「三帝同盟」の版間の差分

'''三帝同盟'''（さんていどうめい、{{lang-de|'''Dreikaiserbund'''}} / 、{{lang-ru|'''Союз трёх императоров'''}}）は、[[19世紀]]に、[[ドイツ帝国]]が[[オーストリア＝ハンガリー帝国]]・および[[ロシア帝国]]との間に結んだ同盟。'''独墺露同盟'''ともいい、ドイツ[[首相]][[オットー・フォン・ビスマルク|ビスマルク]]の提唱により[[1873年]]に締結され、[[1882年]]締結の[[三国同盟 (1882年)|三国同盟]]（独墺伊同盟とも）、[[1887年]]の[[独露再保障条約]]と並ぶ[[ビスマルク体制]]の支柱であった。「三帝協定」などの訳語もある。

同盟国は[[ドイツ帝国|ドイツ]]・[[オーストリア＝ハンガリー帝国|オーストリア＝ハンガリー]]・[[ロシア帝国|ロシア]]の3カ国。[[フランス]]の包囲・孤立を目的として発足した。三国とも君主が[[皇帝]]を称していた（独の皇帝[[ヴィルヘルム1世 (ドイツ皇帝)|ヴィルヘルム1世]]・墺の皇帝[[フランツ・ヨーゼフ1世 (オーストリア皇帝)|フランツ・ヨーゼフ1世]]・露の皇帝[[アレクサンドル2世 (ロシア皇帝)|アレクサンドル2世]]）ことから。そのため'''三帝同盟'''と呼ばれる。しかしこの同盟は[[バルカン半島]]を巡る露墺間の対立から発足当初から足並みがそろわず、[[1878年]]の[[ベルリン会議 (1878年)|ベルリン会議]]を機に事実上解消され、[[1879年]]の[[独墺同盟]]（ロシアへの対抗を意味する）の成立に及んで独露関係は冷却した。

しかしその後、大国間の勢力均衡崩壊を恐れたビスマルクは[[1881年]]二国間の勢力調整をした上で再度三国間の'''三帝協商'''（「三帝同盟」とも）を発足させるが、そこでもロシア中心の[[汎スラヴ主義]]とオーストリア中心の[[汎ゲルマン主義]]の対立が消える事はなかった。[[1887年]]、[[大ブルガリア公国|ブルガリア]]の君主に親オーストリアと見られていた[[フェルディナンド1世ト (ブルガリア王)|フェルディナント]]が即位すると、三帝同盟はロシアの更新拒否により解消された。露仏接近を恐れたビスマルクは、同年[[独露再保障条約]]を締結し、この条約は[[1890年]]まで存続した。1890年、この条約の満期に当たり、ロシア側では更新を望んだが、ビスマルク引退後のドイツはこの更新を拒絶、まもなくロシアはフランスと[[露仏同盟]]を結ぶ。こうしてビスマルク体制は崩壊を始め、最終的に[[第一次世界大戦]]に至るのである。

[[Category:ドイツ帝国の条約]]

[[Category:ドイツオーストリア＝ハンガリー帝国の条約]]

[[Category:オーストリア＝ハンガリー帝国1873年の条約]]

[[Category:19世紀1873年のヨーロッパ史ドイツ]]

[[Category:1873年の法オーストリア＝ハンガリー]]