'''お笑い芸人による闇営業問題'''(おわらいげいにんによるやみえいぎょうもんだい)は、[[2019年]]((令和元年)6)6月に発覚した[[日本]]の[[お笑いタレント|お笑い芸人]]による闇営業に関する一連の事件である。
この問題では、[[吉本興業]]所属者<ref group="注">いわゆる「吉本興業所属のお笑いタレント」は[[吉本興業ホールディングス]](初代。2019年6月までは吉本興業株式会社)の子会社、吉本興業株式会社(2代。2019年6月までは[[よしもとクリエイティブ・エージェンシー]])に所属する形となっている</ref>を筆頭に中心とした多数のお笑い芸人が[[反社会的勢力]]の会合に参加し金銭を受領していた。また、一連の問題の背景として吉本興業のマネジメント体制の不備が報じられ、事件発覚後の対応も含め所属タレントからも吉本興業を中心とした[[芸能事務所]]に対する批判が多数生じることとなった。本来「闇営業」という言葉は事務所を通さない営業全てを意味し「反社会的組織を相手に営業を行う」という意図は含まれないが、本項における「闇営業」とは、[[芸能事務所]]に所属する[[芸能人]]が事務所を通さず反社会的勢力と[[営業]]を行うことを意味する(闇営業自体に「反社会的組織を相手に営業を行う」という意図は含まれない)。
== 問題の経緯 ==
=== 問題の発覚:入江慎也の解雇および芸能界引退と「フライデー」の報道 ===
2019年[[6月6日]]、[[カラテカ (お笑いコンビ)|カラテカ]]の[[入江慎也]]が所属する吉本興業を通さずに出演料を受け取る闇営業を[[振り込め詐欺]]グループとの間で行い、所属タレントを仲介していたとして同年[[6月4日]]付けで吉本興業から[[契約]]を解消されていたことが発覚し、入江は後に芸能界を引退した<ref name="daily2019/06/07">{{Cite news |title=カラテカ入江 吉本解雇…振り込め詐欺集団の忘年会仲介 コンビの今後は未定 |newspaper=デイリー |date=2019-06-07 |url=https://www.daily.co.jp/gossip/2019/06/07/0012403770.shtml |accessdate=2019-06-07}}</ref>。[[6月7日]]発売の写真週刊誌「[[FRIDAY (雑誌)|フライデー]]」が、振り込め詐欺グループの[[忘年会]]に入江のほかに[[雨上がり決死隊]]の[[宮迫博之]]、[[ロンドンブーツ1号2号]]の[[田村亮 (お笑い芸人)|田村亮]]などが参加していたことを報じた<ref>{{Cite news |title=「カラテカ」入江慎也が“犯罪集団”の闇営業で吉本興業を解雇|newspaper=フライデー |date=2019-06-07 |url=https://friday.kodansha.co.jp/article/51953|accessdate=2019-06-30}}</ref>。
問題となったのは、[[2014年]][[12月27日]]に[[東京都]]内のホテルで開かれた、詐欺グループに関わっていた人物が代表を務める忘年会である。会は、参加者数50人から60人、19時から2、3時間、ホテルの宴会場を貸切で行われた。そこに入江が宮迫、亮、[[レイザーラモンHG]]、[[ガリットチュウ]]の[[福島善成]]らに声をかけてともにゲストとして参加した。芸人たちは後半のサプライズゲストとして登場し、HGや福島はそれぞれネタを披露し、入江は司会、亮田村はトークを担当した。最後に宮迫が登場し、自身が参加した[[山口智充]]との音楽デュオ・[[ワンナイR&R|くず]]の「[[全てが僕の力になる!]]」を歌唱した<ref name="フライデー51918">{{Cite news |title=宮迫、カラテカ入江ら吉本芸人が詐欺グループの忘年会で「闇営業」|newspaper=フライデー |date=2019-06-07 |url=https://friday.kodansha.co.jp/article/51918|accessdate=2019-06-30}}</ref>。
当該の詐欺グループは、[[2013年]]末頃から高齢者に電話をかけて架空の会社の社債を購入させる手口で組織的に振り込め詐欺を働き、[[2015年]][[6月]]に[[警視庁]]から男女計40名が一斉に逮捕され、主犯格2人も同時に逮捕された。この詐欺グループによる被害総額は40億円を超えるとされる。入江とグループの幹部は忘年会の前からの知り合いで何度か飲み会を催し、逮捕される直前にはダミー会社の名前で入江のイベントのスポンサーになっていた{{R|フライデー51918}}。
この問題をスクープした「フライデー」は2019年5月下旬に宮迫に直撃取材を敢行した。宮迫は、忘年会に参加したことは認めたが詐欺グループの宴会だとは知らなかったと答え、金銭の受領も否定した。同誌は、入江の関与と犯罪組織の宴会に参加したことについての見解を聞くべく、吉本興業にも詳細な質問書を送り再三にわたり電話で問い合わせを行ったが、吉本側の対応は「無回答」だった{{R|フライデー51918}}。亮は、[[6月8日]]に[[Twitter]]で騒動を謝罪したが金銭の受領を否定し、詐欺グループの忘年会とは「知らなかった」と記した<ref>{{Cite news |title=ロンブー・田村亮が“闇営業”問題で謝罪 ギャラの受け取りは否定|newspaper=スポーツ報知 |date=2019-06-08 |url=https://hochi.news/articles/20190608-OHT1T50207.html|accessdate=2019-06-30}}</ref>。
同年[[6月10日]]には、上記とは別件で[[ピン芸人]]の[[楽しんご]]が頻繁に闇営業を行っていたとして、同年3月末に吉本興業から解雇されていたことが発覚した。ただし、楽しんごは入江とは違い、芸人の仲介はなく単独で行っていたものであり、また反社会的勢力との接点は確認できなかったが関係者には、「入江よりも悪質だった」と判断された<ref name="スポーツ報知20190611">{{Cite news |title=楽しんご「闇営業」で解雇されていた 3月末に吉本興業から処分|newspaper=スポーツ報知 |date=2019-06-11 |url=https://hochi.news/articles/20190611-OHT1T50026.html|accessdate=2019-06-30}}</ref>。
=== お笑い芸人の大量処分とさらなる問題の発覚 ===
吉本興業は発覚当初、芸人側が金銭を受け取っていたことは確認できないとした上で、会社に無断で営業活動を行ったとして厳重注意の処分としていた。だが、その後実施した聞き取り調査の結果、宮迫と亮を含む11名が宴会に参加し金銭を受領していたことが判明したとして、2019年[[6月24日]]に謹慎処分を下したことを発表した。
謹慎処分を受けたのは宮迫、亮田村のほか、[[レイザーラモンHG|HG]]、ガリットチュウの[[福島善成]]、[[くまだまさし]]、[[ザ・パンチ]]のパンチ浜崎、[[天津 (お笑いコンビ)|天津]]の[[木村卓寛]]、[[ムーディ勝山]]、[[2700 (お笑いコンビ)|2700]]の八十島宏行(現・八十島)と常道裕史(現・ツネ)、[[ストロベビー]]のディエゴで、11人は反社会的勢力が主催した宴会だったという認識はなかったとした<ref>{{Cite news |title=宮迫博之さんら11人謹慎処分 吉本興業 反社会勢力の会合参加で|newspaper=NHK NEWS WEB|date=2019-06-24 |url=https://web.archive.org/web/20190624071017/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190624/k10011966741000.html|accessdate=2019-06-30}}</ref>。
同日、[[ワタナベエンターテインメント]](以下ナベプロ)は所属お笑いコンビの[[ザブングル (お笑いコンビ)|ザブングル]]も、当該の宴会に参加していたことの確認がとれたと報告し、同コンビの謹慎処分を発表した。ナベプロはザブングルが7万5000円の出演料を受け取っていたことを発表し、この金銭についてはすでに[[税理士]]を通じて税務申告を修正した上で、しかるべき団体に支払うために警察関係者などを交えて支払先について協議していると公表した<ref name="ザブングル謹慎">{{Cite news |title=ザブングルの謹慎処分をワタナベエンターテインメントが発表|newspaper=お笑いナタリー|date=2019-06-24 |url=https://natalie.mu/owarai/news/336957|accessdate=2019-06-30}}</ref>。ザブングルは謹慎が決まった際、謹慎期間中にボランティア活動を通じて社会貢献したいと所属事務所のワタナベエンターテインメントに申し出て、事務所が活動先を探したところ100件に及ぶ問い合わせがあった。その中から[[熊本県]]の介護施設を選択し、2019年[[7月7日]]から約1か月間、介護資格がなくてもできる範囲内で介護ヘルパーのサポートなどを従事した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907040000730.html|title=ザブングル、ボランティアは熊本県の介護施設に決定|publisher=日刊スポーツ|date=2019-07-404|accessdate=2019-07-14|}}</ref>。
