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{{出典の明記|date=2016年11月28日 (月) 04:19 (UTC)}}
'''ラシャ'''([[ポルトガル語]]:''raxa'')とは、[[毛織物]]の一種。日本へ入って来たのは[[南蛮貿易]]のころである。名称も当時のポルトガル語名称に由来する外来語であり、表記も音を漢字で表した「'''[[羅紗]]'''」を用いる場合もある。「[[羅]]」も「[[紗]]」も絹織物に関連する意味する漢字だが、羅紗自体は絹製品ではなく[[ウール]]製品である。なお、[[織物組織]]は[[平織]]、[[綾織]]、[[しゅす織り|繻子織]]などで、単一の組織による織物を指す名称ではない。
'''ラシャ'''([[ポルトガル語]]:''raxa'')とは、[[毛織物]]の一種。[[織物組織]]は[[平織]]、[[綾織]]、[[しゅす織り|繻子織]]などで、密に織ったものを十分縮絨(しゅくじゅう)させたのち、毛羽(けば)の先端を剪毛して仕上げる。このため表地からは組織の織目は見えない<ref name="増補版服飾大百科事典">増補版服飾大百科事典488頁。</ref>。
 
12世紀ころ[[セルビア]]の首都[[スタリ・ラス|ラサ]]で産したため、この名称で呼ばれ<ref name="増補版服飾大百科事典" />、[[南蛮貿易]]により日本へ渡来した。名称も当時のポルトガル語名称に由来する外来語であり、表記も音を漢字で表した「'''羅紗'''」を用いる場合もある。ただし、日本語のラシャは羊毛地の毛織物を指すが、ポルトガル語のraxaは木綿地を指すため違いが生じており、南蛮貿易で日本にもたらされた当時の生地が羊毛だったか木綿だったかは疑問が残されている<ref>{{Cite journal|和書|url=http://rp-kumakendai.pu-kumamoto.ac.jp/dspace/handle/123456789/1861 |author=馬場良二 |title=ポルトガル語からの外来語 |journal=国文研究 |publisher=熊本県立大学日本語日本文学会 |date=2008-05 |volume=53 |pages=120(1)-111(10) |naid=120006773363 }}</ref>。なお、「[[羅]]」も「[[紗]]」も絹織物に関連する意味を持つ漢字だが、羅紗自体は絹製品ではなく[[ウール]]製品である。
 
== 衣料のラシャ ==
{{出典の明記|section=1|date=2020年9月}}
ラシャは紡毛を密に織って起毛させた厚地の生地であり、とても丈夫で保温性も高いため、以下のような衣類の生地として用いられる。
 
*[[帽子]]
*[[羽織]]
*[[軍服]]([[軍服 (大日本帝国陸軍)]]などを参照)
*[[ズボン]]
*[[背広|スーツ]]([[大礼服]]、[[ブラックスーツ]]などを参照)
*[[外套]]
 
日本においては羽織や軍服への需要が多かったが時代の経過により減少傾向にある。ただし、乗馬ズボンや帽子などには引き続き利用されている。
 
かつては[[合羽]]もラシャで作られていた時期があったが見た目が豪華なために富裕な商人や医者が贅を競ったため、江戸幕府がこれを禁止した<ref>出典:[[合羽]](最終更新 2006年11月21日 (火) 21:39)</ref>こともある。また、しっかりと編みこまれたラシャは強い[[難燃性]]を示すため、火事羽織などにも利用された。19世紀のイギリスの消防士は厚い革帽子とラシャ地のジャケットに身を包んで消火活動にあたったほどである。<ref>[[動物繊維]](最終更新 2007年12月19日 (水) 14:44)より一部引用</ref>
 
厚手のこの生地を加工するために刃渡りの大きな[[はさみ|ラシャ切鋏]](洋裁鋏)が用いられる。
 
== ビリヤードのラシャ ==
{{see also|w:Baize}}
[[Image画像:Baize_and_ball.jpg|right|thumbサムネイル|100px|ラシャとボール]]
[[ビリヤード]]で利用されているラシャはクッション部分を除いてテーブル上面を1枚の大きな布で覆いつくし、適度な張りを持つように敷かれている。この「張り」と製品ごとのナイロン合成比率、毛羽立ち具合などによって「ボールが転がりやすい」「ボールの回転の影響が顕著に出る」などの「癖」として現れる。これらの癖はプレイに大なり小なりの影響を及ぼすため、上級者はこれらのコンディションを素早く読み、自分のプレイをコンディションに対応させて調整する能力が求められる。
 
