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{{軌間}}
'''標準軌'''(ひょうじゅんき、スタンダードゲージ、{{lang-en|standard gauge)gauge}})は、[[鉄道]][[線路 (鉄道)|線路]]の[[軌間]]、すなわち[[軌条|レール]]頭頂部の内側の間隔が1435mm(41435[[ミリメートル]](4[[フィート]]8 1⁄2[[インチ]]<ref group="注釈">1フィートの長さは地域により異なった。以下では特に断らない限り[[イングランド]]や[[アメリカ合衆国]]のフィート(1フィート=約0.3048m)3048&nbsp;m)を意味する。</ref>)であるものを指す。ただし軌間の多少の差異は実用上あまり問題にならないため、[[レールウェイ・ガゼット・インターナショナル]]の統計では軌間1432mm1432&nbsp;mmから1445mm1445&nbsp;mmを標準軌としている<ref name="Oka_9"/>。
 
[[ヨーロッパ]]、[[北アメリカ]]、[[東アジア]]を中心に、世界で最も普及している軌間であり、[[20世紀]]末の時点では全世界の鉄道の約6割<ref group="注釈">国により統計年代や路線長の算出などの基準が異なるため、こうしたデータには曖昧さがある{{Harv|岡|2002|pp=13-14|Ref=Oka_ch2}}。</ref>が標準軌である<ref name="Oka_12-4"/>。標準軌より広い軌間を[[広軌]]、狭いものを[[狭軌]]と呼ぶ。
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=== 東アジア ===
==== 中国(大陸) ====
[[中国]]([[清]])で最初の本格的な鉄道<ref group="注釈">それ以前には[[1876年]]にイギリス人が無許可で建設した狭軌の[[呉淞鉄道]]がある。</ref>は[[1881年]]に開業した{{仮リンク|唐胥線|zh|唐胥鐵路}}である。これは炭鉱の石炭輸送用の短距離路線にすぎなかったが、[[イギリス人]]技術者{{仮リンク|クロード・ウィリアム・キンダー|en|Claude W. Kinder}}の主張により1435mm軌間で建設された。これは将来[[北京]]と[[遼陽府|奉天]](現[[瀋陽]])を結ぶ京奉線の一部となることを見越したものであった<ref name="Yamada_34-5"/>。以後中国の鉄道網は、中国人によるものも外国資本によるものも含め、ほぼ標準軌で建設されてゆくことになる<ref name="Yamada_36"/>。
 
ただし、[[ロシア]]の[[東清鉄道]]のみは、[[シベリア鉄道]]と同じ[[広軌]]であった。[[日露戦争]]で東清鉄道の南半分が日本の[[南満鉄道]]となると、この部分は標準軌に改軌され、[[長春駅]]が境界駅となった<ref name="Yamada_631-2"/>。[[満事変]]ののち、東清鉄道の後身である中東鉄道が[[満国]]によって国有化され[[満洲国国有鉄道|国有鉄道]]となると、[[1937年]]までに全線が標準軌に改軌された<ref name="Yamada_635-6"/>。
 
[[中華人民共和国]]の成立後、中国の鉄道網は拡大を続けており、20世紀末の時点で標準軌鉄道の路線長はアメリカ合衆国に次ぎ世界第2位となっている<ref name="Yamada_33-4"/>。
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イギリスの植民地だった[[オーストラリア]]では、[[1901年]]の連邦成立まで後の各州がそれぞれ自治政府を有しており、鉄道政策もばらばらに行われていた。[[ニューサウスウェールズ州|ニューサウスウェールズ]]植民地ではアイルランド出身の技術者により5フィート3インチ(1600mm)軌間が採用され、[[ビクトリア州|ビクトリア]]、[[南オーストラリア州|南オーストラリア]]植民地もこれにならった。しかしニューサウスウェールズでは技術者が[[スコットランド]]出身者に交代し、その後はイギリス本国やヨーロッパ諸国で標準的な4フィート8 1⁄2インチ軌間に変更されたため、隣の植民地州と軌間が異なってしまった。さらに、それらより遅れて鉄道を開業させた[[クイーンズランド州|クイーンズランド]]や[[西オーストラリア州|西オーストラリア]]、それに南オーストラリアの一部などでは、他のイギリス植民地でも多く利用され建設費も安い3フィート6インチ(1067mm)軌間を使ったため、オーストラリア大陸には3種類の軌間が混在することになった<ref name="Yamada_45-7"/><ref name="Oka_54-5"/>。
 
1901年の連邦成立後、連邦政府は軌間を標準軌へ統一しようとしたが、その動きは遅かった。[[1917年]]に[[ポートオーガスタ]]と[[カルグーリー]]の間で開通した[[大陸横断鉄道]]は、両端で接続する鉄道が狭軌だったにもかかわらず、標準軌で建設された。[[第二次世界大戦]]が終わってしばらく経った1950年代以降になってようやく、主要路線の改軌(三線軌条化なども含む)が本格化した。[[シドニー]] - [[パース (西オーストラリア州)|パース]]間が標準軌で直通可能になったのは[[1969年]]であり、[[1995年]]には5大都市(州都)がすべて標準軌鉄道で結ばれた<ref name="Yamada_45-7"/>。
 
