水泳部では新人戦に向けて練習が始まろうとしていた。
そんな折、遙は中学生時代のチームメイトである旭と再会する。
ともに上京していた真琴も交え、喫茶店で当時の思い出を語り始める遙たち。
話題はもう一人の中学時代のチームメイトである郁弥のことだった。
関東の大学1年生が出場する新人戦当日。遙はフリー100Mでデビュー戦を飾ることに。
同じレースには旭も出場しており、遙と旭は数年ぶりのフリー対決に火花を散らす。
接戦を制したのは遙だった。
そんなレースを冷ややかに見つめていた日和はぽつりと呟く。
――「なぁにあれ。ただの郁弥の劣化コピーじゃん」と。
試合が終わり遙と旭は互いの健闘を称えあった。
そんな遙の視界を過ぎったのは、
今、まさに目の前を通り過ぎようとしている――郁弥の姿だった。
第1話で大切にしたかった「一推し!」シーンを教えてください。
今作のTVシリーズで目指しているのは新しい世界での出会い、挑戦を軸にした青春群像劇です。なので、それぞれのキャラ達の登場場面には気を使いました。新しい世界での希望、期待、戸惑い、葛藤。そして様々なキャラたちが出会い、互いに影響を与え合い、成長し新たな目標に向けて進んでいく。その様子は今後の話数でも度々起こり、物語を駆動していきます。意識して描写していますので、どうかご期待下さい。
またOPは少年マンガっぽい、男の子っぽさを意識しました。ノリノリでご視聴下さい。EDは本編がややシリアスなので、華やかな色合いと複数の場面転換によって楽しく明るい空気感が出るよう工夫しました。曲もゴキゲンなナンバーなのでウキウキでご視聴頂ければと思います。
今後も画面狭しと動き回る遙たちの成長と挑戦を暖かく見守って頂けると嬉しいです。
「Free! -Dive to the Future-」よろしくお願いします!
演出時に印象的だった出来事、エピソードを教えてください。
設定的な小話でもしてみます。
肩の事もあってずっと気を張りつめている宗介が、似鳥や百太郎は後輩だし、凛は本質的にはライバルだしで、心から弱さを見せられていない事を考え、実家で心からリラックスできる、気を許せて甘えられる存在が欲しいと思い、いとこのお兄さんを爆誕させました。
また岩鳶新一年生の歩(あゆむ)は江と同じく「女なのに男みたいな名前」として、岩鳶水泳部に花を添えています。
アニメーションの画作りとしては、OPの凛のキャップのロゴが地味に変わっていたり、EDの時計の針が毎話数違っていたりと、今回も細かい事をいろいろと工夫しております。
ものづくりは細かい積み重ねかな、と思っていますのでコツコツとした積み上げを楽しんで頂けると嬉しいです。
第1話、あまりに盛りだくさんな内容で今は尺内におさまった奇跡に感謝しかありませんが、“物語が動き出すぞ”って空気感は意識して制作しました。この作品の“熱”のようなものが少しでも伝わっていれば嬉しいです。
第1話で上手くいった、楽しかった、大変だった等の印象的だったカット(シーン)を教えてください。
1話ということで、各キャラクターの顔見せや新キャラクターの登場など大事なシーンが多くあり、どのcutも気合を入れて作画させて頂きました。
成長した「ハイ☆スピード!」のメンバーも加わり、人数が増えて賑やかになった分大変ですが、長く続いているシリーズという事もあり、今まで応援してくださったファンの方々に喜んで頂ける様に、遙達を大切に描画していければと思います。
第1話での美術のポイント、押さえておきたい見どころを教えてください。
高校生から大学生への成長した印象を出すために、大人のかっこよさを意識し心情的に暗いシーンや暗がり場所、暗く落とすポイントはしっかりと暗くしています。とくに純喫茶まろん店内は、暖色蛍光灯の暗がりにしてレトロな雰囲気の大人な空間を目指しました。
シリーズを通して応援いただいているみなさまに、大人になった遙たちを見ていただければ幸いです。