[[6月27日]]、吉本興業は[[スリムクラブ]]がを無期限謹慎処分にしたことと、前述の宴会への参加で当面の間の謹慎処分を受けていた2700の処分期間を、当面の間から無期限に延長することを発表した。2組は[[2016年]][[8月]]頃、モノマネ芸人のバンドー太郎を通じて反社会的勢力の人物が参加する飲食店オーナーの誕生日パーティへの出演を直接依頼され、出演の対価として一定の金額を受領していた。吉本興業の聞き取りに対して4人とも反社会的勢力が参加していたという認識はなかったと答えている<ref>{{Cite news |title=スリムクラブが謹慎処分に、吉本興業が決意表明|newspaper=お笑いナタリー|date=2019-06-27|url=https://natalie.mu/owarai/news/337324|accessdate=2019-06-30}}</ref><ref name="朝日新聞2019,06,27">{{Cite news |title=スリムクラブと2700、無期限謹慎処分に 吉本興業|newspaper=朝日新聞|date=2019-06-27|url=https://www.asahi.com/articles/ASM6W42B4M6WUCVL007.html|accessdate=2019-06-30}}</ref>。なお、吉本興業の発表では反社会的勢力の具体的な名前は控えられている一方、「フライデー」は[[暴力団#指定暴力団|指定暴力団]]「[[稲川会]]」の大幹部であると報じている<ref>{{Cite news |title=「スリムクラブ」無期限謹慎の真相は『稲川会幹部に闇営業』|newspaper=フライデー |date=2019-06-27|url=https://friday.kodansha.co.jp/article/54352|accessdate=2019-06-30}}</ref>。営業を仲介したバンドーは、[[スポーツニッポン]]の取材に対して、会合の主役だった暴力団幹部とは「面識がなかった」と関係性を否定し、「素性を知っていたら仕事は受けなかった。もらい事故のようなもの」と訴え、自身も被害者であることを強調した<ref>{{Cite news |title=スリム、2700 闇営業仲介人直撃「僕ももらい事故」バンドー太郎“被害者”強調 |newspaper=スポニチアネックス|date=2019-06-29|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/06/29/kiji/20190628s00041000449000c.html|accessdate=2019-06-30}}</ref>。バンドーは[[6月30日]]に都内で記者会見を開き、仲介役だったことを認め謝罪<ref>{{Cite news |title=仲介役認め、ものまね芸人・バンドー太郎さんが謝罪 スリムクラブら謹慎の問題|newspaper=スポニチアネックス|date=2019-06-30|url=https://mainichi.jp/articles/20190630/k00/00m/040/196000c|accessdate=2019-07-14}}</ref>。会合に出席した際の出演料は1組10万円ほどで、出演料の相場は芸人によって様々だが自身はフリーランスで活動していることから5〜10万円、それ以上の時もあると告白した。一方で、報道を受けて自身の仕事への影響についてフリーランスで活動していることから謹慎や解雇といったことはあるかと言われればないこともないが、仕事が減ることは考えられると述べ、実際に報道後、仕事の依頼が1、2本キャンセルになったと明かした<ref>{{Cite news|和書 |title=闇営業仲介バンドー太郎、出演料11組10万と明かす |newspaper=日刊スポーツ |date=2019-066-30 |url=https://www.msnnikkansports.com/ja-jpentertainment/news/entertainment/%E9%97%87%E5%96%B6%E6%A5%AD%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BC%E5%A4%AA%E9%83%8E%E3%80%8C%E8%AA%95%E7%94%9F%E4%BC%9A%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%8D/ar-AADDOI2#page=2201906300000966.html |accessdate=20192023-072-1421}}</ref>。なお、スポーツニッポンの取材に対する「もらい事故」発言については誤解を招く発言だったとして、「できれば、ご訂正をお願いしたい」と弁明した<ref>{{Cite news |title=バンドー太郎「誤解招く発言に」もらい事故説明波紋|newspaper=日刊スポーツ|date=2019-06-30|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201906300001026.html|accessdate=2019-07-14}}</ref>。
[[7月13日]]、吉本興業は謹慎処分を受けた13人が受け取っていた金銭並びに、13人が税務修正報告を行ったことを発表した。同時に[[7月12日]]付で[[特定非営利活動法人|NPO法人]]消費者スマイル基金、NPO法人[[消費者機構日本]]に各150万円を寄付したことと、宮迫、亮が自ら寄付先を選定し、7月13日までに[[社団法人|公益社団法人]]全国被害者支援ネットワークへ寄付を行ったと発表していた<ref name="オリコン2019,07,13">{{Cite news |title=吉本興業、税務修正申告と寄付報告 宮迫と亮は自身でも寄付行う 受領金額も公表|newspaper=オリコン |date=2019-07-13|url=https://www.oricon.co.jp/news/2140087/full/|accessdate=2019-07-14}}</ref>が、「寄付金が団体の理念にそぐわない」として、全国被害者支援ネットワークが2人からの寄付金の受領を辞退<ref>{{Cite web|和書|url=https://hochi.news/articles/20190725-OHT1T50335.html|title=宮迫と亮の寄付、断られていた…「全国被害者支援ネットワーク」が辞退|accessdate=2019年7月-07-26日|publisher=スポーツ報知(2019年7月26日作成)}}</ref>、消費者機構日本も後日発覚した[[吉本総合芸能学院|吉本総合芸能学院(NSC)]]での不祥事を理由として、8月5日に寄付金を返納したことを8月16日に発表した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.coj.gr.jp/outerzesei/topic_190808_01.html|title=吉本興業ホールディングス(株)からの寄付金について返納しました。|accessdate=2019年8月-08-17日|publisher=認定NPO法人消費者機構日本(2019年8月16日作成)}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201908160000829.html|title=吉本興業寄付の150万円、NPOは受け取り拒否|accessdate=2019年8月-08-17日|publisher=日刊スポーツ(2019年8月16日作成)}}</ref>。なお、税務修正報告を発表した同日にはHG、福島、くまだ、パンチ、木村、勝山、ディエゴの7人を8月中にも復帰させることを検討していることが明らかとなった。ただし宮迫、亮、スリムクラブ、2700の6人の復帰に関しては未定とした<ref>{{Cite news |title=吉本闇営業芸人 宮迫、亮ら6人以外の若手7人 来月にも復帰|newspaper=スポーツニッポン |date=2019-07-14|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/07/14/kiji/20190714s00041000165000c.html|accessdate=2019-07-14}}</ref>。
[[7月19日]]、吉本興業は当初は当面の間謹慎処分としていた宮迫に対して、所属の吉本興業とのマネジメント契約を解除する処分に変更したことを発表した<ref name="oricon20190719">{{Cite news |title= 吉本興業、宮迫博之との契約解消を正式発表 会見の予定は「ございません」 |newspaper=オリコン|date=2019-07-19|url=https://www.oricon.co.jp/news/2140486/full/|accessdate=2019-07-19}}</ref>。
