「ブラウン・BGP001」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m ボット: 言語間リンク 14 件をウィキデータ上の (d:Q172399 に転記) |
m編集の要約なし |
||
(14人の利用者による、間の14版が非表示) | |||
25行目:
== BGP001 ==
=== エンジン ===
当初、[[ホンダF1]]の2009年版のマシン「
想定外のエンジン変更にも
2009年から搭載することが可能であり、ホンダも開発していた[[運動エネルギー回収システム|KERS]]は、限られた予算や時間のこともあり、搭載の予定はなかった<ref name="BGP001-1" />。エンジンサプライヤーであるメルセデス・ベンツからKERSの提供を受けることが可能になったが<ref name="BGP001-KERS">{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3607.html|title=ブラウンGP、KERSの利用が可能に|publisher=F1-Gate.com|date=2009-05-17|accessdate=2009-05-23}}</ref>、KERSの重量によるマシンバランスなどの諸問題があり、結局は搭載を見送った<ref name="BGP001-KERS" />。
44行目:
インダクションポッドは他チームよりも大型なものが採用された。サイドには整流フィンが装着されている。
リヤディフューザーは'''[[ディフューザー (自動車)#マルチディフューザー|ダブルディフューザー]]'''と呼ばれる2段式のものを搭載している。これがテクニカルレギュレーションに適合していないのではないかと他チームから抗議を受けたが、FIAによって[[4月15日]]に合法であるとの判定を受けた<ref>{{cite news|url=http://www2.brawngp.com/pdf/ica.pdf|title=STATEMENT FROM THE BRAWN GP TEAM|publisher=BrawnGP.com |date=2009-04-15|accessdate=2009-04-24}}</ref>。この開発は前年撤退した[[スーパーアグリF1チーム|スーパーアグリ]]の空力設計者ら<ref>{{cite news|url=http://www.ocn.ne.jp/sports/motorsports/motor090331_1_1.html|title=“不死鳥”ブラウン1-2、勢力図を変革(1/3)|publisher=OCNスポーツ モータースポーツコラム |date=2009-03-29|accessdate=2011-09-01}}</ref>や、撤退前のホンダの日本人エンジニアが考案したものといわれ、ロス・ブラウン自身も当時を振り返りながら認めている<ref>{{
=== マシンカラーリング ===
カラーリングは、白を基調としたもので、ノーズにチームのカラーである黒と蛍光イエローのラインがある。スポンサーロゴは非常に少なかった。開幕戦では[[ヴァージン・グループ]]<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3121.html|title=ヴァージン・グループ、ブラウンGPのスポンサーに|publisher=F1-Gate.com|date=2009-03-26|accessdate=2009-05-23}}</ref>と[[ヘンリ・ロイド]]<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3120.html|title=ブラウンGP、ヘンリ・ロイドとスポンサー契約|publisher=F1-Gate.com|date=2009-03-26|accessdate=2009-05-23}}</ref>のロゴしかなかったが、グランプリを経るごとに若干増えた。[[2009年中国グランプリ|第3戦中国GP]]では、[[サングラス]]メーカーの[[レイバン]]とのパートナー契約と<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3360.html|title=ブラウンGP、レイバンとパートナー契約|publisher=F1-Gate.com|date=2009-04-20|accessdate=2009-05-23}}</ref>[[スイス]]の外国為替ブローカーのMIGインベストメンツとの3年契約を発表<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3308.html|title=ブラウンGP、MIGインベツトメンツとスポンサー契約|publisher=F1-Gate.com|date=2009-04-17|accessdate=2009-05-23}}</ref>。[[2009年スペイングランプリ|第5戦スペインGP]]前に、[[ブレーキ]]フルードを提供する[[エンドレス
なお、レイバンとエンドレ
タイトルスポンサーは終始不在であった。[[CEO]]の[[ニック・フライ]]は、タイトルスポンサーの獲得は急がないとの考えを示しており<ref name="BGP001-2">{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3597.html|title=ブラウンGP 「タイトルスポンサーの決定は急がない」|publisher=F1-Gate.com|date=2009-05-15|accessdate=2009-05-23}}</ref>。いくつかの大企業からスポンサーの申し出があることも明らかにしていたが<ref name="BGP001-2" />、チームの財政が厳しい状況に置かれている事もマシンカラーリングから判断できた。
