「大深度地下」の版間の差分

'''大深度地下'''（だいしんどちか）とは、[[2001年]]（[[平成]]13年）に施行された「[[大深度地下の公共的使用に関する特別措置法]]」（通称：大深度法）による地下利用の新概念。[[1980年代]]の[[バブル景気]]を頂点とした地価高騰時に考え出されたものであり、通常利用されることのない深度の地下空間を公共の用に利用できることとし、都市の形成に不可欠な都市[[トンネル]]や[[共同溝]]等の建設を促進させるために法制化された<ref name="mlit">[httphttps://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/crd_daisei_tk_000007.html 大深度地下とは]（国土交通省ウェブサイト、2013年8月27日閲覧）</ref>。

換気、災害時の安全性の確保など技術的な問題や建設コストの問題もあり、大深度地下を使用した事業は長く実施されなかったが、2000年代後半から大深度地下を使用した事業が具体化した。これまでに、[[神戸市]]の送水管敷設事業（2007年6月19日認可）と[[国土交通省]][[関東地方整備局]]と[[東日本高速道路]]・[[中日本高速道路]]が共同で事業を進めている[[東京外かく環状道路]]（[[関越自動車道|関越道]] - [[東名高速道路|東名高速]]間）（2014年3月28日認可）、[[東海旅客鉄道|JR東海]]が建設を進めている[[中央新幹線]]（[[東京都]] - [[名古屋市]]間）（2018年10月17日認可）、[[大阪府]]が進める[[一級河川]][[淀川|淀川水系]]水系[[寝屋川]]北部地下河川事業（2019年3月18日認可）の4事業について認可されている。

* 地下40m40&nbsp;m以深

* [[基礎杭]]の支持地盤上面から10m10&nbsp;m以深<ref name="mlit" />

大深度法の対象となる地域（首都圏、近畿圏、中部圏）における公共使用の場合は、原則として[[補償]]が不要。しかし、既存物件がある場合や実際に損失が発生した場合には、この限りではない<ref>[httphttps://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/crd_daisei_tk_000012.html 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法の概要（対象地域・認可の主な手続き）]（国土交通省ウェブサイト、2013年8月27日閲覧）</ref>。

* [[神戸市]]による送水管の敷設事業（神戸市[[中央区 (神戸市)|中央区]]）

** [[2007年]]（平成19年）[[6月19日]] - [[国土交通大臣]]より認可<ref>[https://www.city.kobe.lg.jp/a75879/bosai/prevention/water/06/07_01.html 大深度地下使用法の適用]（神戸市ウェブサイト、2013年8月27日閲覧）</ref>

* [[東京外かく環状道路]]（[[関越自動車道|関越道]] - [[東名高速道路|東名高速]]間）

** [[2009年]]（平成21年）[[4月27日]] - 整備計画区間格上げ（着工決定）<ref>[httphttps://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/crd_daisei_tk_000014.html 大深度地下使用法を適用した事例]（国土交通省ウェブサイト、2013年8月27日閲覧）</ref>

** [[2013年]]（平成25年）[[11月8日]] - 使用認可申請書を国土交通大臣に提出

**[[2014年]]（平成26年）[[3月28日]] - 国土交通大臣より認可<ref name="mlit20140328">{{citeCite web|和書|url=httphttps://www.mlit.go.jp/report/press/toshi02_hh_000037.html|title=東京外かく環状道路（関越～東名）の大深度地下の使用の認可について|date=2014-03-28|accessdate=2014-04-02|publisher=国土交通省都市局}}</ref>

* [[中央新幹線]]（[[東京都]] - [[名古屋市]]間）<ref name="tokai20130918">{{PDFlink|[httphttps://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000019526.pdf 中央新幹線（東京都・名古屋市間）環境影響評価準備書のあらまし]}}（東海旅客鉄道株式会社9月18日発表、同年11月11日閲覧）</ref>

** 2014年（平成26年）[[3月14日]] - 「事前の事業間調整」の開始<ref>{{Cite web|和書|url=https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/daishindo/jigyokanchosei/|title=中央新幹線（東京都・名古屋市間）における大深度地下の公共的使用に関する特別措置法に基づく「事前の事業間調整」の実施について|date=2014-03-14|accessdate=2015-04-30|publisher=東海旅客鉄道株式会社|format=PDF}}</ref>