翌[[7月20日]]、吉本興業の[[岡本昭彦]]社長には「会見したらやってもいいけど、全員連帯責任でクビするからな。それでもいいんだったら記者会見をやれ。俺にはお前ら全員クビにする力があるんだ」と言われていたが<ref>{{Cite web |和書|title=宮迫さん「社長に『会見したら全員連帯でクビ』と」:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/ASM7N4637M7NUCVL006.html |website=朝日新聞デジタル |accessdate=2022-02-24 |language=ja}}</ref>、亮と宮迫の2人は合同で同日15時より独自で記者会見を開いた。闇営業に関わっていた吉本興業所属者および過去の所属者による記者会見はこれが初めてだった<ref>{{Cite news |title= 雨上がり決死隊の宮迫博之、ロンブー田村亮が20日午後に会見へ。「お待たせしてしまい、申し訳ございません」 |newspaper=ハフポスト日本版|date=2019年7月20日12時55分|url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d32868ae4b0419fd32d3c13|accessdate=2019-07-22}}</ref>。この記者会見前の予告を見た吉本興業側では、亮はこの会見時点ではまだ吉本興業に所属していた立場にも関かかわらず、同社を通さずに無断で記者会見をしたことを問題視した上で処分内容を強化することとし、当面の間の謹慎処分していたのを、同日の記者会見直前に、前日の宮迫と同じようにマネジメント契約解消の処分に変更した<ref name="nikkan20190720">{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907200000337.html|title=ロンブー田村亮、“直会見”で吉本興業と契約解消|publisher=日刊スポーツ|date=2019-07-20|accessdate=2019-07-20|}}</ref>。なお、のちに処分は撤回されている。宮迫は会見の中で後輩芸人が受け取ったギャラは「お車代程度だろうと思い込み、“もらってないでいいだろん違うか”と入江くん君に言ってしまいました。他のメンバーにも“もらってないということで言うといてくれ”と入江くん君に指示を出しました。“会社にもそうい言っておいてくれ”と指示を出しました」と宮迫自身が入江や後輩に“もらってない”と指示したと明かした<ref>[https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/07/20/kiji/20190720s00041000282000c.html 宮迫、闇営業のギャラ 入江や後輩に「もらってないと指示した」]スポーツニッポン</ref>。
=== 謹慎処分の解除 ===
2019年[[8月9日]]、吉本興業はHG、福島、くまだ、パンチ、木村、勝山、スリムクラブ、ディエゴ、2700の謹慎処分を、[[8月19日]]をもって解除することを報告した<ref>{{Cite press release|和書|title=HG、福島善成、くまだまさし、パンチ浜崎、木村卓寛、ムーディ勝山、スリムクラブ、ディエゴ、2700に関するご報告 |publisher=吉本興業|date=2019-08-09|url=https://www.yoshimoto.co.jp/corp/news/media/media190809.html|accessdate=2019-08-09}}</ref>。ただし宮迫の処分期間は同日以降も継続中である。[[8月26日]]、ナベプロが、ザブングルが9月2日に放送される『[[高田文夫のラジオビバリー昼ズ]]』([[ニッポン放送]])への生出演を以て、芸能活動に復帰させることを発表<ref>[https://natalie.mu/owarai/news/345035 ザブングルが9月に復帰、最初の仕事は「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」]2019年8月26日 ナタリー</ref>。
[[2020年]]1月10日、吉本興業と亮田村の所属事務所でもある「株式会社LONDONBOOTS」は、亮田村の活動再開を発表した<ref>[https://natalie.mu/owarai/news/362719 ロンドンブーツ1号2号・田村亮が活動再開] お笑いナタリー 2020年1月10日</ref>。
== 処分 ==
| [[楽しんご]] ||別件のため未発表
|-
| [[宮迫博之]]([[雨上がり決死隊]]) || 当面の間、活動停止の謹慎<ref name="オリコン2138173">{{Cite news |title= 宮迫博之ら芸人11名、当面活動停止 吉本が謹慎発表 闇営業で「一定の金銭を受領していた」 |newspaper=オリコン|date=2019-06-27|url=https://www.oricon.co.jp/news/2138173/full/|accessdate=2019-06-30}}</ref>→契約解除{{R|oricon20190719}}→その後処分の撤回を検討したが白紙となり、そのまま2021年にコンビ解散<ref name="サンケイスポーツ20190722">{{Cite news |title= 吉本社長、宮迫&亮の処分撤回「いつの日か戻ってくる日があるのなら全力でサポートしたい」|newspaper=サンケイスポーツ|date=2019-07-22|url=https://www.sanspo.com/article/20190722-6IBDN7BBO5NNFN7IX2VURNWIYA/|accessdate=2019-07-22}}</ref>{{refnest|group="注"|解散まで契約解除のままだった<ref>{{Cite news |title= 宮迫博之 吉本と会談していた 契約解除後初 結論は先送り|newspaper=Sponichi Annex|date=2019-08-01|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/08/01/kiji/20190731s00041000440000c.html|accessdate=2019-11-21}}</ref>。}}|| 100万円{{R|オリコン2019,07,13}}
|-
| [[田村亮 (お笑い芸人)|田村亮]]([[ロンドンブーツ1号2号]])|| 当面の間、活動停止の謹慎→契約解除検討{{R|nikkan20190720}}→処分撤回{{R|サンケイスポーツ20190722}} →2020年1月10日まで活動停止の謹慎|| 50万円{{R|オリコン2019,07,13}}
吉本興業とナベプロの騒動に対する対応は、明暗を分ける結果となった。
2019年7月1日、ナベプロはザブングルの処遇について改めて発表した。マスコミに「ザブングルを吉本芸人と同列に報じないでほしい」とする要請を事務所が行ったことや、書面では反社会的勢力の被害者への配慮と事務所の責任にも言及した謝罪、具体的なコンプライアンス体制強化の提示、出演料や税申告に言及したザブングルに対する事務所の対応が記されており、その適切さを[[コラムニスト]]の[[木村隆志]]が「クライシス・コミュニケーション(危機管理広報)のお手本」と称した<ref name="toyokeizai290174">{{Cite web|和書|url=https://toyokeizai.net/articles/-/290174|title=ナベプロと吉本「闇営業対策」で明暗分けた大差|publisher=東洋経済|date=2019-07-202|accessdate=2019-07-14|}}</ref>。
一方で、吉本興業は[[6月24日]]に所属芸人11名の処分を発表したが受領金額、所得の申告、返金の姿勢、被害者への対応などに関する具体的な言及はなかった。加えてコンプライアンスへの取り組みに関しても同様に具体的な言及はなく、本人たちの謝罪コメントを一覧にして見せただけに留まった。6月27日、スリムクラブの無期限謹慎処分を発表した際に、コンプライアンスに対する今後の取り組みを「決意表明」したが、その宣言は木村曰く「内容として責められるところはない」が、騒動に対する具体的な内容がまたも言及されていなかった。[[6月28日]]、吉本興業ホールディングスの[[大崎﨑洋]]会長が[[共同通信]]のインタビューに答え、騒動を謝罪した。木村によれば、トップがコメントすることは「企業の姿勢を見せる」という意味で重要なものだが、吉本興業に求められているのはナベプロが見せたような「騒動の具体的な内容を明らかにし、謝罪先を明確にすること」であり、それを行わなかったことでイメージの回復が出来なかったと指摘した<ref name="toyokeizai290174"/>。
吉本興業では、事件発覚後同社側によって謝罪会見を一切実施していなかったが、宮迫と亮の会見を受けて、会社側の記者会見開始を予定した<ref name="サンケイスポーツ20190722" />。[[ダウンタウン (お笑いコンビ)|ダウンタウン]]の[[松本人志]]は、宮迫と亮の会見終了後、[[東野幸治]]と共に吉本興業本社を訪れ、大崎﨑会長に加え[[岡本昭彦]]吉本興業ホールディングス兼吉本興業社長などといった首脳陣と会談し、岡本社長が記者会見を開くように直談判したことを翌日放送のフジテレビ制作『[[ワイドナショー]]』<ref group="注">通常は収録放送であるが、上述の会見を受けて緊急の生放送に変更。</ref>で明らかにした。さらには、同問題の原因となったギャラや待遇改善、吉本内でトラブルや不祥事を起こしたタレントの救済措置を行う松本名義の部署を作ることを要求し、合意を得られたことも番組内で明かしている<ref name="サンケイスポーツ20190722" />。
[[7月22日]]に、吉本興業側による記者会見が行われた。一連の騒動について謝罪したうえで、登壇した岡本社長は宮迫、亮に対する処分の撤回と和解の意思を示し、また今回の騒動の引責として岡本社長および大崎﨑洋代表取締役会長の報酬を1年間50%減俸とすることを明言した<ref>[https://www.sankei.com/entertainmentsarticle/news20190722-EEQVUMAJEJMILA5VF3WXBNRG3E/190722/ent1907220004-n1.html 吉本興業会見 岡本社長が「処分を撤回する」 宮迫さんらに謝罪] - 産経ニュース 2019年7月22日</ref><ref>[https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907220000500.html 吉本、大崎会長と岡本社長が責任取り1年減俸50%]- 日刊スポーツ 2019年7月22日</ref>。その一方、社長が質問に対して明確な回答を行わないことも多く、会見自体が5時間30分と異例の長時間(途中10分休憩挿入)に及んだことから、記者側が質問に困る場面も見られた<ref>[https://www.oricon.co.jp/news/2140735/full/ 吉本興業の“5時間半会見”で考える… 「時間無制限」は得策なのか] ORICON NEWS 2019年7月23日</ref>。