57行目:
| image2 = Brawn BGP 001 Barcelona 4.jpg
| width2 = 220
| image3 =
| width3 = 176
| image4 = Brawn.GP.3.Spain.09.jpg
63行目:
| image5 = Jenson Button 2009 Singapore.jpg
| width5 = 220
| footer = <div style="text-align:left">(左:1) 開幕戦前のBGP001。まだスポンサーロゴが1つもなく、リアウイング翼端板にタイヤサプライヤである[[ブリヂストン]]のロゴが見えるのみ。<br/>(左:2) 開幕戦前のBGP001のノーズ部分。同じくブリ
| align = center
}}
70行目:
== 2009年シーズン ==
[[ファイル:Rubens Barrichello and Jenson Button 2009 Japan.jpg|thumb|right|260px|[[2009年日本グランプリ (4輪)|日本GP]]にて走行中のバリチェロ(前)とバトン(後)]]
ホンダからのチーム譲渡が遅れたため、マシンの登場は開幕戦3週間前にまでずれこみ、[[3月6日]]に[[シルバーストン・サーキット|シルバーストン]]で[[ジェンソン・バトン]]がシェイクダウンを行った<ref>{{cite news|url=http://f1.gpupdate.net/ja/news/2009/03/06/207892/|title=バトン 新チームで新たな一歩を踏み出す|publisher=gpupdate.net |date=2009-03-06|accessdate=2009-03-09}}</ref>。このシェイクダウンでマシンの名称が「'''BGP001'''」である事が明らかにされた<ref>{{
3月27日、開幕戦となる[[2009年オーストラリアグランプリ|オーストラリアGP]]でも他チームよりも一歩先んじたスピードを披露し、デビュー戦ワンツーフィニッシュを果たした。その後も第7戦[[2009年トルコグランプリ|トルコGP]]までにバトンが7戦中6勝を記録した(うちワンツーフィニッシュ3回)。
78行目:
前年度の[[ホンダ・RA108]]が失敗作であることが明らかだったため、チームは2008年の早い時期から開発リソースをRA109に注入していた<ref name="Gate0322"/>。開幕戦からダブルディフューザーを投入した3チーム(ブラウンGP、ウィリアムズ、トヨタ)の中でも、ホンダ(ブラウンGP)はダブルディフューザーの設計を突き詰めており、レギュレーション改正によって失われた[[ダウンフォース]]を取り戻すことができた。また、KERS非搭載を選んだという点でも、KERSを搭載した強豪チームのマシン熟成が遅れたという面でアドバンテージがあった<ref name="Gate0322"/>。故障によるリタイアが1度(トルコGPのバリチェロ)のみという、高い信頼性も武器になった。
その他にも、タイヤサプライヤーの[[ブリヂストン]]側からは、2009年から復活した[[スリックタイヤ]]にBGP001のマシン特性がマッチしたと指摘されている<ref>"[http://www.f1world.jp/events/crosstalk_report8_2.html 第8回『今宮純クロストーク・ミーティング』開催レポート]". F1 World.(2009年)2013年1月13日閲覧。</ref><ref>"[http://ms.bridgestone.co.jp/hp/bsms_contents?coid=1688 '09 F1 シーズンを振り返って-川原田氏×浜島スペシャル対談]". ブリヂストン.(2009年12月25日)2013年1月13日閲覧。</ref>。ブリヂストンはチーム側の要請により、前年までの[[グルーブドタイヤ]]と同サイズのスリックタイヤを製造したが、接地面積が増えたフロント側のグリップが強くなり、[[オーバーステア]]によってリアタイヤが傷みやすくなった。しかし、ホンダのマシンには以前から
== スペック ==
89行目:
* 全高 950mm
* ブレーキディスク・パッド カーボンファイバー[[ディスクブレーキ]]
* [[サスペンション]] 前後プッシュロッドアクティブ[[トーションバー・スプリング]]/[[ダブルウィッシュボーン式サスペンション|ダブルウィッシュボーン]]
* [[ショックアブソーバー|ダンパー]] [[ザックス]]
* [[ホイール]] [[BBS (自動車部品メーカー)|BBS]][[マグネシウム]]製
* [[タイヤ]] [[ブリヂストン]][[POTENZA|ポテンザ]]
* [[ギアボックス]] 7速+リバース1速[[セミオートマチックトランスミッション|セミオートマチック]]/カーボンファイバー製ケーシング
* エレクトロニクス [[マクラーレン・エレクトロニック・システムズ|MES]]-[[マイクロソフト]] スタンダード[[エンジンコントロールユニット|ECU]]
* [[ステアリング]] [[ラック・アンド・ピニオン]]
* [[ステアリング・ホイール]] カーボンファイバー製
* 重量 [[冷却水]]、[[潤滑油]]、ドライバーを含めて605kg
108行目:
* 重量 95kg