** [[2018年]]（平成30年）[[10月17日]] - 国土交通大臣より認可<ref>{{Cite web|和書|url=httphttps://www.mlit.go.jp/common/001257585.pdf|title=中央新幹線品川・名古屋間建設工事の大深度地下の使用の認可について|date=2018-10-17|accessdate=2018-10-17|publisher=国土交通省都市局|format=PDF}}</ref>

* [[一級河川]][[淀川|淀川水系]]水系[[寝屋川]]北部地下河川事業<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/report/presscommon/toshi03_hh_000044001279510.htmlpdf|title=一級河川淀川水系寝屋川北部地下河川事業（寝屋川北部地下河川排水機場から鶴見立坑まで）の大深度地下の使用の認可について|date=2019-03-18|accessdate=20202021-1205-2920|publisher=国土交通省都市局}}</ref>

** 2018年（平成30年）[[2月28日]] - 大阪府知事が寝屋川北部地下河川排水機場から鶴見立坑までの3区間延べ2.2km2&nbsp;kmについて使用認可申請書を提出

** [[2019年]]（平成31年）[[3月18日]] - 国土交通大臣より認可

* [[中央本線]]別線（[[京葉線]]延伸：[[東京駅]] - [[三鷹駅]]）[[運輸政策審議会答申第18号]]より

* [[首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス|首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線]]延伸（[[秋葉原駅]] - 東京駅）<ref>[https://www.city.nagareyama.chiba.jp/life/1002088/1002089/1002091/1002093.html 首都圏新都市鉄道株式会社への要望活動]（流山市ウェブサイト、2020年12月21日閲覧）</ref>

* [[都心直結北陸新幹線]]延伸（[[京成押上線]][[押上敦賀駅]] - [[新東京駅]] - [[京急本線]][[泉岳寺大阪駅]]）<ref>{{Cite newsweb|和書|url=https://www.sankeijrtt.comgo.jp/economyproject/news/130531/ecn1305310036hokuriku-const-phrk-n1hyoukar0105.html |title=成田－羽田北陸新幹線（敦賀・新大阪間、）計画段階環境配慮書 |access-date=2023年3月1時間で直結日 |publisher=JRTT 成長戦略、官民で新鉄道・運輸機構 30年代半ば開業目指す|datepage=20132-05-31|accessdate=2013-08-27|newspaper=産経新聞5}}</ref>

[[2020年10]]（[[令和]]2年）10月18日に東京都[[東つつじケ丘 (調布市)|調布市東つつじケ丘]]2丁目の道路（{{ウィキ座標|35.657212|0|0|N|139.579710|0|0|E|name=調布市の陥没事故現場|region:JP_type:accident|10=座標}}）で陥没が生じ、東日本高速道路は現場付近の大深度地下（地下47m）47&nbsp;m）で行っている東京外かく環状道路のトンネル工事との関連を認めた<ref>[{{Cite web|和書|title=社説：大深度地下の工事 リスクの再点検が必要だ |url=https://mainichi.jp/articles/20201228/ddm/005/070/011000c 社説：大深度地下|website=毎日新聞 |access-date=2022-08-06 |language=ja |date=2020-12-28}}</ref>。その後関連の工事は中断していたが<ref>[https://diamond.jp/articles/-/277280 リスゼネコン業界が外環トンネル工事再開を切望する「2つの深い事情」 ダイヤモンドオンライン]</ref><ref>[http://tokyo-gaikan-project.com/news/detail.php?id=367 東京外かく環状道路　大泉本線(北行)・大泉JCT Fランプシールドトンネル保全措置実施のお知らせ 東京外環プロジェクト]</ref>、2022年2月に大泉ジャンクション付近の工事を再点検が必要だ開した<ref>{{Cite -web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58643490Y2A220C2CM0000/|title=外環道工事、一部差し止め 毎調布事故巡り東京地裁決定|publisher=日本経済新聞]|date=2022-03-01|accessdate=2022-08-19}}</ref>。

* [https://elawslaws.e-gov.go.jp/searchlaw/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=412AC0000000087 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法（平成十二年法律第八十七号）]法令データ提供システムe-Gov <!-- 平成二十九年六月二日公布（平成二十九年法律第四十五号）改正、2016年4月1日施行版を閲覧。-->