この記者会見を受けて、吉本所属タレントを含む各芸能人から経営陣に多数の批判の声が上がる事態となった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907230000066.html|title=吉本芸人総ツッコミ、マツコらも…怒りの声/まとめ|accessdate=2019年7月-07-23日|publisher=日刊スポーツ(2019年7月-07-23日作成)}}</ref>。その中でも、[[加藤浩次]]は自身が司会を務める[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]制作『[[スッキリ (テレビ番組)|スッキリ]]』内で「これからもこの体制、今の社長、そして会長の体制が続くと思ったら、僕は吉本興業を辞めます」と発言し大きな波紋を呼び<ref group="注">その後、2021年3月9日、吉本は加藤とのエージェント契約を3月31日で終了することを発表し、翌4月から独立している(コンビ活動は継続)。</ref><ref>[https://www.oricon.co.jp/news/2140684/full/ 『スッキリ』阿部レポーター、加藤浩次の発言を岡本社長にぶつける「進退は?」] ORICON NEWS 2019年7月22日</ref>、後日大崎﨑会長との緊急会談を行う事態に至った。この闇営業問題により、吉本興業の東京・大阪本社を始め各地の劇場などにも苦情の電話やメールが殺到して業務に支障をきたしており、出演芸人側から抗議活動自粛のお願いも出ている<ref>[https://twitter.com/ChoChoHirocho/status/1153216850399879169 西村ヒロチョ(@ChoChoHirocho) 2019年7月22日分のツイート]</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sanspo.com/article/20190724-BRXZKOGAGNICND5ZYLSGBXYCAQ/|title=闇営業問題で吉本に苦情電話殺到|accessdate=2019年7月-07-25日|publisher=サンケイスポーツ(2019年7月24日作成)}}</ref>。
== 出演番組や各団体への影響 ==
宮迫が準レギュラーを務めている[[毎日放送]]制作『[[痛快!明石家電視台]]』では、謹慎処分発表当日である2019年[[6月24日]]放送分はすでに収録済みであり、毎日放送は謹慎処分発表直後に宮迫が未出演の回の再放送への差し替えを急遽決定し<ref name="日刊スポーツ,明石家松本">{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201906240000552.html|title=宮迫謹慎処分受け「痛快!明石家電視台」差し替え|publisher=日刊スポーツ|date=2019-06-24|accessdate=2019-07-14|}}</ref>、再放送の素材をデータサーバへの転送を正常に行ったが、当日に毎日放送局内で番組を管理する自動番組制御装置において、放送運行データが正常に切り替わらない不具合が発生したため、5分39秒の間当該回を放送し、事態に気づいた毎日放送局員がシステムの手動操作により再放送へ切り替え、毎日放送はこの放送トラブルを[[放送事故]]とした<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201906250000571.html|title=毎日放送が謝罪「明石家電視台」宮迫出演分流す事故|publisher=日刊スポーツ|date=2019-06-25|accessdate=2019-07-14|}}</ref><ref name="デイリー,明石家">{{Cite web|和書|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2019/06/25/0012458424.shtml|title=MBS、明石家電視台の放送事故を謝罪 謹慎処分の宮迫が冒頭出演、途中で切り替わる|publisher=デイリースポーツ|date=2019-06-25|accessdate=2019-08-04|}}</ref>。毎日放送は放送終了直後に機器メーカー立会いのもと原因の調査を行った。毎日放送は翌6月25日にトラブルの原因がデータサーバと自動番組制御装置の放送運行データがそれぞれ異なっていたことを明らかにしたと同時に、この放送事故に関して謝罪した<ref name="デイリー,明石家" />。6月24日放送分は、再編集を行った上で[[7月8日]]に改めて放送した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907010000691.html|title=宮迫博之、田村亮出演の在阪番組、放送内容を変更|publisher=日刊スポーツ|date=2019-07-01|accessdate=2019-07-14|}}</ref>。
週替わりの司会も務めていた日本テレビ制作の『[[行列のできる法律相談所]]』は[[7月7日]]、[[7月14日]]放送分は収録済みであったが、出演部分に可能な限り配慮し放送<ref name="日刊スポーツ,宮迫番組">{{Cite news |title= 宮迫博之 主な出演番組と各局の対応/一覧|newspaper=日刊スポーツ|date=2019-06-25 |url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201906250000054.html|accessdate=2019-06-30}}</ref>。[[7月19日]]に降板が発表された<ref>{{Cite press release|和書|title=宮迫博之、日テレ「行列」も降板、収録分は「配慮」|publisher=日刊スポーツ|date=2019-07-19|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907190000662.html|accessdate=2019-07-23}}</ref>。<!--[[6月29日]]には番組を降板する方向であることが分かった。後任は[[千原ジュニア]]<ref>{{Cite news |title= 宮迫「行列」降板へ 代役は千原ジュニア 闇営業に不倫騒動…テレビ復帰自体絶望的|newspaper=デイリー|date=2019-06-30 |url=https://www.daily.co.jp/gossip/2019/06/30/0012472452.shtml|accessdate=2019-06-30}}</ref>。-->[[TBSテレビ]]制作『[[炎の体育会TV]]』{{R|日刊スポーツ,宮迫番組}}、[[テレビ朝日]]制作『[[雨上がり決死隊のトーク番組アメトーーク!]]』<ref>{{Cite news |title= 『アメトーーク!』、宮迫博之の出演シーンをカットし放送|newspaper=ハフポスト|date=2019-06-28 |url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/ametalk-miyasako-uchurana_jp_5d15c183e4b07f6ca57b32df|accessdate=2019-06-30}}</ref><ref group="注">こちらは出演シーンカットのほか、毎年夏に放送されていた「高校野球大好き芸人」企画の収録・放送が見送られている(企画そのものは2021年に復活した)。</ref>、[[フジテレビジョン|フジテレビ]]制作『[[世界の何だコレ!?ミステリー]]』(7月初旬放送分まで収録済み){{R|日刊スポーツ,宮迫番組}}は宮迫の出演シーンを編集でカットして放送。[[関西テレビ放送]]制作『[[フォトぶら|雨上がりのフォトぶら♪]]』は、謹慎処分発表を受けて6月29日の放送を中止し『[[もしもツアーズ]]』(フジテレビ制作)に差し替えとなり<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/06/26/kiji/20190626s00041000074000c.html|title=謹慎処分の芸人出演番組 続々差し替え、再編集|publisher=スポニチアネックス|date=2019-06-26|accessdate=2019-06-28|}}</ref>、翌週の[[7月6日]]からはタイトルを「フォトぶら」に改題し、2020年3月28日まで放送された。[[朝日放送テレビ]]制作の『[[松本家の休日]]』は、謹慎処分発表を受けて6月30日(6月29日深夜)の放送を中止して『[[家事ヤロウ!!!]]』