* [[点火プラグ|スパークプラグ]] [[日本特殊陶業|NGK]]
* [[燃料]] [[モービル]]ハイパフォーマンス無鉛[[ガソリン]](5.75%[[バイオ燃料]])
* 潤滑油 モービル1
== シャーシナンバー一覧 ==
=== 2009年 ===
<ref>{{cite news|url =http://www.f1technical.net/articles/12613|title =season stats|publisher =f1technical.net
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:85%"
!rowspan="2"| No. !!rowspan="2"| ドライバー !! 1 !! 2 !! 3 !! 4 !! 5 !! 6 !! 7 !! 8 !! 9 !! 10 !! 11 !! 12 !! 13 !! 14 !! 15 !! 16 !! 17
|-
! [[2009年オーストラリアグランプリ|AUS]]<br />{{flagicon|AUS}}
131行目:
! [[2009年イタリアグランプリ|ITA]]<br />{{flagicon|ITA}}
! [[2009年シンガポールグランプリ|SIN]]<br />{{flagicon|SIN}}
! [[2009年日本グランプリ (4輪)|JPN]]<br />{{flagicon|JPN}}
! [[2009年ブラジルグランプリ|BRA]]<br />{{flagicon|BRA}}
! [[2009年アブダビグランプリ|ABU]]<br />{{flagicon|UAE}}
194行目:
! [[2009年イタリアグランプリ|ITA]]<br />{{flagicon|ITA}}
! [[2009年シンガポールグランプリ|SIN]]<br />{{flagicon|SIN}}
! [[2009年日本グランプリ (4輪)|JPN]]<br />{{flagicon|JPN}}
! [[2009年ブラジルグランプリ|BRA]]<br />{{flagicon|BRA}}
! [[2009年アブダビグランプリ|ABU]]<br />{{flagicon|UAE}}
201行目:
| 22
| {{flagicon|UK}} [[ジェンソン・バトン|バトン]]
|
|
|{{MsStatsC|3rd}}| 3
|{{MsStatsC|1st}}| 1
|
|
|
|{{MsStatsC|pt}}| 6
|{{MsStatsC|pt}}| 5
|{{MsStatsC|pt}}| 7
|{{MsStatsC|pt}}| 7
|
|{{MsStatsC|2nd}}| 2
|{{MsStatsC|pt}}| 5
|{{MsStatsC|pt}}| 8
|{{MsStatsC|pt}}| 5
|{{MsStatsC|3rd}}| 3
|rowspan="2"
|rowspan="2"
|-
| 23
| {{flagicon|BRA}} [[ルーベンス・バリチェロ|バリチェロ]]
|{{MsStatsC|2nd}}| 2
|{{MsStatsC|pt}}| 5
|
|{{MsStatsC|pt}}| 5
|
|{{MsStatsC|2nd}}| 2
|
|{{MsStatsC|3rd}}| 3
|{{MsStatsC|pt}}| 6
|
|{{MsStatsC|1st}}| 1
|{{MsStatsC|pt}}| 7
|{{MsStatsC|1st}}| 1
|{{MsStatsC|pt}}| 6
|{{MsStatsC|pt}}| 7
|
|{{MsStatsC|pt}}| 4
|}
* '''太字'''は[[ポールポジション]]、''斜字''は[[ファステストラップ]]。([[:Template:F1 driver results legend 2|key]])
* 第2戦マレーシアGPは雨天で赤旗中断となり規定周回数の75%を満たさなかったため獲得ポイントは半分となる。
== 幻のRA109 ==
BGP001とは別に、[[本田技術研究所]]ではF1撤退発表後も栃木研究所において独自にシャシー開発を続行していたことが、後に明らかになっている<ref>『F1のテクノロジー 5』([[三栄書房]]、[[2012年]]) ISBN 978-4779616471</ref>。
後に公開された風洞モデルでは、ノーズ形状がBGP001の幅広ノーズではなく非常に細長い形状になっている他、エンジン排気口がBGP001よりもかなり前に位置している<ref>[http://blog.livedoor.jp/markzu/archives/51951764.html ホンダの2009年F1マシンが明らかに: ホンダRA109の空力学的開発] - F1通信・2014年7月31日</ref>。またギアボックスについて「USD(Ultra Short Differential)」と呼ばれる超小型ディファレンシャルを開発していた他、当然ながらKERS搭載も計画されており、バッテリーはノーズ下に収容される予定だった<ref>[http://blog.livedoor.jp/markzu/archives/51951803.html ホンダの2009年F1マシンが明らかに: ホンダRA109の機械的開発] - F1通信・2014年8月1日</ref>。
== 脚注 ==
{{commonscat|Brawn BGP 001}}
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}
== 関連項目 ==
* [[ホンダF1]]
* [[ホンダ・RA109K]] - 原型車両
{{ブラウンGP}}
|