2年前映画館で起きた無差別殺人事件で息子を亡くした品味ニュースチャンネルの次長・宋喬安(アリッサ・チア)は、悲しみと自責から逃避するため、仕事に没頭しお酒に溺れ、夫・劉昭國(ウェン・シェンハオ)や娘との関係も悪くなり家庭は壊れる寸前だった。ある日、彼女の部下として品味ニュースチャンネルに李大芝(チェン・ユー)という女性が入ってくる。だがその女性は、無差別殺人事件の犯人の妹だった。身分を隠して新しい人生を送ろうとしていた李大芝は仕事場で兄を担当する弁護士・王赦(ウー・カンレン)と再会し、ずっと逃げていた過去と直面することに……。被害者、加害者、メディア、精神医学など多元の角度から事件を見つめ討論する、台湾で空前の注目を呼んだ社会派ドラマ。
台湾ドラマの歴史を変えた、いま見るべき傑作ヒューマンドラマ!
圧巻の金鐘賞史上最多14ノミネート&6部門受賞!そのほかアジアのドラマアワードも複数受賞
■キャスト
アリッサ・チア
ウェン・シェンハオ
ウー・カンレン
チェン・ユー
ゾン・ペイツー
リン・ジェーシー
■スタッフ
制作会社:大慕影藝
プロデューサー:リン・ユーリン、タン・シェンロン
演出:リン・ジュンヤン「あすなろ白書~Brave to Love~」
脚本:ルー・シーユエン『先に愛した人』(※共同脚本)
台湾で起きた大量殺戮事件から2年が経過し、犯人に死刑が求刑された。死刑執行の前に真相を明かすべきと犯人を擁護する弁護士王赦(ワンシャー)(ウー・カンレン)は社会から避難を浴びていた。この事件で息子を失った母親宋喬安(ソンチャオアン)(アリッサ・チア)は、その悲しみを紛らわせるため、職場であるSBCニュースの現場に没頭し、家では酒に溺れる日々が続いていた。そんな彼女にもとで一人の新人社員が働き始めることに。
幼稚園に精神異常者の侵入事件が発生。その幼稚園に愛娘を預けていた弁護士王赦(ワンシャー)(ウー・カンレン)の妻美(メイ)媚(メイ)(チョウ・ツァイシー)は恐怖に慄く。一方、李大芝(リーダージー)(チェン・ユー)はSBCニュースの上司宋喬安(ソンチャオアン)(アリッサ・チア)の九歳の息子が、母の日の前日に兄に殺された被害者だと知る。自らが容疑者家族であることを隠す李大芝(リーダージー)(チェン・ユー)は会社に辞表を提出することに。
幼稚園へ侵入したと報道された容疑者は、将来を嘱望された若手映画監督・應思聡(イン・スーツォン)(リン・ジェーシー)だった。初監督作が失敗に終わった彼は、極度のストレスで精神に異常を来たし始めていた。一方的な報道に怒る姉・思悦(スーユエ)(ゾン・ペイツー)は、SBCニュースで働き、面倒を見ている大芝(ダージー)(チェン・ユー)に報道の異常性を責めてしまう。
医師の診断の結果、應思聡(イン・スーツォン)(リン・ジェーシー)は、統合失調症と診断される。投薬治療が始まり、その変わり果てた姿に涙する家族。一方、美(メイ)媚(メイ)(チョウ・ツァイシー)は、殺人犯の弁護だけを担当する弁護士の妻として社会から嫌がらせを受け始め、夫の王赦(ワンシャー)(ウー・カンレン)に家庭か仕事かの選択を迫る。また、SBCニュース副局長・宋喬安(ソンチャオアン)(アリッサ・チア)は、反発し家を飛び出してしまった娘に悩む。
実家に戻った美(メイ)媚(メイ)(チョウ・ツァイシー)に、何故弱者の人権を擁護するか語る弁護士王赦(ワンシャー)(ウー・カンレン)。彼は李大芝(リーダージー)(チェン・ユー)を説得し、家族と兄が面会する段どりまで取り付けていた。そんな折、急遽、李大芝(リーダージー)(チェン・ユー)の兄の死刑が執行されるとSBCニュースに伝えられ、激しく動揺する大芝(ダージー)。宋喬安(ソンチャオアン)(アリッサ・チア)は、母へ電話をする大芝(ダージー)の会話を耳にしてしまう。
死刑が執行され、事件の真相を明らかにできなくなった弁護士王赦(ワンシャー)(ウー・カンレン)は絶望を感じる。一方、遺体を引き取りに向かった李大芝(リーダージー)(チェン・ユー)の家族は、突然SBCニュースから取材攻勢を受けてしまう。そして、被害者の遺族や社会からも一斉に非難を浴びる。宋喬安(ソンチャオアン)(アリッサ・チア)は夫の劉昭國(リウジャオグオ)(ウェン・シェンハオ)とカウンセリングを受け始めることに。
息子を失った心の闇が徐々に癒え始めた宋喬安(ソンチャオアン)(アリッサ・チア)の前に、メディアに煽られた模倣事件が発生する。そして、当事者家族は集中砲火を浴びて行方不明になってしまう。結婚の日取りが迫る思悦(スーユエ)(ゾン・ペイツー)は、心の病に苦しむ弟・思聡(スーツォン)(リン・ジェーシー)や迫害を受ける大芝(ダージー)(チェン・ユー)を必死に守ろうとする。
ネットで脅迫を受けていた妻が早産をしてしまった弁護士王赦(ワンシャー)(ウー・カンレン)は、自分の行いを悔いて今までの弁護方針を一変させる。病から社会復帰しようとする思聡(スーツォン)(リン・ジェーシー)の前には多くの苦難があり、それを姉として支える思悦(スーユエ)(ゾン・ペイツー)。そんなおり、大芝(ダージー)(チェン・ユー)は大学生の先輩と再会し、デートすることに。
雑誌記事の掲載を契機に、大芝(ダージー)(チェン・ユー)も両親もメディアに囲まれ集中取材をうける。遺族から弾劾され謝罪を要求される大芝(ダージー)を思聡(スーツォン)(リン・ジェーシー)がそっと励ます。この家族の窮地に対し、思悦(スーユエ)(ゾン・ペイツー)のフィアンセは助けようともしない。宋喬安(ソンチャオアン)(アリッサ・チア)は報道方針を改める試みをSBCニュースで始めることに。
新たなSBCニュースの幹部との編成方針の違いにより、宋喬安(ソンチャオアン)(アリッサ・チア)は編成部から左遷されてしまう。また、症状が悪化し幻覚を見るようになった思聡(スーツォン)(リン・ジェーシー)は自宅から逃走してしまう。一方、本来の志を取り戻した弁護士王赦(ワンシャー)(ウー・カンレン)は、2年前の無差別殺人事件でそれぞれが悲しみを負った被害者と加害者の家族同士を向き合わせることに。
ヒューマンドラマ『悪との距離』の誕生の過程を、プロデューサー、監督、脚本家などのスタッフや出演者のそれぞれの熱い想いを語るメイキング集。