(テレビ朝日制作)に差し替え<ref name="日刊スポーツ,明石家松本" /><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2019/06/28/0012468067.shtml|title=「松本家の休日」は放送続行 宮迫が松本人志の夫「おとうちゃん」役|accessdate=2019年7月-07-26日|publisher=デイリースポーツ(2019年6月28日作成)}}</ref>、7月7日(7月6日深夜)放送分は宮迫の代役に[[宮川大輔 (タレント)|宮川大輔]]が出演した上で、最初から撮り直して放送した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907040000894.html|title=宮迫博之謹慎「松本家の休日」父不在で宮川大輔出演|publisher=日刊スポーツ|date=2019-07-04|accessdate=2019-07-14|}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2019/06/30/0012472902.shtml|title=宮迫抜きで「松本家の休日」撮り直していた 松本人志「宮迫抜きでもう1回収録」|publisher=デイリースポーツ|date=2019-06-30|accessdate=2019-07-14|}}</ref>。朝日放送テレビの山本晋也社長と大島尚制作担当取締役は、7月17日に行われた定例記者会見において宮迫の出演を当面見合わせた上で、7月28日(7月27日深夜)放送分から「新たな流れとなるのでお楽しみに」とコメントし、宮迫の正式な代役を立てることを発表<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907170001223.html|title=宮迫「松本家の休日」出演見合わせ ABC社長説明|publisher=日刊スポーツ|date=2019-07-17|accessdate=2019-07-19|}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/07/17/kiji/20190717s00041000255000c.html|title=ABC幹部 謹慎中の宮迫について言及 「松本家の休日」に出演「流れ上、どうなるかはお楽しみに、です」|publisher=スポーツニッポン|date=2019-07-17|accessdate=2019-07-19|}}</ref>。同日放送にて宮迫の相方である[[蛍原徹]]が務めることになった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/07/28/kiji/20190727s00041000289000c.html|title=松本家の休日、お父ちゃん・宮迫の代役は蛍原徹!|accessdate=2019年7月-07-28日|publisher=スポーツニッポン(2019年7月-07-28日作成)}}</ref>。
謹慎中の宮迫がレギュラー出演していた番組に、先輩タレントがゲスト出演する事例も現れている。2019年[[12月28日]]放送の『[[ワイドナショー]]』でこの件に触れ、「ノーギャラで僕ができることがあったら、テレビに出ます」と有言実行したことを[[東野幸治]]は称賛、これについて[[松本人志]]が「宮迫のためにやってるんじゃなくて。テレビ局のみなさんに、すごく迷惑かけたんですよ。もう宮迫の番組を収録してるにもかかわらず、宮迫を謹慎させることある程度わかってたのに、(吉本が)収録させてた部分があったんですよ」「それは違うだろうと。吉本がもうちょっと誠意見せないといけないから」と当時の状況を説明した<ref>{{Cite pressnews|和書 release|title=松本人志、タイガーマスクとして謹慎芸人に「お金を渡していた」 |publishernewspaper=オリコンORICON NEWS |date=2019-12-28 |access-date=2023-2-21 |url=https://www.oricon.co.jp/news/2152232/full/|accessdate=2019-12-28}}</ref>。
亮が出演している[[テレビ朝日]]制作の『[[ロンドンハーツ]]』は、収録済みの放送については亮の出演シーンをカットし再編集して放送された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201906250000374.html|title=テレ朝「ロンハー」田村亮出演部分を再編集して放送|publisher=日刊スポーツ|date=2019-06-25|accessdate=2019-06-28|}}</ref>。関西テレビ放送製作の『[[おかべろ]]』では、7月6日の放送分は亮の相方の[[田村淳]]が、13日の放送を[[陣内智則]]が、20日の放送分は[[麒麟 (お笑いコンビ)|麒麟]]の[[川島明]]が代役を務め、それ以降も吉本所属タレントが代役を務めていたが、同年12月7日放送分から[[NON STYLE]]の[[石田明]]が2代目MCに就任することが決まった。[[日本放送協会|NHK]]の[[NHK BS1|BS1]]にて放送している『[[ラン×スマ|ラン×スマ 街の風になれ]]』は8月28日放送分まではアナウンサーが代役を務め、それ以降の放送は未定であることを広報局が発表している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907200000580.html|title=田村亮司会NHKランスマ番組継続 吉本と契約解除|accessdate=2019年7月-07-23日|publisher=日刊スポーツ(2019年7月20日作成)}}</ref>。なお、毎年年末に放送される『[[クイズ☆正解は一年後]]』は事前収録された出題パートに亮が出演していたため、生放送となる回答パートでは使用することができず、静止画での対応となった。
2700が金曜レギュラーとして出演していた[[東京メトロポリタンテレビジョン|TOKYO MX]]『[[アイドルゾーン20時]]』では、6月24日週をもっての番組終了が決定した<ref>{{Cite web|和書|title=アイドルゾーン20時 |バラエティ・情報|TOKYO MX|url=https://s.mxtv.jp/variety/idolzone20/|website=TOKYO MX * オンライン|accessdate=2019-08-17|language=ja}}</ref>。残りの週は月-木レギュラーの[[全力じじぃ]]が金曜も担当。YouTube・TOKYO MXチャンネルでのアーカイブは金曜分のみすべて削除された。
スリムクラブの真栄田が出演していた『[[探偵!ナイトスクープ]]』は、謹慎処分後に出演者紹介から名前と写真が削除された。真栄田は2019年8月19日に処分が解除され芸能活動を再開したが、2019年9月に行われた朝日放送テレビによる番組改編に関する記者会見では真栄田の出演は当面見合わせると発表している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201909190000365.html|title=スリムクラブ真栄田のナイトスクープ復帰は見送り|website=日刊スポーツ|publisher=日刊スポーツ新聞社|date=2019-09-19|accessdate=2019-10-06}}</ref>。その後、2020年4月10日放送分(同3月13日収録)から復帰している<ref>{{cite news|url=https://www.sanspo.com/article/20200313-3ENUW3MKLNKODFWOMQNR42AN2I/|title=スリムクラブ真栄田、約10カ月ぶりに「探偵!ナイトスクープ」復帰|newspaper=sanspo.com(サンケイスポーツ)|publisher=産経デジタル|date=2020-03-13|accessdate=2020-3-14}}</ref>。
この問題の発覚直後から、主に[[都市銀行]]や[[消費者金融]]を中心に該当芸人がレギュラー出演している各番組への[[コマーシャルメッセージ|CM]]出稿自粛が相次ぎ<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/256374|title=宮迫「アメトーク!」優良スポンサーCM消滅危機で崖っぷち|accessdate=2019年7月6日-07-06|publisher=日刊ゲンダイ(2019年6月19日作成)}}</ref>、謹慎処分を発表した6月24日以降はほぼ全ての提供スポンサーがCM出稿を取り止めた為、その代替として[[ACジャパン]]のCMが連続して放映される番組が発生する事態となった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2019/06/26/0012460627.shtml|title=「ロンハー」ACジャパンCMが7連発…亮は画面から消えるも|accessdate=2019年7月6日-07-06|publisher=デイリースポーツ(2019年6月26日作成)}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tokyo-sports.co.jp/entamearticles/news/1451448-/147168|title=「アメトーーク!」スポンサーCMほぼ消滅 番組提供社の紹介なし|accessdate=2019年7月6日-07-06|publisher=東京スポーツ(2019年6月28日作成)}}</ref>(後に一部スポンサーは復帰するも、現段階<!--2019年8月時点-->では全社PT扱い)。また、番組によっては当該芸人が出演する番組(通常編成または特番)の放送時は提供クレジット自粛やCM出稿を取り止め、出演しない番組(特番または通常編成)放送時は通常通りの番組もある。