前述の通り、ビリヤードで利用されているラシャは1枚の布であるという性質上、咥えタバコから落ちた火種やジャンプボールやマッセの失敗などでラシャに穴を開けてしまうとすべて剥がして張り直しとなってしまう。ラシャの張り直しにはビリヤードテーブルを部分的に解体する必要があるため工事費も高く、張り直している間は一時的に顧客がプレイ不可能なるなどして[[撞球場|ビリヤード場]]の経営に大きな負担を掛けてしまうことがある。そのため、そのような行為に対して禁止している旨を記述したポスターを貼るなどし、顧客に注意を促している店舗がある。
 
また、ビリヤード場によっては「ブレイクマット」(通称、[[座布団]])と呼ばれる小さなラシャの切れ端が用意されていることがある。これはスピードがあるブレイクショット(時速40km以上に達することもある)により、ナイロンが摩擦で溶けるのを防ぐとともに、ミスショットの際にキュー先でラシャを傷つけないようにするための小道具である。
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*関連メーカー
**[[日本毛織]]
**[[イワン]]{{要曖昧さ回避|date=2017年10月}}
**[[ハリウッド]]
 
=== ラシャの色 ===
日本において「ビリヤード」と言えば主にポケットビリヤードが連想されることもあり、ポケットビリヤードで概ね利用されているブルーグリーンのラシャはビリヤードを象徴する色のひとつとして「[[ビリヤードグリーン]]」という[[JIS慣用色名]]が付与されている。このビリヤードグリーンという色は[[色彩心理学]]においては「精神を静めて集中力を高める色」と言われるためメンタルスポーツとされるビリヤードに向いているとも取れるが、健康面からの解釈では「心をかき乱し、胃腸を衰弱させる色」とも言われるため、手放しでは喜べない色であるとも言える。
 
ビリヤードで利用されているラシャはブルーグリーンに限らず各種多様な色が用意されており、店舗の雰囲気に合せて選択できるようになっている。プレイヤーはチョーク汚れを目立たせないよう、ラシャの色に近い色をしたチョークを利用することがマナーである。
 
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**ブルーグリーン
**ブルー
 
また、日本において「ビリヤード」と言えば主にポケットビリヤードが連想されることもあり、ポケットビリヤードで概ね利用されているブルーグリーンのラシャはビリヤードを象徴する色のひとつとして「[[ビリヤードグリーン]]」という[[JIS慣用色名]]が付与されている。このビリヤードグリーンという色は[[色彩心理学]]においては「精神を静めて集中力を高める色」と言わるためており、メンタルスポーツとされるビリヤードに向いているとも取れるが、健康面か考えの解釈では「心をかき乱し、胃腸を衰弱させる色」とも言わるため、手放しでは喜べな色であるとも言える。
 
== 麻雀のラシャ ==
{{節スタブ}}
[[麻雀牌]]を置いたり混ぜたりした際の音を吸収したり、麻雀牌に傷がつかないようにするために毛羽立ったラシャ製のマットが利用されることがある。ラシャ製のマットは個別の商品として用意されている他、[[炬燵]]で利用する天板の裏側がラシャ地となっているものがあり、これを代用品とすることも可能である。
 
{{stub|節}}
 
== 脚注 ==
<references />
 
== 参考文献 ==
*{{Citation|和書
| edition=増補
| title=服飾大百科
| volume=下
| year=1984
| publisher=[[文化出版局]]
}}
 
== 関連項目 ==
*[[画用紙#画用紙のいろいろ特徴|ラシャ紙]](厚く毛羽立った画用紙)
*[[聖ウルスラ#中世における影響|聖ウルスラ]](ラシャ製造業者たちの守護聖女)
*[[松本重太郎]](軍用羅紗の買占めで巨利を得た)
*[[ラシャ鋏]]
*[[羅紗緬]]
 
== 外部リンク ==
*[http://www.city.sendai.jp/kyouiku/museum/syuuzou/04_fukushou/index.html#04a1 山形文様陣羽織]([[伊達政宗]]所用の陣羽織。[[仙台市博物館]]所蔵。)
 
{{DEFAULTSORTデフォルトソート:らし}}
[[Category:衣料毛織物]]
[[Category:ビリヤード]]
[[Category:麻雀]]