=== 中央アジア ===
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|
|-
! [[コソヴォ|コソボ]]
| -<ref group="注" name="Jugo">「ユーゴスラビア」として記載。</ref>
| 430km (100%)
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| style="text-align:left" | 都市鉄道のみ(岡 & 山田)。最多は1668mm軌間。
|-
! [[マケドニア旧ユーゴスラビア共和国|マケドニア]]<ref group="注">2019年に「北マケドニア」に改称。</ref>
! [[マケドニア]]
| 699km (100%)
| 699km (100%)
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[[日本]]で標準軌を採用しているのは、[[新幹線]]、JR[[田沢湖線]]等在来線の[[ミニ新幹線]]区間、近畿圏および東京を中心とする[[大手私鉄]]、地下鉄、路面電車等である。日本に現存する標準軌幅の営業用路線はすべて[[鉄道の電化|電化]]路線であり、日本が領有していた外地を除くと、過去を含めても営業用の路線として[[非電化]]だったのは[[琴平電鉄塩江線]]が唯一の例である。
 
なお、昭和中期ごろまではこの1,435mm軌間を「広軌」と呼ぶのが一般的であり、公文書上でも1,435mm軌間を広軌と表現していたこともあった。理由は[[在来線]]に多く使用されている1[[狭軌]](1,067mm軌間が標準的であり、それより広いためである。そのため、伝統的に標準軌が主流の関西私鉄の一つである[[近畿日本鉄道]](近鉄)ですら、同様の理由で1,435mm軌間の路線を「広軌」と公式には称している。しかし、近年では国際的な[[広軌]]幅の呼称との混同を防ぐため、日本において1,435mm軌間を意味するためには本項目の「標準軌」の用語が基本的に使用されることが増えている。
 
* JR(新幹線および、法律上の在来線のうち新幹線車両のみが走行する路線)
** [[東海道新幹線]]・[[山陽新幹線]]・[[九州新幹線]]・[[西九州新幹線]]
** [[東北新幹線]]・[[上越新幹線]]・[[北陸新幹線]]
** [[北海道新幹線]](ただし[[海峡線]]との共用区間([[新中小国信号場]] - [[木古内駅|木古内]]間)は狭軌(軌間1067mm)・標準軌の[[三線軌条]])
** [[博多南線]](山陽新幹線車両が直通)
** [[上越線]]支線[[越後湯沢駅|越後湯沢]] - [[ガーラ湯沢駅|ガーラ湯沢]]間(上越新幹線車両が直通)
* JR(在来線のうち新幹線車両が直通する路線。いわゆるミニ新幹線)
** [[奥羽本線]][[福島駅 (福島県)|福島]] - [[新庄駅|新庄]]間(東北新幹線から専用車両が直通、通称[[山形新幹線]]。同区間を走行する普通列車の運行系統上の路線名は通称[[山形線]]。ただし[[山形駅|山形]] - [[羽前千歳駅|羽前千歳]]間は狭軌(軌間1067mm)と標準軌の[[単線並列]])
** 奥羽本線[[大曲駅 (秋田県)|大曲]] - [[秋田駅|秋田]]間(東北新幹線から専用車両が直通、通称[[秋田新幹線]]の一部。同区間は狭軌(軌間1067mm)と標準軌の単線並列、標準軌は東側軌道(軌間変更前の上り線に相当)。ただし[[神宮寺駅|神宮寺]] - [[峰吉川駅|峰吉川]]間の西側軌道(軌間変更前の下り線に相当)は狭軌(軌間1067mm)・標準軌の三線軌条)
** [[田沢湖線]](東北新幹線から専用車両が直通、通称秋田新幹線の一部)
* 私鉄
** [[東京地下鉄]]([[東京メトロ銀座線|銀座線]]・[[東京メトロ丸ノ内線|丸ノ内線・丸ノ内線分岐線]])
682行目:
** [[北総鉄道]]
** [[芝山鉄道]]
** [[京浜急行電鉄]]([[京急逗子線|逗子線]][[金沢八景駅|金沢八景]] - [[神武寺駅|神武寺]]間の上り線は狭軌(軌間1067mm)・標準軌の三線軌条)
** [[小田急箱根登山鉄道]]([[小田急箱根登山鉄道鉄道線|鉄道線]][[入生田駅|入生田]] - [[強羅駅|強羅]]間ただし入生田 - [[箱根湯本駅|箱根湯本]]間は狭軌(軌間1067mm)・標準軌の三線軌条))〉)
** [[十国峠十国鋼索線|十国峠]]([[十国峠十国鋼索線|十国鋼索線]])
** [[大阪市高速電気軌道]]
** [[近畿日本鉄道]]([[近鉄南大阪線|南大阪線]]系統を除く・[[近鉄生駒鋼索線|生駒鋼索線]]は狭軌
** [[京阪電気鉄道]]([[京阪鋼索線|鋼索線]]を除くのみ狭軌
** [[阪急電鉄]]
** [[阪神電気鉄道]]
** [[山陽電気鉄道]]
** [[能勢電鉄]]([[妙見の森リフト]]を除く)
** [[京福電気鉄道]]([[京福電気鉄道嵐山本線|嵐山本線]]・[[京福電気鉄道北野線|北野線]])
** [[叡山電鉄]]
699行目:
** [[広島電鉄]](新幹線を除けば中国地方唯一)
** [[筑豊電気鉄道]]
** [[西日本鉄道]]([[西鉄貝塚線|貝塚線]]を除くのみ狭軌
** [[長崎電気軌道]]
* 公営
715行目:
** 京都市交通局([[京都市電]])(旧[[京都電気鉄道]]買収区間を除く)
** [[愛宕山鉄道]] - [[愛宕山鉄道|平坦線]]
** [[大阪市交通局]]([[大阪市電]])
** [[南海電気鉄道]]([[南海平野線|平野線]]・[[南海大浜支線|大浜支線]])
** 神戸市交通局([[神戸市電]])