この問題は政界にも波及し、2017年に「住みます芸人」活動で吉本興業と包括連携協定を結んでいる[[大阪府]][[大阪市]]の[[松井一郎]][[大阪市長|市長]]([[日本維新の会 (2016-)|日本維新の会]]・代表)が「大阪の皆さんを笑顔にさせる会社なのに、イメージがガラッと変わったと捉えられている。芸人さんがイベントに出席しても市民が素直に笑えない」と苦言を呈す一方で、同社との協定は引き続き継続する意思を示している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASM7R4VMCM7RUTFK00G.html|title=吉本に政界からも批判続々「イメージ変わり、笑えない」|accessdate=2019年7月-07-24日|publisher=朝日新聞(2019年7月23日作成)|archive-url=https://web.archive.org/web/20190723103922/https://www.asahi.com/articles/ASM7R4VMCM7RUTFK00G.html |archive-date=2019-07-23 |url-status=dead |url-status-date=2024-09-24}}</ref>。さらに、[[内閣府特命担当大臣]]([[クールジャパン|クールジャパン戦略]])の[[平井卓也]][[日本の国会議員#衆議院議員|衆議院議員]]([[自由民主党 (日本)|自由民主党]])は吉本興業と[[日本電信電話|NTT]]が行っている事業に[[官民ファンド]]の[[海外需要開拓支援機構|クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)]]が資金を出資していることについて<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44016400R20C19A4TJC000/|title=NTTと吉本興業、教育動画配信で新会社 世界展開も|accessdate=2019年8月-08-17日|publisher=日本経済新聞(2019年4月21日作成)}}</ref>、「吉本興業はクールジャパンのコンテンツ制作者として非常に有力な企業の一つである」とし、「法令順守の徹底や説明責任を期待せざるを得ない」と述べた<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20190723150102/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019072300998&g=pol|title=吉本「反社」問題、閣僚から批判=公費拠出で「説明を」|accessdate=2019年7月-07-24日|publisher=時事通信(2019年7月23日作成)}}</ref>。
== 問題の背景 ==
=== 金銭的問題 ===
そもそもの前提として、吉本興業と芸人の関係とそれに伴う金銭的やり取りを考慮する必要がある。吉本とタレントの間には[[雇用契約]]は結ばれていないうえ、芸人の収入は歩合制(報酬)となっている。そのため、[[所得税法]]上は「給与」ではなくタレント一人ひとりが「[[個人事業主]]」であり、吉本からは事業収入(報酬)を受け取っていると解釈される。これは吉本も含め、タレント自身の芸能活動のマネジメントの一切を芸能プロダクションに「[[委任]]」する「[[専属マネジメント契約]]」という形態を取るのが通常で、かつ芸能プロダクション側からすれば業務委託されているだけの存在であり、芸能プロダクションとして「[[雇用]]」しているわけではないからである<ref group="注">すべてのタレントが専属マネジメント契約を行っているわけではなく、大手芸能事務所では[[ホリプロ]]やワタナベエンターテインメントなど、一部の芸能プロダクションは雇用した上での給与制を採っている。また、[[チャド・マレーン]]のチャドは、年収200万円以下では[[在留資格|興行ビザ]]更新が困難になるため、例外的に吉本興業と雇用契約を結んでいる。</ref>。
=== ギャランティの過少さ ===
ライターの[[松谷創一郎]]も、吉本興業に所属するお笑い芸人による闇営業を生んだ構造的問題を指摘している。吉本興業とその関連会社では、所属タレントがよくネタにするように、給料が安いことで知られている。売れていない芸人は本業だけでは食べていけず、[[アルバイト]]などを余儀なくされる<ref name="松谷yahoo">{{Cite web|和書|url=https://news.yahoo.co.jp/bylineexpert/soichiromatsutani/20190626-00131644articles/6175dae5decd6be1aa856c2ecc22af0b24af0515|title=吉本芸人の「闇営業」を生んだ構造的問題──果たして責任はタレントだけにあるのか?|publisher=Yahoo!ニュース|date=2019-06-26|accessdate=2019-06-28|}}</ref>。入江の解雇が発表された翌[[6月7日]]、同じ吉本所属芸人でもある[[キートン (お笑い芸人)|キートン]]が自身の[[Twitter]]で、「ちゃんとしたギャラが振り込まれたら、闇営業なんて行かねーよな」と語り、続けて「仕事は入れない、自分で取ってきた仕事に色々言われる、生活できない、そんな吉本芸人は山ほどいる」と吉本に所属する芸人たちの実情を明かし、「そこに闇営業の話がきたら、心が揺らぐわな」と私見を述べた<ref>{{Cite web|和書|url=https://sirabee.com/2019/06/07/20162096075/|title=キートン、「芸人が闇営業してしまう事情」を吐露 発言に賛否の声|publisher=しらべぇ|date=2019-06-707|accessdate=2019-06-28|}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201906070000299.html|title=キートンが明かす、芸人らが“闇営業”する理由とは|publisher=日刊スポーツ|date=2019-06-707|accessdate=2019-06-28|}}</ref>。また、闇営業の発端でもある吉本興業は芸能事務所の中で最も多くの芸人が所属している上、NSC生やオーディションを合わせて毎年2000人以上の新人芸人が加入し、その中で芸人として生活できるのは数人程度であるため、売れるチャンスは極端に少ない。そのため、アルバイトをしている芸人は多く、20年以上アルバイトで生計を立てている芸人や借金を抱えている芸人も数多くいる。
[[ビートたけし]]は「闇営業をしなきゃ食えないような状態にする事務所もおかしいと思う。最低限の金銭補償くらいすればいいなと思うんだけれど」と吉本興業の経営方針を激しい口調で苦言を呈した<ref>{{Cite webnews|url=https://times.abema.tv/articles/-/7008593和書 |title=ビートたけし・明石家さんま、芸人らの“闇営業問題”に初言及 田村淳も持論を展開 |publishernewspaper=アメバタイムス[[ABEMA TIMES]] |date=2019-0610-3024 |accessdateurl=2019https://times.abema.tv/articles/-06/7008593/ |access-30date=2023-2-21}}</ref>。[[明石家さんま]]は吉本興業がギャラさえ上げれば、闇営業に行かなくて済むと指摘している。さんまは、過去に後輩芸人から会社にギャラを上げるように掛け合って欲しいとお願いされ、実際に当時の社長に進言したことがあると明かしている。なお、さんまはこの騒動について、過去に入江に貴重なサッカーグッズを手に入れてもらうなど世話になっていたため、入江からお願いされたら自分も闇営業に参加していたかもしれないと複雑な胸中を明かしている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.oricon.co.jp/news/2138917/full/|title=さんま、闇営業問題で言及「ギャラをね…」 松本人志「何か寂しいなと」 |publisher=オリコン|date=2019-06-30|accessdate=2019-06-30}}</ref>。[[トレンディエンジェル]]の[[斎藤司 (お笑い芸人)|齋藤司]]も闇営業のギャラを齋藤ら自身のギャラと比較した際、「僕らが普段、ちゃんと会社を通してもらってる営業より(闇営業のほうが)額は高い」と現実的な意見を述べた。その上で、「10分ネタをやってその額をもらえるとなったら、もし万が一仕事がなかったら行くっていう気持ちもわからないではない」と複雑な心境を示した<ref>{{Cite web | url=https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12265-325371/#article|和書 |title=トレエン・斎藤司、闇営業11人55万円「ちゃんと会社を通してもらってる営業より額は高い」 |publishernewspaper=@niftyニュー[[スポーツ報知]] |date=2019-077-011 |accessdateurl=2019https://hochi.news/articles/20190701-OHT1T50142.html?page=1 |access-date=2023-072-0521}}</ref>。
=== 事務所と芸人の配分問題 ===
