彼らの特徴は「年収350万円の正社員」「飲み会には絶対行かない」「昇進意欲が全く無い」「女性経験が0」などなど。これに上の世代は「幸せなのだろうか」「少子化が進むわけだ」と不安めいた言葉を投げかけているが、共感する人たちのほうがずっと多い。
まさに自分のことだと思った
「令和の一般男性、まさに僕だと思いました」苦笑しながらそう言うのは、ユウスケさん(32歳)だ。大卒で入社した大手企業の人間関係に耐えられず27歳で退職、その後、現在の会社に転職した。
「人間関係はまあまあ。でも僕には出世欲がないんです。日々、それなりに仕事をして日常生活がなんとか暮らせればいいかなと思ってる。休みの日はゲームをしているかネットで映画を観ているか。あんまり繁華街に遊びに行きたいとも思わないし、会いたい友だちがいるわけでもないし」
そういう人生で楽しいかと聞かれると、「楽しいわけでもないけど、楽しくなければいけないわけでもないですよね」と淡々と言う。
「子どものころから不景気だったし、オヤジがバブルで大変な目にあったらしいし、親戚の中でもバブルで土地を売り買いして、あげく自己破産に陥った人などがいるので、ずっと地道に、上を見ずに生きていこうと思っていたんです。幸い、正社員になれたので、生活はなんとかやっていける。食べられればそれでいい」
「あきらめることに慣れているのかも」
コツコツと貯金もしている。人生、何があるかわからないので、今のところは恋愛も結婚もするつもりはないが、いつかは変わるかもしれないと柔軟に考えているそうだ。「ときどきふっと考えることはありますよ。子どものころはパイロットになりたいという夢があったなあとか、中高時代夢中になっていた野球を、もう一度やってみたいなと思ったり。でも実際にやることを考えると、段取りが面倒であきらめてしまう。あきらめることに慣れているのかもしれませんね」
他人がとやかく言うことではないのだろう。彼自身が満足していればいいのだから。とはいえ、彼自身も「満足」と言える生活ではないとつぶやいた。
「これを受け入れるしかない。そういう時代に生きているということなんです」
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