Mainly of historical interest.'')
126行目:
* [http://www.springer.com/birkhauser/mathematics/journal/12 ''Algebra Universalis'']—a journal dedicated to Universal Algebra.
{{Algebra}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ふへんたいすうかく}}
[[Category:普遍代数学|*]]
[[Category:圏論]]
[[Category:数学に関する記事]]
[[Category:オーガスタス・ド・モルガン]]
|