[[FUJIWARA]]の[[藤本敏史]]も給料の低さが問題の原因という世論の指摘に対しては「一理ある」と理解を示したものの、この時のコメントはギャラの割合の不平等感を指摘しており、藤本自身も過去に芸人数組が集まって同社社長にギャラについて直談判したが、のらりくらり交わされ結局上がらなかったと明かしている<ref>{{Cite webnews|url=https://times.abema.tv/articles/-/7008592和書 |title=「若手が可哀そう」フジモン、闇営業問題でギャラ直談判の過去明かす 「社長に話したが“のらりくらり”かわされた」 |publishernewspaper=アメバタイムスABEMA TIMES |date=2019-0610-3024 |accessdateurl=2019https://times.abema.tv/articles/-/7008592/ |access-date=2023-062-23021}}</ref>。
岡本社長は前出の会見で吉本興業とタレントのギャラ配分は「(およその平均値で)5:5から6:4である」と主張しているが<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907220000747.html|title=岡本社長「ギャラ折半」発言に吉本芸人が相次ぎ反論|accessdate=2019年7月-07-25日|publisher=日刊スポーツ(2019年7月22日作成)}}</ref>、[[ピース (お笑いコンビ)|ピース]]の[[綾部祐二]]は日本テレビ系列『[[ナカイの窓]]』(2014年11月26日放送分)に出演した際に、ギャラの取り分はタレントと事務所側でおよそ1:9の配分だと明かしている<ref name="松谷yahoo" />。
イベント構成等を手掛ける競馬評論家の[[須田鷹雄]]も自身のツイッターで、「一番違和感があるのは実は川下でタレントが貰ってるギャラの額」「クライアントはみんな、『タレントの手取りそんなもんなの⁉!?』って思ってるはず。」<ref>https://twitter.com/ {{Twitter status2|sudatakaoshoten/status/|1145713232906051584|4=須田鷹雄、2019年7月2日のツイート}}</ref>として、事務所の取り分が多いのではないかと指摘した。
==== 金銭的問題を指摘することに対する批判 ====
一方で、[[上沼恵美子]]も生活していけないから闇営業に行くとの考えを「芸人さんのわがままやと思うし、あんたの力がないからや」と一蹴している。吉本では歩合制である関係上、仕事量によって収入が変化するため、収入に個人差が生じる傾向にある。また、在阪局を中心に吉本興業関連のテレビ番組が多いこともあり、吉本興業に所属する芸人は、特に近畿広域圏では他事務所所属芸人より多く仕事が回ってくる機会があるため、他の事務所より本業で収入を得られる機会が多いと指摘した。上沼自身も、コンビ結成時代はあまり売れず収入は全く得られなかった。しかし、それに対して事務所を批判したりはせず、大阪の片隅で努力を重ねた結果、今の自分があると語った。そのため上沼は、「(仕事がないことを理由に闇営業を行うことを)事務所の責任にしちゃいかん」と、各芸人に対して厳しい言葉<ref>{{Cite web |和書| url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/07/07/kiji/20190707s00041000295000c.html| title=上沼恵美子 闇営業問題で持論「事務所の責任にしちゃいかん」 |publisher=スポニチアネックス|date=2019-07-07|accessdate=2019-07-14}}</ref>を投げかけ、芸人の収入面の問題を盾にして事務所側を批判する声については一石を投じている。
ギャラの見解については、吉本所属タレントでも意見が分かれており[[ゆにばーす]]の川瀬名人は(自身のメディア露出がほとんど無いにもかかわらず)7月の月収が37万円{{Efn2|概ねサラリーマンの平均月収に近い。}}だったことを明かしている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.oricon.co.jp/news/2140821/full/|title=ゆにばーす川瀬名人、7月給料は37万円超「吉本興業感謝」 ギャラ不満芸人に皮肉|publisher=オリコン|date=2019-07-24|accessdate=2019-08-30}}</ref>。
=== タレントマネジメント体制の不備 ===
吉本興業側では、慢性的にタレントの総数が[[マネージャー]]の総数を大きく上回った状態であるため、中堅タレントでもマネージャーが複数を掛け持ちしていることも多い{{Efn2|前述のギャラと同様、タレントがネタにすることもあり、『アメトーーク!』では「マネージャーほったらかし芸人」というタイトルで実情を芸人側が吐露する企画が放送されたこともある(2011年2月25日放送)。}}。そのため、番組制作側と連絡が付きにくく、制作側とタレントが直接メールや電話でやり取りするケースもある{{R|松谷yahoo}}。このマネージャー不足は、2019年4月に[[労働基準監督署]]から是正勧告を受け、そこでは従業員の過重労働(労使協定に反する月50時間以上の残業)や休日勤務手当の未払いが問題視された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASM4H4J9SM4HUCVL01Y.html|title=吉本興業とアミューズに是正勧告 上限超える長時間労働|publisher=朝日新聞|date=2019-04-15|accessdate=2019-06-30}}</ref>。
それでも、吉本興業の芸人が一定の割合で活躍ができているのは芸人の自主性による部分が大きな理由とされており、さんまなどの様に吉本とは別に個人事務所を設けている所属者もいるほか<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201907270001295.html|title=明石家さんま「デマ」ショージら個人事務所所属否定|accessdate=2019年7月-07-28日|publisher=日刊スポーツ(2019年7月27日作成)}}</ref>、吉本とマネジメント契約を結んでいる人物であっても、中堅芸人によっては自ら仕事を作ったり取ってきたりすることがある。松谷は、今回の闇営業問題がまさにその自主性や芸人の努力に応えられない環境であるならば、吉本側のマネジメント体制の不備が引き起こしたとも言えると指摘する{{R|松谷yahoo}}。
吉本興業では2019年7月12日、所属タレントが依頼された仕事をすべて会社に報告することなどを定めた「共同確認書」を作成し、7月中に全所属タレントに署名させることを発表している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASM7D6DVTM7DUCLV00G.html|title=宮迫さん、詐欺集団の宴会で100万円 吉本闇営業問題|publisher=朝日新聞|date=2019-07-13|accessdate=2019-07-14}}</ref>。また、吉本興業が所属タレントとの間で書面による正式な所属契約書を手交していないことについて、[[公正取引委員会事務総長]]の[[山田昭典]]が2019年7月24日の定例記者会見の席にて「契約書面の不存在は、競争政策の観点から見て誠に問題があると考える」という認識を示している<ref>{{Cite news|title=吉本興業の契約書なし、「問題がある」公取委総長発言|newspaper=アサヒ・コム|date=2019-07-24|url=https://digitalwww.asahi.com/articles/ASM7S42RZM7SUTIL018.html|agency=朝日新聞社|accessdate=2019-07-24}}</ref>。
吉本興業の[[大崎﨑洋]]会長は2020年5月16日号の[[週刊現代]]のインタビューで、闇営業騒動は上場廃止を含めた現体制の方針を面白く思わない不満分子が仕掛けたお家騒動と述べ、「お家騒動で若い社員たち、経理、法務の人間が契約について考えるようになった。あのとき全部の芸人にアンケートを採ったんです。そうしたら9割以上なんで変える必要があるのっていう回答でした。それでも主たる芸人はもちろん6000人全員と最低限の所属確認書を交わしました。」、「(19年に大崎﨑から社長を引き継いだ)岡本君の(闇営業の当事者である宮迫博之らに対しテレビ局に圧力をかけて潰すという内容の)パワハラがあったという報道がありました。岡本君がどんなトーンで言ったかとは知らないですけど、前提として両者の間には信頼関係があったはず。その会話の一部分を切り取って外に喋るという人間は今までの吉本にはいなかった。そういう人は吉本にいてくれなくていいです。あの時マスコミが芸人が辞める、辞めないを決める権利があるという書き方をしてましたね。でも君はもういいから辞めなさい。(独立して)自分でやったほうがいいじゃないかと言える会社側の権利もあるはずなんです。言っておきたいのは、ぼくが吉本に入った42年前から、辞めたり離れたりする芸人さんの足を引っ張ったことない。」と述べた<ref>[[週刊現代]]2020年5月16日号、吉本興業会長・大﨑洋が独占告白「[[2019新型コロナウイルス|新型コロナ]]で芸人はどうなるのか」、いま芸能界を襲う巨大な試練について、[[田崎健太]]、148頁</ref>。
=== クールジャパン機構を通しての政府事業参加 ===
吉本興業が反社会的勢力との関わりに厳しい対応を見せた背景には、クールジャパン機構([[海外需要開拓支援機構]])を通して100億円規模の事業や、児童教育など政府プロジェクトへの参加が背景にあったとされている<ref>{{Cite news|和書 |title=吉本が芸人側と分裂してでも守りたかった政府との「蜜月」……クールジャパン機構の100億円融資もパァに⁉ |newspaper=exciteニュ[[日刊サイゾース]] |date=2019-077-22 |url=https://www.excitecyzo.co.jpcom/news2019/article/Cyzo_201907_post_21064807/|agency=株式会社サイゾーpost_210648_entry.html |accessdate=20192023-082-2421}}</ref>。クールジャパン機構設立の2014年当初から、吉本と[[電通]]が協力しエンターテインメント・コンテンツの創作・発信事業として10億円が投じられ、以降、2018年にも大阪城公園でのエンターテインメント発信事業として12億円の予算が組まれた<ref>{{Cite news|title=渦中の吉本興業に「クールジャパン」で巨額の税金が注ぎ込まれていた|newspaper=現代ビジネス|date=2019-07-27|url=https://gendai.ismedia.jpmedia/articles/-/66126|agency=講談社|accessdate=2019-08-24}}</ref>。そして、2019年には[[NTT]]と提携し、最大100億円を投じるプラットフォーム事業「Laugh & Peace_Mother(ラフ&ピースマザー)powered by NTT Group」<ref>{{Cite news|title=沖縄からアジアへ「教育コンテンツ」を配信 吉本興業とNTTグループが国産プラットフォーム事業|newspaper=Laugh & Peace_Mother(ラフ・アンド・ピース・マザー)|date=2019-04-21|url=https://web.archive.org/web/20190630083246/https://laughmaga.yoshimoto.co.jp/archives/11763|agency=吉本興業株式会社|accessdate=2019-08-24}}</ref>が開始された。このような巨額の公的資金が投入される政府事業への参加は、反社会的勢力との関わりだけでなく、企業としてのコンプライアンスが求められる形となった。一連の騒動は、各大臣が吉本興業に対し苦言を呈するという異例の事態となった<ref>{{Cite news|title=吉本興業会見に閣僚から発言相次ぐ「法令順守 説明責任を」|newspaper=NHK NEWS WEB|date=2019-07-23|url=https://web.archive.org/web/20190723060547/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190723/k10012004781000.html|agency=NHK(日本放送協会)|accessdate=2019-08-24}}</ref>。
その後、クールジャパン機構は吉本興業への出資は「適切な判断」であるとし、代表の[[北川直樹]]社長は今後も吉本興業への出資を段階的に増やしていく意向を示した<ref>{{Cite news|title=クールジャパン機構、吉本へ出資"継続"|newspaper=日テレNEWS24|date=2019-08-01|url=httphttps://wwwnews.news24ntv.co.jp/articlescategory/2019economy/08/01/06474216.html474216|agency=日本テレビ|accessdate=2019-08-24}}</ref>。
== その他 ==
* 2019年7月20日に宮迫と亮が開いた記者会見で、質疑応答の際に[[TBSテレビ]]『[[アッコにおまかせ!]]』のスタッフから宮迫に対し、「(以前、宮迫の不倫報道があった際に)オフホワイトですとのお答えをしてらっしゃいましたが、いまのお気持ちを色で表す事は可能ですか」と不適切な質問をしたため、ネット上で批判が殺到<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2019/07/20/0012533724.shtml|title=「アッコにおまかせ!」が物議 宮迫会見でのオフホワイト質問に賛否…トレンド入り|accessdate=2019年7月-07-28日|publisher=デイリースポーツ(2019年7月20日作成)}}</ref>。翌21日放送の同番組内で同局アナウンサーの[[国山ハセン]]と司会の[[和田アキ子]]が謝罪した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/07/21/kiji/20190721s00041000290000c.html|title=和田アキ子 TBS「アッコにおまかせ!」宮迫&亮会見での質問を謝罪「申し訳ありませんでした」|accessdate=2019年7月-07-28日|publisher=スポーツニッポン(2019年7月21日作成)}}</ref>。
* 2019年7月21日に投開票された[[第25回参議院議員通常選挙]]の投票率が48.8%となり、24年ぶりに50%を割り込んだが<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20190728124409/https://this.kiji.is/525753507921396833|title=参院選、投票率は48.80%|accessdate=2019年7月-07-28日|publisher=共同通信(2019年7月22日作成)}}</ref>、投票率が低かった要因として闇営業問題報道過熱化の煽りで参院選に関する報道が少なかった事を指摘する意見もある<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASM7R5KL4M7RULFA032.html|title=TV選挙報道「ジャニーさん、吉本に取られ」平井IT相|accessdate=2019年7月-07-28日|publisher=朝日新聞(2019年7月23日作成)|archive-url=https://web.archive.org/web/20190723134752/https://www.asahi.com/articles/ASM7R5KL4M7RULFA032.html |archive-date=2019-07-23 |url-status=dead |url-status-date=2024-09-24}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.j-cast.com/2019/07/24363370.html?p=all|title=生放送で吉本・参院報道に異論 夏目三久「そもそも検証すべきは...」|accessdate=2019年7月-07-28日|publisher=J-CASTニュース(2019年7月24日作成)}}</ref>。
* [[公正取引委員会]]は本件及び[[ジャニーズ事務所#公正取引委員会・圧力・付度に関する報道独占禁止法違反の恐れ|ジャニーズ事務所に対する注意勧告]]と、大手芸能事務所絡みのトラブルが立て続けに発生したことを受け、2019年8月27日に芸能分野の問題行為に関する具体例をまとめた。同委員会が芸能関係について言及するのは初めてであり、今後芸能事務所などに周知を図り、業界団体による自主的な改善を支援するという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49052000X20C19A8CC1000/|title=芸能分野の問題行為、公取委が例示 移籍妨害など|accessdate=2019年8月-08-29日|publisher=日本経済新聞(2019年8月27日作成)}}</ref>。
**この問題に前後して、公正取引委員会が芸能人などのフリーランスにも[[私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律]](独占禁止法)を適用すると見解をまとめたことから、芸能人が芸能事務所から退社・独立が相次ぐ契機になったとの指摘もある<ref>{{Cite news|title=【2020年芸能ニュース】相次ぐ事務所退所、独立…タレントと事務所の在り方に変化|newspaper=ORICON NEWS|date=2020-12-29|url=https://www.oricon.co.jp/special/55667/|agency=オリコン|accessdate=2020-12-30}}</ref>。
* [[ニホンモニター]]は2019年12月12日、「Yahoo!トピックス」と「LINE NEWS」を対象にした『2019タレントネットニュースランキング』を発表(調査期間:2019年1月1日~2019年11月30日)、1位は520回で宮迫、5位は406回で亮だった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.oricon.co.jp/news/2150760/full/|title=【ネットニュースランキング】宮迫博之が1位 山口真帆、田中圭、山里亮太もランクイン|accessdate=2019年-12月-12日|publisher=オリコン}}</ref>。
== 脚注 ==
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
== 関連項目 ==
*[[闇バイト]]
== 外部リンク ==
[[Category:2019年6月]]
[[Category:2019年7月]]
[[Category:日本の社会問題]]
[[Category:吉本興業の歴史]]
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